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因数分解の公式選択10本ノック!計算せずに「見抜く力」を鍛える特訓【中3数学】

関数で使う計算

「公式は全部覚えた。練習問題も解いた。なのに、テストで公式が混ざると急に解けなくなる……」

もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、原因は「計算ミス」ではありません。
公式を使い分けるための「考え方の整理」ができていないだけです。

因数分解は、いわば「5枚のカードから正解の1枚を引くゲーム」です。
今回は、ぼくが塾講師時代に、多くの生徒に伝えてきた「公式選択の特訓メニュー」をご紹介します。

因数分解、「どの公式が使えるか」の見抜き方の演習

この演習のルール

どの公式を使うかが選べればOKです。
答えを出す必要はありません。

この演習の意図

因数分解をするときの頭の使い方は次の通りです。

  1. どの公式が使えるかを見抜く
  2. 選んだ公式通りに計算する

公式が理解できても因数分解が苦手な人は、ほとんどの場合、使うべき公式を見抜く力が弱いです。
そのため、公式の見抜き方をトレーニングするのが、因数分解ができるようになるための近道です。

ただ、よくある因数分解の問題では、「因数分解をしてください」となっています。
しかし、計算までやってしまうと、計算に頭を使ってしまい、公式の見抜き方のトレーニングとしては非効率的になってしまいます。

そのため、この演習では「公式の見抜き方」と「公式を使った計算」を分けて、公式を見抜くところまでをゴールとしています。

因数分解の公式の見抜き方

  1. 共通因数
  2. 「2乗-2乗」の公式
  3. 2乗の公式
  4. 和と積の公式

の順に検討してください。
具体的には、次のように考えてください。

因数分解の思考ルート(検討順)

  • 【全体】 共通因数(ある?ない?)
  • 【項数】 2個なら「2乗-2乗」!
  • 【端っこ】 2乗の数なら「2乗の公式」!
  • 【残り】 どれもダメなら「和と積」!

各公式の使い方や、なぜこの順番で考えるのかについて理解を深めたい方は、別記事でまとめていますので、そちらを参照してください。

演習問題

次のそれぞれの数式は、いずれも1回だけ因数分解できます。

  1. 共通因数
    \(ma+mb=m(a+b)\)
  2. 和と積の公式
    \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
  3. 2乗の公式(プラス)
    \(x^2+2ax+a^2=(x+a)^2\)
  4. 2乗の公式(マイナス)
    \(x^2-2ax+a^2=(x+a)^2\)
  5. 「2乗-2乗」の公式
    \(x^2-a^2=(x+a)(x-a)\)

この5つの因数分解の公式のうち、どれで因数分解できるか、番号で答えてください。


演習1

\(x^2+5x+6\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(+6\):2乗の数字じゃない!
  • 【残り】
    全部当てはまらなかったので和と積の公式

使える公式は5(和と積の公式)


演習2

\(x^2+4x+4\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(+4\):\(\color{red}{2}\)の2乗!
    • 【真ん中の数字】
      \(\color{red}{2}\)の2倍が、真ん中の数字\(4\)と一致
      ⇒2乗の公式が使える
    • 【真ん中の符号】
      真ん中の符号は
      ⇒2乗の公式のプラスの方

使える公式は3(2乗の公式(プラス))


演習3

\(x^2-64\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は2個
    • 【前の数字】
      \(x^2\)
    • 【後ろの数字】
      \(64\)は\(8\)の2乗
    • 【後ろの符号】
      マイナス
      ⇒「2乗-2乗」のかたち

使える公式は2(「2乗-2乗」の公式)


演習4

\(x^2-10x+25\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(+25\):\(\color{red}{5}\)の2乗!
    • 【真ん中の数字】
      \(\color{red}{5}\)の2倍が、真ん中の数字\(10\)と一致
      ⇒2乗の公式が使える
    • 【真ん中の符号】
      真ん中の符号は
      ⇒2乗の公式のマイナスの方

使える公式は4(2乗の公式(マイナス))


演習5

\(x^2-4x\)

解説
  • 【全体】
    共通因数は\(x\)

よって使える公式は1(共通因数)


演習6

\(x^2-10x+16\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(+16\):\(\color{red}{4}\)の2乗!
    • 【真ん中の数字】
      \(\color{red}{4}\)の2倍が、真ん中の数字\(10\)とは一致しない
      ⇒2乗の公式が使えない
  • 【残り】
    全部当てはまらなかったので和と積の公式

使える公式は5(和と積の公式)


演習7

\(x^2+16x+64\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(+64\):\(\color{red}{8}\)の2乗!
    • 【真ん中の数字】
      \(\color{red}{8}\)の2倍が、真ん中の数字\(16\)と一致
      ⇒2乗の公式が使える
    • 【真ん中の符号】
      真ん中の符号は
      ⇒2乗の公式のプラスの方

使える公式は3(2乗の公式(プラス))


演習8

\(x^2-12x-64\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は3個
  • 【端っこ】
    端っこ\(-64\):2乗の数字じゃない!
  • 【残り】
    全部当てはまらなかったので和と積の公式

使える公式は5(和と積の公式)

数字自体は\(64\)で2乗のようにも見えますが、どんな数でも2乗すると正になるので、端っこの符号がマイナスの場合は、2乗の数と考えないでください。


演習9

\(x^2-25\)

解説
  • 【全体】
    共通因数はない
  • 【項数】
    項数は2個
    • 【前の数字】
      \(x^2\)
    • 【後ろの数字】
      \(25\)は\(5\)の2乗
    • 【後ろの符号】
      マイナス
      ⇒「2乗-2乗」のかたち

使える公式は2(「2乗-2乗」の公式)


演習10

\(2x^2-6x\)

解説
  • 【全体】
    共通因数は\(2x\)

よって使える公式は1(共通因数)

おわりに

お疲れ様でした!10問解いてみて、いかがでしたか?

因数分解は、スムーズに解けるようになると、どんどんパズルに近い「楽しいもの」に変わっていきます。
今回学んだ「4ステップの判断手順」は、あなたがこれから高校数学、そして社会へと進んでいく中でも役立つ「情報の整理術」です。

たとえば「和と積の公式の練習」とわかっている問題なら解けるのであれば、公式を選んだ時点で勝負はついたも同然。
ここを乗り越えれば、あなたが今まで積み上げてきた努力は、必ず裏切らずに点数として現れるはずです。

自信を持って、次の問題に進んでください。応援しています!

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