前回は、「2乗の形」の公式を使って、\((x±a)²\)に変形するタイプの因数分解を学びました。
前回はこちら
やさしい因数分解④:2乗のかたちを見抜くコツ
今回は、因数分解のなかでももっとも見た目がシンプルな形、
\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)
という、「2 乗 − 2 乗」の公式について説明します。このタイプは見抜けさえすれば即解答できるので、ぜひマスターしておきましょう!
公式の解説
今回使う公式はこちら:
\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)
左辺の特徴:
- 項の数が2つ
- 「2 乗 - 2 乗」の形になっている。
「項が2つ」で「2乗が引き算されている形」なら、すぐにこの公式を使えます。
例で見てみましょう。
\(x^2-25\)
25 は5 の2 乗→式が「2 乗 − 2 乗」の形
したがって、
\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)
が使える形で、\(a=5\)とわかるので
\(x^2-25=(x+5)(x-5)\)
この公式は、他の因数分解公式に混ざって出てくると、見落としやすいのが特徴です。
公式検討の優先順位は次回で説明しますが、いったん見落としの多い公式なんだと思って演習してください。
例題
例題1:\(x^2-4\)
4 は2 の2 乗
→式が「2 乗 − 2 乗」の形
\(x^2-4=(x+2)(x-2)\)
例題2:\(x^2-100\)
100 は10 の2 乗
→式が「2 乗 − 2 乗」の形
\(x^2-100=(x+10)(x-10)\)
たとえば\(x^2-4\)は
\(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
を使っても解けます。
元の式に、\(x\)の項はありませんが、係数を0 と考えると、次のように式変形できます。
\(x^2-4=x^2+0 \times x-4\)
- 定数項 -4:
組み合わせは(1,-4)、(2,-2)、(4,-1) - \(x\)の係数 0:
足して0になるのは(2,-2)
これで\(a\)=2、\(b\)=-2とわかったので
\(x^2-4=(x+2)(x-2)\)
ただし、答案としては \((x+2)(x−2) \)とすぐ書ける方がスムーズなので、「2乗−2乗」の公式を使って解くのがベストです。
演習と解説
演習1:\(x^2-9\)
解答はこちら
9 は 3 の 2 乗
\(x^2-9=(x+3)(x-3)\)
演習2:\(x^2-81\)
解答はこちら
81 は 9 の 2 乗
\(x^2-9=(x+3)(x-3)\)
演習3:\(x^2-49\)
解答はこちら
49 は 7 の 2 乗
\(x^2-49=(x+7)(x-7)\)
終わりに
今回は「2乗 − 2乗」の形を見抜く公式を学びました。使う条件がはっきりしているぶん、慣れれば一瞬で解けるパターンです!
次回は、これまで学んだ公式をどんな順番で使えばいいのか、「公式の選び方」をテーマにお届けします。
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