因数分解の演習|和と積の公式のコツと演習【中3数学】

「因数分解の組み合わせ探し、なんとなくの『勘』に頼っていませんか?」

積が24、和が10という問題に直面したとき、「4と6」か「2と12」かで迷い、時間をロスしてしまうのは非常にもったいないことです。
テストという限られた時間の中で、直感だけに頼るのには限界があります。

数学には、直感に頼らずとも確実に正解へたどり着くための「論理的な手順」が存在します。
この記事では、大きな数字でも迷わずに、効率よく組み合わせを見つけるための計算戦略を解説します。
この解き方を習得して、テストでの得点力とスピードを同時に引き上げていきましょう。

この記事でわかること
  • 和と積の公式の使い方
  • 効率のいい2数の見つけ方
  • 勉強全般のコツ

目次

和と積の公式について簡単におさらい

\(x^2+○x+△\)

の形をしているときに使えるかもしれない公式です。
次の手順で使えるかどうか確認するのが基本です。
(式中の赤字部分に注目してください)

  1. 定数項の確認(△を見る)
    \(x^2+○x+\color{red}{△}\)
    定数項を見て、かけて定数項になる組み合わせを書きだす
  2. \(x\)の係数で絞り込み(○を見る)
    \(x^2\color{red}{+○}x+△\)
    かけて定数項になる組み合わせのうち、足して「\(x\)の係数」になる数字の組を探す
  3. 公式に当てはめる
    探した数字の組を公式に当てはめる

もちろん、この確認方法ですべての問題が解けます。

でも、△の数字が大きくなったときに、「かけて△になる組み合わせ」がの数が増えるので、どうしても問題を解くのに時間がかかってしまいます。

そのため、次のコツを意識できるようになると、問題を解く時間をかなり短縮することができるようになります。

因数分解を素早く、正確に行うコツは、数字(絶対値)と符号を分けて考えること

  • 2つの数\(a,b\)の数字(絶対値)の組み合わせを決める
  • それぞれの符号を決める

具体的には、次のステップに沿って確認していきます。

  1. △の符号から、○の計算方法(足し算か引き算か)を確認する
    • △の符号が「+」
      ⇒かけて△の数字、足して○の数字になる2つの自然数を探す
    • △の符号が「-」
      ⇒かけて△の数字、引いて○の数字になる2つの自然数を探す
  2. \(a,b\)の数字の組み合わせを決める
  3. △(符号込み)の値から、見つけた数字の符号の組み合わせを考える

「分けて考えようね」みたいなことは、いろんな単元の記事で形を変えて書いています。
何記事か読んでいただいた方だと、「また言ってるよこの人…」って思われるかもしれませんが、「自分が扱いやすいサイズまで考えを切り分けて整理する」っていうのが勉強の一番のコツです。

演習問題で因数分解の和と積の公式をマスターしよう!

和と差の積の公式で因数分解できる数式だけを準備しています。
実際に手を動かして因数分解してみましょう!

演習1

\(x^2+8x+12\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「+」
    ⇒かけて\(12\)、足して(\(8\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(12\)になる自然数は
    \((1,12),(2,6),(3,4)\)
    このうち、足して8になるのは
    \((2,6))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(+8\)」
    ⇒足して\(+8\)になるためには、①で見つけた\(2、6\)のどちらも符号は正
    \((+2, +6)\)

よって

\(x^2+8x+12=(x+2)(x+6)\)


演習2

\(x^2-7x+12\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「+」
    ⇒かけて\(12\)、足して(\(7\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(12\)になる自然数は
    \((1,12),(2,6),(3,4)\)
    このうち、足して7になるのは
    \((3,4))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(-7\)」
    ⇒\((3,4)\)を使って\(-7\)をつくるには、両方とも負
    \((-3,-4)\)

よって

\(x^2-7x+12=(x-3)(x-4)\)


演習3

\(x^2+2x-24\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「-」
    ⇒かけて\(24\)、引いて(\(2\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(24\)になる自然数は
    \((1,24),(2,12),(3,8),(4,6)\)
    このうち、引いて2になるのは
    \((4,6))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(+2\)」
    ⇒\((4,6)\)を使って\(+2\)をつくるには、大きい方が正
    \((-4,+6)\)

よって

\(x^2+2x-24=(x-4)(x+6)\)


演習4

\(x^2+10x-24\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「-」
    ⇒かけて\(24\)、引いて(\(10\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(24\)になる自然数は
    \((1,24),(2,12),(3,8),(4,6)\)
    このうち、引いて10になるのは
    \((2,12))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(+10\)」
    ⇒\((2,12)\)を使って\(+10\)をつくるには、大きい方が正
    \((-2, +12)\)

よって

\(x^2+10x-24=(x-2)(x+12)\)

\(4 \times 6=24 \\ 4+6 = 10\)

なので、次の演習5のような問題と混同してしまいます。
次で、実際に見てみましょう。


演習5

\(x^2+10x+24\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「+」
    ⇒かけて\(24\)、足して(\(10\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(24\)になる自然数は
    \((1,24),(2,12),(3,8),(4,6)\)
    このうち、足して10になるのは
    \((4,6))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(+10\)」
    ⇒\((4,6)\)を使って\(+10\)をつくるには、両方が正
    \((+4,+6)\)

よって

\(x^2+10x+24=(x+4)(x+6)\)


演習6

\(x^2+13x-48\)を因数分解しなさい。

解説
  1. 計算方法の確認
    右端の符号が「-」
    ⇒かけて\(48\)、引いて(\(13\))になる自然数のペアを考える
  2. 数字の組み合わせを考える
    かけて\(48\)になる自然数は
    \((1,48),(2,24),(3,16),(4,12),(6,8)\)
    このうち、引いて\13になるのは
    ⇒\((3,16))\
  3. 符号の決定
    真ん中が「\(-13\)」
    ⇒\((3,16)\)を使って\(-13\)をつくるには、大きい方が負
    \((+3,-16)\)

よって

\(x^2+13x-48=(x-3)(x+16)\)

因数分解、和と積の公式の演習まとめ

和と積の公式についてのまとめです。

  • 「かけて定数項、足して\(x\)の係数」になっている2数があるかを考えるのが基本
  • まず数字の組み合わせを探して、それから符号を考えるようにすると計算が楽
    • 定数項の符号から、\(x\)の係数の数字が2数の足し算の結果か、引き算の結果かを確認
    • 実際に足して(または引いて)、\(x\)の係数になっている2つの自然数を見つける
    • \(x\)の係数を考えて、見つけた2つの自然数の符号をそろえる

お疲れさまでした。
因数分解は、これから学習する「二次方程式」や「二次関数」において、すべての土台となるとても大事な基礎体力です。
ここで計算力を養っておくと、数学全体の成績向上に直結します。
ぜひ繰り返し練習して、無意識に使いこなせるレベルを目指してください。人は、2つのことを同時にすると脳のパフォーマンスが落ちてしまいます。

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