前回は、因数分解の基本として「共通因数でくくる」パターンを解説しました。
前回はこちら
やさしい因数分解②:共通因数でくくる基本の型
今回は、いよいよ “因数分解らしい形” にステップアップします!
今回、取り上げるのは
\(x^2+(a+b)x+ab\)
という形の因数分解。
「かけて○、足して○になる2つの数」を見つけるのがポイントですが、ステップさえわかれば誰でもできます!
このページでは、公式の説明、解き方
- 公式の考え方
- 解き方の手順
- 効率的に解くコツ
を、例題と練習問題を交えて解説していきます。
公式の使い方
今回使う公式はこちら:
\(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
左辺の特徴:
- 定数項:\(ab\)
右辺のかっこの中の2数をかけたもの - \(xの係数:a+b\)
かっこの中の2数を足したもの
つまり、「かけて定数項、足してxの係数になる2つの数」を見つけたら、すぐに因数分解できるというわけです。
具体的には、次のステップを踏んで\(a、b\)のペアを見つけてください。
- 定数項の因数の組み合わせを書きだす。
- その中から、足すと\(x\)の係数になるペアを探す。
- 公式に当てはめて因数分解する。
なぜ「定数項から」見るの?
それは、かけて○になる組み合わせの方が数が少なく、先に絞り込みやすいからです。
これは第 1 回でもお話した「パターンの少ないところから絞る」考え方と同じです。
例で確認してみましょう
\(x^2-4x+3\)の因数分解を考えます。
ステップ1:定数項の因数
定数項は 3
→\((1,3)、(-1,-3)\)
ステップ2:\(x\)の係数は-4
→妥当な組み合わせは、\((-1,-3)\)
ステップ3:公式に当てはめる
\(x^2-4x+3=(x-1)(x-3)\)
例題
例題1:\(x^2+6x+8\)
公式に当てはめて次のように因数分解できる。
\(x^2+6x+8=(x+2)(x+4)\)
例題2:\(x^2+x-12\)
公式に当てはめて次のように因数分解できる。
\(x^2-x-12=(x+3)(x-4)\)
例題3:\(x^2+8x-48\)
公式に当てはめて次のように因数分解できる。
\(x^2+8x-48=(x+12)(x-4)\)
例題3のように、定数項が大きくなると、候補が多くなって大変です。
そんなときは、\(x\)の係数をヒントにすると効率アップ!
たとえば、例題3の場合\(x\)の係数が「8」であるため、
差が大きい組((1,-48)、(2,-24) など)は候補から外してOKです。
逆に差が小さい(6,-8)なども候補から外してOKです。
このように、慣れてきたら、\(x\)の係数から逆算して候補を絞る練習もしていきましょう。
演習と解説
演習1:\(x^2-7x+10\)
解答はこちら
\(x^2-7x+10=(x-2)(x-5)\)
演習2:\(x^2-3x-18\)
解答はこちら
\(x^2-3x-18=(x+6)(x-3)\)
演習3:\(x^2+13x-48\)
解答はこちら
\(x^2+13x-48=(x+3)(x-16)\)
終わりに
今回は、因数分解の中心となる公式
\(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
について解説しました。
手順さえ覚えれば、むずかしい問題もスラスラ解けるようになります。
次回は、2乗の形になっているパターン(公式③・④)を解説します。
どんどんステップアップしていきましょう!
次回はこちら
やさしい因数分解④2乗の形を見抜くコツ
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