「変域が整数のときは解けるのに、分数が出た瞬間に間違える」
そんな経験はありませんか?
二次関数\(y=ax^2\)の変域は、グラフで考えられるようになれば、どんな問題も同じ方法で解けます。
でも、端点が分数になると、とたんに正答率が下がります。
この記事では、基本の解き方からはじめて、変域の問題で端点が分数のときになぜ間違いが増えるのか、どうやって対策したらよいのかまでを、わかりやすく整理します。

この記事では、原点が変域内に含まれる\(y=x^2\)のグラフを扱って考えていきます。
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「グラフで変域は全部解けるって言われたけど本当?」という方向けに、変域の出題パターンを網羅した記事を作りました。
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グラフを使った変域の求め方に自信がない方はぜひこちらをお読みください。
👉二次関数の変域はの完全攻略!4ステップで解くコツの実践【中3数学】
変域の端点が分数になると何が難しくなるの?
端点が分数になると、変域の問題が難しくなる理由は、主にこの3つです。
変域の問題のおさらい
今回はこの4ステップが分数の変域でもそのまま使えることを確認しながら、ミスを減らすコツを紹介します。
実際のグラフで見てみよう
例1:
\(y=x^2\)の\(-1≦x≦2\)における\(y\)の変域

グラフから\(x=0\)のとき最小、\(x=2\)のときが最大とわかります。
それぞれ式に代入すると
- \(x=0\)のとき\(y=(0)^2=0\)
- \(x=2\)のとき\(y=(2)^2=4\)
よって変域は、\(0≦y≦4\)となります。
例2:
\(y=x^2\)の\(-2≦x≦1\)における\(y\)の変域

グラフから\(x=0\)のとき最小、\(x=-2\)のときが最大とわかります。
それぞれ式に代入すると
- \(x=0\)のとき\(y=0\)
- \(x=-2\)のとき\(y=(-2)^2=4\)
よって変域は、\(0≦y≦4\)となります。
どちらも同じ答えになりますが、最大値をとるときの\(x\)が例1では変域の右端、例2では変域の左端と違っています。
次は、どうしてこういう違いが出るのかを見ていきましょう。
二次関数\(y=x^2\)で最大・最小をとる\(x\)の決まり方
どちらの端点で最大になるかは、\(y\)軸からそれぞれの端点までの距離で決まっています。
\(y=x^2\)のグラフは、頂点(原点)から離れるほど\(y\)の値が大きくなります。
また、グラフは\(y\)軸に対して左右対称なので、軸からの距離が同じ点では、\(y\)の値も等しくなります。
そのため、変域の両端点のうち軸から遠い方が、軸から近い方よりも\(y\)の値が大きく、そこで最大値をとるのです。

実は、このことを理解することが、分数の変域でミスを減らすための第一歩です。
それでは、これを踏まえた上で、「分数が端点の問題ではなぜ正答率が下がるのか」を見ていきましょう。
端点の大小関係が見えづらくなる
整数なら「\(x=2\)は\(y\)軸から\(2\)離れている」とすぐにわかります。
でも、\(\displaystyle \frac{5}{2}\)と\(\displaystyle \frac{7}{4}\)のどちらが大きいか、整数ほどもすぐには判断できないと思います。
分数になると、数の大きさを直感的につかみにくくなってしまいます。
分数を正確に比べるときは、通分して比べることが必要になりますが、ここを「なんとなく」で済ませてしまうと、とたんにミスが増えてしまいます。
代入計算が複雑になる
\(y\)軸からの距離を比べた後、今度は端点の\(x\)の値を代入して\(y\)の値を計算しないといけません。
分数の2乗も、不慣れなうちは計算ミスをしがちな部分です。
ミスを減らす対策はどうしたらいいの?
対策は簡単で、何が難しいかを理解して、気をつけて計算することです。
「気をつけて計算しているよ」という人でも、実は注意する場所がずれていることがよくあります。
「分数だから気をつけよう」と思うだけでは、実は十分ではありません。
自転車で細い道を走るとき、「細いから気をつける」より「あの曲がり角は見通しが悪いから、そこでいったん止まる」の方が安全ですよね。
具体的にどこが危ないかがわかっていると、対策もピンポイントにできます。
数学のミスも同じです。
どこで間違えやすいかを具体的に知っておくことが、一番の対策になります。
今回の問題に限って言えば、ネックになるのが、次の2点です。
- 4ステップの②「変域を描きいれるとき」にy軸からの距離を正しく比べる部分
- 4ステップの④「グラフから最大になる\(x\)を読み取ったあと」、式に\(x\)を代入する部分
ここさえ丁寧にやれば、ミスは大きく減ります。
「分数だから注意」ではなく、
- ②で\(y\)軸からの距離を比べるところを丁寧にやる
- ④で\(y\)軸からの距離を比べるところを丁寧にやる
と決めておきましょう。
例題で、どこに注意したらいいかを見てみよう
\(y=x^2\)の、\(\displaystyle -\frac{5}{2}≦x≦\frac{7}{4}\)での\(y\)の変域を考えてみます。
ステップ①:ここは整数と変わらず
グラフ全体を点線で描く(全体像を把握するため)

ステップ②:ここが一番注意
\(x\)の範囲をグラフ上にとる
このときに、\(x\)の大小関係を間違えると詰みます。
必ず通分をして比べてください。
- \(\displaystyle -\frac{5}{2}=-\frac{5}{2}\)
- \(\displaystyle \frac{10}{3}=\frac{10}{3}\)
なので、必ず\(\displaystyle -\frac{2}{5}\)を\(y\)軸から遠いところにとってください。


実際に問題を解くときはフリーハンドでグラフを描くことになります。
どちらが遠いかを意識して描いてください。
ステップ③:ここは整数と変わらず
その範囲の部分だけ太くする

ステップ④:ここも注意
その部分の「一番上と下」になるときの\(x\)の値を読む
\(x\)の読み取りはいつも通りでいいですが、代入して\(y\)の値を計算するときに注意が必要です。

グラフから、\(x=0\)のときが最小、\(\displaystyle x= -\frac{2}{5}\)のとき最大とわかる。
- \(x=0\)のとき\(y=0\)
- \(x=-2\)のとき\(\displaystyle y=(-\frac{2}{5})^2=\frac{4}{25}\)
よって、\(y\)の変域は
\(\displaystyle 0≦y≦\frac{4}{25}\)
おわりに
分数でミスが増えるのは、能力の問題ではありません。
「何となく分数は気をつけよう」という意識は持っていても、どこでミスが起きやすいかが見えていないと、注意が分散してしまいます。
今回の変域の問題でいえば、気をつけるべき場所は「端点の\(y\)軸からの距離の大小」と「代入してからの計算」という二点でした。
そして、ミスを減らすためにミスの見える化が大事なことは、変域に限らず、すべての単元で共通することです。
ミスを減らす第一歩は、どこでミスが起きるかを見えるようにすること
この考え方を持っておくと、他の問題でも、自分でどこに注意すべきかを見つけられるようにな、正答率もかなり安定してきます。
がんばってください。

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