かけて〇、足して△になる数字を探す。因数分解で一番お世話になる公式ですが、意外と苦戦している人も多いのではないでしょうか?
特に数字が大きくなってくると、『ペアが全然見つからない!』とパズルのように迷子になってしまいがちです。
そこでこの記事では、和と積の公式の『基本の使い方』はもちろん、ぼくが塾講師時代に教えていた『一瞬で数字を絞り込むプロの技』までをセットで解説します。
基礎からしっかり固めたい人も、計算スピードを劇的に上げたい人も、ぜひ参考にしてください。これを読めば、もう数字探しで迷うことはなくなりますよ!」
和と積の公式ってどうやって使えばいい?
「因数分解といえばこれ」みたいな公式です。
この公式は、
\(x^2+○x+△\)
のような形の式に使います。
具体的には、次の手順で使えるかどうか確認できます。
(式中の赤字部分に注目してください)

ちょっと先の話ですが、他の公式でも、まず見るべきは定数項です。
だから、因数分解をするときは、次の順で考える習慣をつけてください。
- 共通因数がないか確認
- 定数項の確認
具体例で和と積の公式を確認してみよう
例1
\(x^2+4x+3\)
- 定数項\(3\)
かけて\(3\)になる数字の組み合わせは、
\((1,3),(-1,-3)\) - \(x\)の係数\(4\)
1.のうち足して\(4\)になる組み合わせは、
\((1,3)\) - 公式\(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)において
\(a=1,b=3\)とわかるので
(\(a\)と\(b\)が逆でもいいです)
\(x^2+4x+3=(x+1)(x+3)\)
例2
\(x^2-6x+8\)
- 定数項\(8\)
かけて\(8\)になる数字の組み合わせは、
\((1,8),(2,4),(-1,-8),(-2,-4)\) - \(x\)の係数\(-6\)
1.のうち足して\(-6\)になる組み合わせは、
\((-2,-4)\) - \(a=-2,b=-4\)を公式に当てはめると
\(x^2-6x+8=(x-2)(x-4)\)
例3
\(x^2-2x-24\)
- 定数項\(-24\)
かけて\(-24\)になる数字の組み合わせは、
\((1,-24),(2,-12),(3,-8),(4,-6),(6,-4),(8,-3),(12,-2),(24,-1)\) - \(x\)の係数\(-2\)
1.のうち足して\(-2\)になる組み合わせは、
\((4,-6)\) - \(a=4,b=-6\)を公式に当てはめると
\(x^2-2x-24=(x+4)(x-6)\)

定数項が大きくなってくると、その分書き出す候補も増えていきます。
そんなときは、候補の絞り込みを楽にできる次で説明する方法を試してみてください。
候補をぐっと絞る!2つの数字の探し方のコツ
この順で考えると、1から順番に候補を試す作業から抜け出せますし、符号をどうするかの迷いも格段に減ります。
もう少し具体的に、例で確認していきましょう。
例4
\(x^2-x-72\)の因数分解
絶対値の組み合わせを探す
定数項:\(-72\)
\(x\)の係数:\(-1\)
- 定数項が負なので、2つの数を引いて\(x\)の係数の絶対値(=1)になる組み合わせを探す
- \(x\)の係数の差が1、つまり隣り合う2つの数
\(72 = 8 × 9 → 9 – 8 = 1 ✓\)
符号を決める
定数項が負なので符号は別々
差が\(-1\)(負)だから大きい方の9が負
よって、因数分解できる2数は\(-9\)と\(8\)とわかる
\(x^2-x-72=(x+8)(x-9)\)
例5
\(x^2-17x+72\)
絶対値の組み合わせを探す
定数項:\(+72\)
\(x\)の係数:\(-17\)
- 定数項が正なので、2つの数を足して\(x\)の係数の絶対値(=17)になる組み合わせを探す
- \(17\)は\(72\)の半分(\(36\))より小さいので、バランスよく割る組み合わせを探す。
\(72 = 8 × 9 → 8+9=17 ✓\)
符号を決める
定数項が正なので符号は同じ
\(x\)の係数(\(-17\))が負だから、両方負
よって、因数分解できる2数は\(-8\)と\(-9\)とわかる
\(x^2-17x+72=(x-8)(x-9)\)

\(x\)の係数の大小で、2数の候補を絞るときは、\(x\)の係数が定数項の半分より大きいかどうかで判断するといいです。
- \(72=1 \times 72\)
\(72+1=73\)
\(72-1=72\) - \(72=2 \times 36\)
\(36+2=38\)
\(36-2=36\)
のように、2数が開くほど和・差のどちらも(\(x\)の係数\)は大きくなっていきます。
半分を目安にするだけで、\(1\)や\(2\)が相方になるような組み合わせは最初から考えなくてよくなります。
おわりに
今回は、”かけて◯、足して△”の公式の基本と計算の工夫を紹介しました。
塾の講師をしていたころの話ですが、この考え方は、数学が得意な生徒には公式の導入時にあわせて説明することが多く、苦手な生徒にはテスト前の演習時などに補足的に伝えていました。
人によっては、候補を全部書き出した方がはやいし正確という人もいます。
他にも自分なりの判断ポイントはあります。
しかし、状況に応じて使い分けているため、この記事では割愛しています。
塾などであれば、個人の進度に合わせてアドバイスできるのが強みですね。
どれが正しい方法というものでもないです。
だから、「自分が使いやすい方法」を見つけることが一番大事ですよ。
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