「定数項が25だから、答えは $(x+5)^2$ で決まり!」、そう思って答え合わせをしたら、バツだった……。
そんな経験はありませんか?
因数分解の「2乗の公式」は、見た目がシンプルな分、実は「うっかりミス」が非常に多い公式でもあります。
数学が得意な人は、ただ数字を眺めているのではありません。
「ある決まった順番」で式をチェックし、その公式が本当に使えるかどうかを慎重に見極めています。
今回の記事では、私が塾講師時代に徹底して教えていた「2乗の公式の見抜き方」と、多くの人がハマってしまう「ミスの罠」について詳しく解説します。
2乗の公式はどうやって見抜いたらいい?
2乗の公式は、和と積の公式と同じように
\(x^2+◯x+△\)
のかたちの式であれば、使える可能性があります。
実際に2乗の公式が使えるかどうかは、次の手順で判断できます。
(赤字に注目してください)
ポイントは、定数項と\(x\)の係数の数字部分から2乗の公式が使えるかたちか判断して、その後に\(x\)の係数の符号から、2乗の公式のうちのどちらを使うかを判断することです。
因数分解の2乗の公式を具体例で確認
\(x^2+12x+36\)の因数分解を考えてみます。
定数項の確認
定数項は\(+36\)です。
これは、\(6\)の2乗になっています。
よって、現時点では2乗の公式が使える可能性があります。
そのため、次は\(x\)の係数の数字部分を確認します。
\(x\)の係数の数字部分の確認
定数項\(+36\)が\(\color{red}{6}\)の2乗だったので、\(\color{red}{6}\)の2倍と\(x\)の係数の数字を比べます。
- \(2 \times \color{red}{6} = 12\)
- \(x\)の係数の数字:\(12\)
この2つが一致していることが確認できました。
そのため、2乗の公式のどちらかが使えるかたちと判断できます。
また、このとき公式の\(a\)の値は\(\color{red}{6}\)です。
\(x\)の係数の符号を確認
\(x\)の項が\(+12x\)なので、\(x\)の係数は正です。
そのため、2乗の公式のうち
\(x^2+2ax+a^2=(x+a)\)
の公式が使えるかたちで、\(a=6\)とわかりました。
よって、元の式は次の式のように因数分解できます。
\(x^2+12x+36=(x+6)^2\)
因数分解、2乗の公式のよくあるミス
この公式でよく見かけるミスが、定数項が2乗の数になっていることだけを確認して、2乗の公式を使ってしまうことです。
この公式、\(a\)が一桁の数で出てくることがほとんどなので、式の種類が18種類しかありません。
数字の組み合わせだけで言うと、9種類とかなり少なく、演習を重ねると数字を覚えてしまいます。
そのため、ついうっかり定数項だけを見て公式を決めてしまうということが起こってきます。
たとえば、次のような因数分解では、
\(x^2-10x+16\)
定数項の\(16\)だけを見て
\(x^2-10x+16=(x-4)^2\)
のように因数分解するのではなく、
(もちろん間違いです)
- 定数項
\(+16\)→\(\color{red}{4}^2\) - \(x\)の係数の数字との比較
\(2 \times \color{red}{4}=8\)
\(x\)の係数の数字:\(10\)
⇒一致していない
⇒2乗の公式は使えない
と順に確認して、2乗の公式が使えるかたちかどうか判断してください。

ちなみに、この式では\(-2,-8\)が「かけて\(16\)、足して\(-10\)になるので、和と積の公式が使えます。
\(x^2-10x+16=(x-2)(x-8)\)
と因数分解できます。
おわりに
お疲れ様でした。
今回は、「2乗の公式」について解説しました。
「右端と真ん中を確認する」という手順さえ守れば、もう迷うことはありません。
さて、因数分解にはもう一つ、「項が2つしかない」という特殊な形が存在します。
実はこれ、今回よりもさらに一瞬で解けるボーナス問題なんです。
次回は、その「2乗-2乗」の公式を攻略していきましょう!
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「2乗-2乗」の公式、因数分解の公式の中では、共通因数を除けば、この公式だけが項の数が2つです。
気づいてしまえばすぐにわかるのに、他の問題と混ざったときに、ついつい忘れがちになってしまうのがこの公式です。
どこに注目すればいいのか、どういうミスをしやすいのか、どの順番で考えればよいのかについてまとめていますので、ぜひ読んでみてください。
👉因数分解「2乗-2乗」の公式!項の数で見抜く公式の整理術

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