【中3数学】二次関数をわかりやすく!一次関数とのaの違いや値の変化の特徴を徹底整理

「一次関数はわかったけど、二次関数になって急に式がややこしくなった…」
「\(y=ax^2\)の\(a\)って、前の\(a\)と同じなの?」

中学校の数学で大きな山場となる「二次関数」。
実は、どういう値をとるかの特徴や、一次関数との違いを正しく理解するだけで、この先の学習がぐっと楽になります。

この記事では、「関数とは何か」という大元から順を追って整理し、具体例を交えながら二次関数の本質や値の変化の特徴まで丁寧に解説します。

仕組みからしっかり納得できれば、丸暗記に頼らず確実な計算力が身につきます。
順序立てて考えれば必ず理解できますので、まずは基本の考え方から一緒に見ていきましょう。

この記事でわかること
  • 「関数」の本来の意味と、二次関数($y=ax^2$)の基本的な定義
  • 車のブレーキやボールの落下など、身の回りにある二次関数の具体例
  • 0から離れるほど増え幅が大きくなる、二次関数特有の「値の変化」の特徴
  • 一次関数と二次関数の\(a\)の違い

目次

二次関数の定義を、関数の意味から考えてみよう

関数のうち、\(y\)が\(x\)の二次式で表される関数のこと

いまいちイメージを掴みづらいと思うので、関数の意味から順を追って考えてみます。

そもそも「関数」って何?

関数は、「\(x\)を1つ決めると\(y\)がただ1つに決まるときの決まり方のルール」のこと

\(x\)を1つ決めると\(y\)がただ1つに決まるとき、その決まり方のルールのことを関数と呼びます。

たとえば、「\(y\)は\(x\)の2乗」のようなルールを考えます。

このルールでは、\(x\)が\(2\)なら\(y\)は\(4\)、\(x\)が\(-3\)なら\(y\)は\(9\)のように、\(x\)を1つ決めると\(y\)も1つに決まります
だから、このルールは関数と言えます。

「関数」を式であらわしたものが「関数の式」

「\(y\)は\(x\)の2乗」というルールを式の形にすると、次のように表せます。

\[y=x^2\]

このように関数を式のかたちで表したものを関数の式と呼びます。

関数の式を表しておくと、代入するだけで\(x\)や\(y\)の値を計算したり、複雑なことを計算で考えられるようになります。

二次関数とは?定義をわかりやすく解説

先ほどの例で挙げた関数の式を考えます。

\[y=x^2\]

この式で、\(y\)は\(x\)の二次の項(\(x^2\))からなる二次式で表されています。

このように、関数の中で、\(y\)が\(x\)の二次式で表される関数のことを二次関数と呼ぶのです。

また、この式のように、\(y\)が\(x\)の二次の項だけで表される関数を「\(x\)の2乗に比例する関数」と呼びます。

実際、身の回りのどういうところに二次関数があるの?

「二次式で表される関数」と言われても、なんだか難しそうに聞こえますよね。

でも実は、身の回りには二次関数で表されることがたくさんあります

代表的な例を2つ紹介します。

例1:車のブレーキ(制動距離)

ブレーキを踏んでから車が完全に「止まるまでに進む距離\(y\)」(これを「制動距離」と言います)は、「スピード\(x\)」の2乗に比例します。

  • スピードが2倍…止まるまでの距離は 4倍(\(2^2\)倍)
  • スピードが3倍…止まるまでの距離は 9倍(\(3^2\)倍)

「スピードが2倍になったから、止まる距離も2倍(一次関数)」……とはならないのが、二次関数の恐ろしいところ。

車に一定のブレーキの力がかかり続けるとき、移動する距離は必ず二次関数(\(x\)の2乗)の変化になります。
これは実験で分かっている法則です。

例2:ボールを落としたときの距離(落下運動)

手に持ったボールを、そっと下に落としたときの「時間\(x\)」「落ちた距離\(y\)」の関係も二次関数です。

ボールを落としたとき、1秒後に約5m落ちたとします。
じゃあ、2秒後には何m落ちていると思いますか?

「1秒で5mだから、2秒なら10m(一次関数)でしょ!」と思いそうになりますよね。

でも実際は、2秒後には元の位置から約25mも落ちています。

地球がボールを「一定の力(重力)」で引っ張り続けているため、落ちるスピードはどんどん加速していき、進む距離は時間の2乗に比例して増えていくのです。


制動距離や、落下運動がなぜ二次関数なのかという話は、高校の物理で学びます。
中3では文章題で、制動距離や落下運動の話が出てくることもありますが、必ず説明がつきます。
「何が二次関数で表されるか」ということは、覚える必要はないですよ。

二次関数(\(x\)の2乗に比例する関数)ってどうやって表される?

【\(x\)の2乗に比例する関数の一般形】

\[y=ax^2\ (a \neq 0:a \text{(比例定数)})\]

「\(y\)が\(x\)の2乗に比例する関数」とは、「\(y\)が\(x\)の2乗の何倍かになっている関係」のことを言います。
そのため、「\(y\)は\(x^2\)を\(a\)倍したもの」という意味で「\(y=ax^2\)」と表します。

比例や反比例のときと同じように、数字が入る\(a\)のことを「比例定数」と呼びます。

「なんで『2乗に比例する』なんてややこしい言い方をするの?」と思うかもしれません。
これは、\(y\)は、\(x\)ではなく「\(x\)の2乗\(x^2\)」という固まりに比例しているからです。


ちなみに、\(x\)にマイナスの数を代入するときは注意してください。

例えば\(x = -3\)のときの\(x^2\)は、

  • \((-3)^2=(-3) \times (-3) = 9\)

と計算するのが正しいですが、

  • \((-3)^2=-3 \times 3 = -9\)
  • \(-3^2= -3 \times 3 = -9\)

のような計算ミスをしてしまうことがよくあります。

「カッコをつけて負の数をかたまりとして扱う」「2乗は同じものを2回かける」という基本ルールを徹底すると、計算ミスをしなくなりますよ。

二次関数\(y=ax^2)\にはどんな特徴がある?

【二次関数\(y=ax^2\)の値の特徴】

  • \(y\)の値は常に\(0\)以上(\(a \gt 0\)のとき)か\(0\)以下(\(a \lt 0\)のとき)
  • \(y=0\)以外は、同じ\(y\)になる\(x\)が2つある
  • \(x\)が増えたときの\(y\)の変化が「減少から増加(\(a \gt 0\)のとき)」または「増加から減少(\(a \lt 0\)のとき)」に切り替わる
  • \(x\)の値の絶対値が大きくなるほど、\(y\)の変化幅が大きい

暗記する内容ではないですが、知っているとこの後の学習内容がぐっと深まります。

ここから、\(y=2x^2\)という二次関数を例に、値がどう変化するのかを見ていきます。
まず、\(x=-2,-1,-0.5,0,0.5,1,2\)と代入した表を作ります。

\(x\)-2-1-0.500.512
\(y\)820.500.528

ここから、次の4つの特徴が見えてきます。

  • \(y\)の値は常に\(0\)以上(\(a \gt 0\)のとき)か\(0\)以下(\(a \lt 0\)のとき)
  • \(y=0\)以外は、同じ\(y\)になる\(x\)が2つある
  • \(x\)が増えたときの\(y\)の変化が「減少から増加(\(a \gt 0\)のとき)」または「増加から減少(\(a \lt 0\)のとき)」に切り替わる
  • \(x\)の値の絶対値が大きくなるほど、\(y\)の変化幅が大きい

ここから、これらの特徴についてもう少し見ていきます。

\(y\)の値は常に\(0\)以上(\(a \gt 0\)のとき)か\(0\)以下(\(a \lt 0\)のとき)

表の\(y\)の値を見ると、すべて正か\(0\)になっていることがわかります。

これは考えてみると当然で、2乗するとどんな数でも\(0\)以上になるため、\(x^2\)は\(0\)以上です。

だから、\(a \gt 0\)のとき\(y=ax^2\)は必ず\(0\)以上になりますし、\(a \lt 0\)のときは、\(y\)は必ず\(0\)以下になります。

同じ\(y\)になる\(x\)の値が2つある

これも実際の値を見てみるとよくわかります。
絶対値が等しくて、符号が逆の\(x\)のペアは、すべて同じ\(y\)になっています。

  • \(x:-2 \rightarrow -1 \text{のとき}y:8 \rightarrow 2\)
    \(x\)が\(1\)増加すると\(y\)は\(6\)減少している
  • \(x:1 \rightarrow 2 \text{のとき}y:2 \rightarrow 8\)
    \(x\)が\(1\)増加すると\(y\)は\(6\)増加している

となり、実際に\(x\)がマイナスのときは\(x\)が増えると\(y\)が減少していますが、\(x\)がプラスのときは\(x\)が増えると\(y\)は増加しています。

原点で\(x\)の増加に対する\(y\)の変化が減少から増加(または増加から減少)に変わる

\(x^2\)は必ず正になるので、\(x^2\)の大きさは\(x\)の絶対値によって決まっています

たとえば、

  • \(x=-3 \rightarrow x^2=9\)
  • \(x=-1 \rightarrow x^2=1\)
  • \(x=-2 \rightarrow x^2=4\)
  • \(x=-3 \rightarrow x^2=9\)

のように、符号に関わず、\(x\)の数字が大きいときに\(x^2\)は大きくなります。

\(x\)がマイナスのときは、\(x\)が大きくなるほど絶対値は小さくなります。
(例:\(-3 \lt -1\)だが絶対値は\(-3\)の方が大きい)

そのため、\(x\)が大きくなるほど\(y\)は減少していきます。

逆に\(x\)がプラスのときは、\(x\)が大きくなるほど絶対値も大きくなります。
(例:\(1 \lt 3\)で、絶対値も\(3\)の方が大きい)

すると、\(x\)が大きくなるほど\(y\)は増加していきます。

その結果、\(x\)がマイナスのゾーンとプラスのゾーンで、減少と増加が入れ替わるのです。

二次関数(\(y=ax^2\))では\(x\)が0から離れるほど\(y\)の増え幅はどんどん大きくなる

実際に、\(x\)が\(1\)増えたときの計算をしてみるとよくわかります。

  • \(x\)が\(0 \rightarrow 1\)
    \(x=0\)のとき、\(y=0\)
    \(x=1\)のとき、\(y=2\)
    \(x\)が\(1\)増えると\(y\)は\(2\)増えている
  • \(x\)が\(1 \rightarrow 2\)
    \(x=1\)のとき、\(y=2\)
    \(x=2\)のとき、\(y=8\)
    \(x\)が\(1\)増えると\(y\)は\(6\)増えている

この計算結果からわかる通り、\(x\)が\(1\)増えたときの\(y\)の増え方が違い、\(0\)から離れている\(1 \rightarrow 2\)のときの方が増え幅が大きいです。

二次関数(\(y=ax^2\)では\(x\)を2回かけ合わせているため、\(x\)の絶対値が大きくなるほど\(x^2\)の値がどんどん大きくなっていくのです。

\(y\)の値の特徴をおさえることがグラフ上達の近道

関数のグラフは、関数の式を満たす\(x,y\)の組み合わせを座標にとっていったものです。

そのため、元の関数の増え方や値の特徴がそのままグラフの形とつながっています。

どうしても、「グラフの描き方」というと、手順ばかりに目が行きがちですが、まずは関数の値にはどういう特徴があるのかをおさえておくと、グラフへの理解がぐっと深まります。

一次関数\(y=ax+b\)と二次関数\(y=ax^2\)の\(a\)はどう違う?

一次関数\(y=ax+b\)の\(a\)と、二次関数\(y=ax^2\)の\(a\)は全くの別物

ここは、「\(a\)は変化の割合では?」と誤解する人が多いですが、それは間違いです。

一次関数と二次関数は、同じ「関数」というカテゴリーには入りますが、全くの別物です。

たとえば、神奈川県と福岡県は同じ「県」というカテゴリーに入りますが、当然、違うものです。
どっちも県庁所在地があったり、県知事がいて、県議会があったり、市町村があったりという枠組み自体は同じです
でも「2つの県は同じものだ」なんて言う人はいませんよね?

一次関数と二次関数の違いは、それと同じような感覚を持ってもらうといいと思います。

一次関数も二次関数も、\(x,y\)の計算や、グラフの考え方だったりは同じですが、全く別の関数です。
そして、係数に同じ\(a\)を使ってはいますが、意味は全然違います。

「一次関数の\(a\)」は変化の割合と一致します。
変化の割合は、「\(x\)の増加に対して\(y\)が増加する割合」のことです。
一次関数では常に変化の割合は一定(増え方がいつも一緒)で、\(a\)がその値になっているのです。

二次関数は、先ほど見た通り、\(x\)が増えるほど\(y\)の増え方が増えていき、一定ではありません。
つまり、変化の割合が一定ではなく、当然\(a\)も変化の割合と一致していません。

一次関数のときに「\(a\)が変化の割合」と暗記した人ほど混乱しやすいところですが、正しくは「一次関数の\(a\)が変化の割合」なんです。
もし混同するようならここで知識をアップデートしておいてください。


ちょっと先の話になりますが、高校の数学で二次関数を式で表すときは、\(y=ax^2+bx+c\)のように表します。
実は、\(a,b,c,…\)というのは、次数の高い方からアルファベット順に文字を割り当てているだけで、文字自体に意味があるわけではないんです。

【発展】高校の二次関数ってどんなことやるの?

高校の二次関数は\(y=ax^2\)を拡張して、\(y=ax^2+bx+c\)になるが、値の特徴や、グラフの形、変域の読み取り方など、共通する考え方は多い

中1で習った比例\(y=ax\)が中2で習う一次関数\(y=ax+b\)に拡張されたことを思い浮かべるとちょっとイメージがつきやすいと思います。
グラフ自体は直線でしたが、場所が原点を通るとは限らなくなり、それに合わせて計算も複雑になりました。

二次関数も、高校の範囲になると、グラフの形自体は変わりませんが、位置が自由に動き、それによって計算が複雑になっていきます。
また、中学校よりも文字を使って計算する機会が増えるので、イメージが少し掴みづらくなるのも特徴です。

ただ、1つの\(y\)に対して2つの\(x\)が出てきたり、中心の値から\(x\)が離れるほど\(y\)の変化幅が大きくなること(\(y=ax^2\)では\(x=0\)が中心になっている)、グラフの形、変域の読み取り方など、共通することもたくさんあります。

脅すようなことを言いますが、高校では、この二次関数でつまずいて数学についていけなくなる人がたくさんいます。
そういう人に共通するのが、中3の二次関数を付け焼刃の丸暗記で済ましてしまい、身に付けておくべき考え方をスルーしてしまっていることです。

関数自体が、共通する考え方や操作が多いので、根拠からしっかり身に付ければ、後からどんどん楽になっていく単元です。
二次関数は、高校に行ってすぐに習うこともあり、その中でも後につながりやすい単元です。

しっかり根拠から押さえて、後々につながる知識を身に付けてください。

二次関数\(y=ax^2\)とは何かについてのまとめ

二次関数は単なる複雑な計算ではなく、「\(x\)を2乗した塊に比例して値が変化するルール」です。

式の形だけでなく、値がどのように変化していくのかという「性質」を根本から理解しておくことが、これから学ぶグラフや応用問題、さらには高校数学へつながる最大の鍵となります。

あせらず、仕組みからひとつずつ自分のものにしていきましょう。

【今回の重要ポイント】

  • 定義
    関数とは「\(x\)を決めると\(y\)がただ1つ決まるルール」
    二次関数は\(y\)が\(x\)の二次式で表される関係
    中学校で習う二次関数は「\(y=ax^2\)」で表される「\(x\)の2乗に比例する関数」
  • 値の特徴
    \(x\)が0から離れるほど\(y\)の増え幅(減り幅)は大きくなる
    \(y=0\) 以外では同じ\(y\)に対応する\(x\)が2つ存在する
  • 一次関数との違い
    一次関数の\(a\)は「変化の割合」だが、二次関数では「変化の割合」ではない

【次にやってみよう】

  • まずは教科書やワークを開き、\(y=ax^2\)の式に正と負の両方の数を代入して、表を作成してみましょう(負の数の2乗による計算ミスに注意!)。
次の学習におすすめの記事

■ \(y=ax^2\)での\(x,y\)の計算のコツや注意点から学びたい方

■ \(y=ax^2\)のグラフのイメージから掴みたい方

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