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二次関数のグラフの書き方|減点を防ぐ5つのチェックリスト【中3数学】

中3の関数(二次関数)

「二次関数のグラフ、描き方は合っているはずなのになぜか減点される…」
そんな悩みはありませんか?

定規で引く一次関数と違い、二次関数は「滑らかにつなぐ」という抽象的なルールがあるため、正誤の境目が見えにくいのが特徴です。

この記事では、元塾講師が採点者の視点で「よくあるNG例」とその根拠を徹底図解します。
実は、何気ないその一本の線が「数学的な矛盾」を伝えているかもしれません。

もったいない減点をゼロにして、グラフの本質をスッキリ理解しましょう!

この記事でわかること
  • 二次関数\(y=ax^2\)のグラフを描く問題の、よくあるミスがわかる
  • よくあるミスの減点される理由がわかる

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  • 前回の記事を読まれる方はこちら
    二次関数のグラフの形が、\(a\)の値によってどう変わるのかについてまとめた記事です。
    また、\(a\)の数字が同じで符号が違う2つのグラフの関係性についてもまとめています。
    二次関数のグラフへの理解がもっと深まると思うので、ぜひ読んでみてください。
    👉二次関数のグラフの形はaで決まる!開き方と向きの違いを例題で解説

\(y=ax^2\)のグラフの問題で、減点されやすいポイントはどこ?

\(y=ax^2\)のグラフを描く問題では、よくある減点ポイントは次の5つです。

  • 整数の点をすべて通っていない
  • グラフを端まで描き切っていない
  • 原点付近でV字になっている
  • 定規を使っている
  • グラフの先端が「内側」に反り返っている

①と②はどんなグラフでもやりがちなミス。
対して③〜⑤は、\(a\)の値が大きく、グラフの開きが「狭い」ときに特にやりがちなミスです。

せっかく計算が合っていても、描き方ひとつで「×」になるのはもったいないですよね。
ここからは、なぜこれらのポイントがチェックされるのか、理由と対策を見ていきましょう。

まず、①、②がどういうことか、\(y=x^2\)のグラフで見ていきます。
減点されにくいグラフは次の通りです。

整数の点をすべて通っていない

次のようなグラフは、ほぼ間違いなく減点されます。

グラフとは、「関数の式を満たす点のあつまり」です。
そのため、式を計算して出てきた点は、一箇所もズレずに通っていなければなりません。

整数ではない点(小数など)は、マス目とマス目の間にくるため、多少ズレてもわかりません。
しかし、整数の点はマス目のカド(格子線の交点)を通ります。
そのため、ズレていると「グラフの意味をわかっていない」と採点者に思われてしまいます。

採点者に「わかってる!」と思ってもらうコツ

グラフを描き始める前に、まず整数の点に「ぐりぐり」と少し強調した点を打ちましょう
「自分はこの点を通ることを理解して描いています」というアピールがあれば、多少線がゆがんでも、大前提を外していないと判断され、減点のリスクをぐっと下げることができます。

「これって、ただの試験テクニックじゃないの?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、「自分がわかっていることを、相手に正しく伝える方法」を考えることは、数学に限らず、生きていく上でとても大切な力です。
目の前に紙しかないのでわかりにくいですが、ペーパーテストって、実は「紙を通じた採点者とのコミュニケーション」なんですよ。

グラフを整数の点で止めずに最後まで描き切っているか

点をとってグラフを描くようになると、次のグラフのような「点から始まって点で終わる線」を引きたくなってしまうかもしれません。

でも、このようなグラフもほぼ間違いなく減点されます。

なぜなら、数学の世界で「線を止める」ことは、「ここから先はグラフが存在しません!」という強い宣言になってしまうからです。

繰り返しになりますが、「グラフは関数の式を満たす点のあつまり」です。
\(y\)の値は、\(0.1\)や、\(1\)のような、グラフ用紙内にたまたま書いてある\(x\)の値に対してだけではなく、
\(x=1000\)や\(x=-10000\)のようなグラフ用紙外にある\(x\)の値に対しても存在します。
そのため、特別な指定(変域)がない限り、グラフは用紙の外までずっと続いていくのです。

最後の点を通ったあとも、「この先もずっと続いていくよ」というメッセージを込めて、グラフ用紙の端っこにぶつかるまでグラフを描き切ってください。


③~⑤のミスは、\(y=2x^2\)のグラフで見ていきます。
減点されにくいグラフは次の通りです。

原点でV字になっていないか

次のようなグラフも、原点されることがときどきあります。

開きが狭いグラフを描くとき、つい原点に向かって直線的にペンを走らせ、カクッと曲がってしまいませんか?
でも、それは二次関数の「加速」という性質を無視した形になってしまいます。

二次関数\(y=ax^2\)には、「最初はゆっくり増え始め、後から爆発的に増える」という大きな特徴があります。

実際に、\(y=x^2\)の\(x\)にいくつか数字を入れて、計算結果を比べてみましょう。

\(x\)0.10.5135
\(x^2\)0.010.251925

注目してほしいのは、1未満の部分(0.1や0.5)です。
2乗しているのに、元の数(\(x\))よりも答え(\(y\))の方が小さくなっているのがわかります。

1を超えると一気に増え方が激しくなりますが、1より小さい間は、驚くほど「じわじわ」としか増えないのです。
この「最初はじわじわ、後から急激に」という変化を線で表すと、原点付近はカクカクしたV字ではなく、底が平らな「U字」になるはずです。

原点付近で滑らかなカーブで描くコツ

原点のあたりを描くときは、水平になるようなイメージを持ってみてください。
(だいたい0.1目盛りぐらい)

また、一筆書きで急いで曲がろうとするとV字になりやすいので、右半分と左半分を2回に分けて描くのも非常に効果的です。

この「底の平らさ」があるだけで、採点者は「二次関数の増加の性質を完璧に理解しているな」と思ってくれます。

定規を使っていないか

グラフの原点から離れた部分が、直線に見えることがあります。
ただ、いくら直線に見えるからといって次のグラフのように定規を使ってしまうのはNGです。

\(x\)の値に対する\(y\)の増加量(変化の割合)が常に一定の式、つまり一次関数だけが、グラフにしたときに直線になります。
もちろん、\(y=ax^2\)の式にはそんな場所は存在しません。

定規を使って直線を引くと、「直線の部分は一次関数です」というメッセージになってしまうので、定規は使わないようにしましょう。

特に、几帳面な人ほどやりがちなミスです。
「正確に描かなくちゃ」という思いから定規を使っているんだと思います。
でも、定規を使うと「式に対して正確」ではなくなってしまうんです。

グラフの先端が反り返っていないか

グラフを上の方まで描いていくとき、次のグラフのように、無意識にペンが\(y\)軸に近づく(内側に曲がる)人がいます。

でも、これをしてしまうと数学的に致命的なミスになります。
なぜなら、線が戻ってしまうと、「1つの\(x\)に対して、答え\(y\)が2つ存在する」ことになってしまうからです。

たとえば、さきほどのグラフでは、\(x=1.8\)あたりの\(y\)座標が2つあることになってしまいます。

\(x\)を決めたら、\(y\)がたった1つ決まる」のが関数の大原則。
戻ってしまった瞬間に、それはもう関数ではなくなってしまうのです。

グラフが反り返らないコツ

グラフの上端を意識して描くとうまく描けます。(\(a<0\)の場合は下端)

ゴールを意識せずに描くと、「うまくカーブしているか」しか考えられません。
しかし、ゴールを意識しておくと「あそこのゴールに向かってカーブしていっているか」と考えられるため、グラフも逸れにくくなります。

ちゃんと描いていてもミスしたと思われたらどうしたらいい?

どこが採点者に誤解されやすいかがわかると、逆にグラフを描くのに神経質になってしまう人もいるかもしれません。

でも、神経質にならなくても大丈夫です。
なぜなら、定期テストは、返却後に意義申し立てができるからです。

もちろん、根拠を説明せず意義申し立てをしても認められませんが、数学的な根拠を述べれば採点し直ししてくれる場合がほとんどです。

特に、「定規を使ってないか」、「原点付近でV字になっている」なんて、たまたまそう見えることはよくあります。

  • 定規を使っていると思われた
    直線は一次関数のグラフのみとわかっているので、定規は使っていない
  • 原点付近でV字にしていると思われた
    原点付近では、\(x\)の増加に対して\(y\)の増加(減少)が緩やかだから、水平に近い

など、根拠をしっかり述べられれば大丈夫です。

おわりに

お疲れ様でした!

今回は、二次関数\(y=ax^2\)のグラフの、よくある減点ポイントについてまとめました。
ポイントは次の5つです。

  • 整数の点をすべて通っているか?
  • グラフを端まで描き切っているか?
  • 原点付近でV字になっていないか?
  • 定規を使っていないか?
  • グラフの先端が「内側」に反り返っていないか?

二次関数のグラフの問題は、ただきれいに線を描く、いわば「お絵描き」のような意味合いで採点されているわけではありません。
すべて、きちんと数学的な意味づけがあって減点対象となっています。

気を付ける意味もわかったうえで、グラフをしっかり描けるようになれば、グラフを自由に読んだり描いたりする力はかなりつくと思います。

がんばってください。

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