やさしい因数分解⑤:2乗−2乗の公式をマスターしよう

中3

前回は、「2乗の形」の公式を使って、\((x±a)²\)に変形するタイプの因数分解を学びました。

前回はこちら
やさしい因数分解④:2乗のかたちを見抜くコツ

今回は、因数分解のなかでももっとも見た目がシンプルな形、

\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)

という、「2 乗 − 2 乗」の公式について説明します。このタイプは見抜けさえすれば即解答できるので、ぜひマスターしておきましょう!

公式の解説

今回使う公式はこちら:

\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)

左辺の特徴:

  • 項の数が2つ
  • 「2 乗 - 2 乗」の形になっている。

「項が2つ」で「2乗が引き算されている形」なら、すぐにこの公式を使えます。

例で見てみましょう。

\(x^2-25\)

25 は5 の2 乗→式が「2 乗 − 2 乗」の形
したがって、

\(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)

が使える形で、\(a=5\)とわかるので

\(x^2-25=(x+5)(x-5)\)

間違いやすいポイント

この公式は、他の因数分解公式に混ざって出てくると、見落としやすいのが特徴です。
公式検討の優先順位は次回で説明しますが、いったん見落としの多い公式なんだと思って演習してください。

例題

例題1:\(x^2-4\)

  4 は2 の2 乗
  →式が「2 乗 − 2 乗」の形

  \(x^2-4=(x+2)(x-2)\)


例題2:\(x^2-100\)

  100 は10 の2 乗
  →式が「2 乗 − 2 乗」の形

  \(x^2-100=(x+10)(x-10)\)

豆知識:かけて、たしての公式で解ける?

たとえば\(x^2-4\)は

\(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)

を使っても解けます。
元の式に、\(x\)の項はありませんが、係数を0 と考えると、次のように式変形できます。

\(x^2-4=x^2+0 \times x-4\)

  • 定数項 -4:
    組み合わせは(1,-4)、(2,-2)、(4,-1)
  • \(x\)の係数 0:
    足して0になるのは(2,-2)

これで\(a\)=2、\(b\)=-2とわかったので

\(x^2-4=(x+2)(x-2)\)

ただし、答案としては \((x+2)(x−2) \)とすぐ書ける方がスムーズなので、「2乗−2乗」の公式を使って解くのがベストです。

演習と解説

演習1:\(x^2-9\)

解答はこちら

  9 は 3 の 2 乗

  \(x^2-9=(x+3)(x-3)\)


演習2:\(x^2-81\)

解答はこちら

  81 は 9 の 2 乗

  \(x^2-9=(x+3)(x-3)\)


演習3:\(x^2-49\)

解答はこちら

  49 は 7 の 2 乗

  \(x^2-49=(x+7)(x-7)\)

終わりに

今回は「2乗 − 2乗」の形を見抜く公式を学びました。使う条件がはっきりしているぶん、慣れれば一瞬で解けるパターンです!

次回は、これまで学んだ公式をどんな順番で使えばいいのか、「公式の選び方」をテーマにお届けします。

次回はこちら
やさしい因数分解⑥:もう迷わない!公式選択の4ステップ

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