一次方程式の過不足の文章題|「何についての等式か」で迷わないコツ【中1数学】

「文章題になると、急に式が立てられなくなる……」
そう悩んでいませんか?

特に、『余り』や『不足』が出てくる問題は、多くの人がつまずくポイントです。
「足すんだっけ、引くんだっけ」と混乱したり、そもそも何をxとおけばいいのかわからなくなったり、といった声をよく聞きます。

実は、この問題には他のパターンとは違う特有の難しさがあります。
「何を\(x\)でおくか」の選び方ひとつで、その後の難易度が大きく変わってしまうのです。

この記事では、まず「うまくいく解き方」を確認したあとで、あえて「うまくいかない解き方」も見比べながら、なぜ最初の選び方が重要なのかを解説していきます。

この記事でわかること
  • 一次方程式の過不足の文章題で等式を立てるときに難しいポイント
  • 「何についての等式か」という考え方と、その使い方
  • 過不足の情報から全体の個数を式で表すコツ
  • なぜ、過不足の文章題で全体の数を\(x\)とおくと難しくなるのか

目次

一次方程式の文章題、過不足の問題の解答と考え方

例題

あるお菓子を子どもたちに分けます。
1人に3個ずつ分けると6個余り、1人に4個ずつ分けると12個足りません。
お菓子は全部でいくつあるか求めなさい。

【解答】

子どもの人数を\(x\)人とおく。

1人に3個ずつ分けると6個余るので、お菓子の個数は\((3x+6)\)個と表せる。
また、1人に4個ずつ分けると12個足りないので、お菓子の個数は\((4x-12)\)個と表せる。

よって

\[3x+6=4x-12\]

これを解いて

\[x=18\]

お菓子の個数は\((3x+6)\)個なので、\(x=18\)を代入すると

\[3 \times 18 +6 =60\]

よって、お菓子の個数は\(60\)個

等式をつくる練習なので、途中計算は省略しています。

【考え方】

方程式の文章題のコツは、こちらの記事にまとめています。
考え方は、このコツに沿ってまとめてあるので、わかりにくいところがあったら、ぜひこちらの記事をお読みください。
👉すみません、準備中です。

問題文で出てくるのは次の3つなので、これを踏まえて考えます。

  • 1あたり:1人あたりのお菓子の個数
  • 基準の数:子どもの人数
  • 結果の数:全体のお菓子の個数
何を文字\(x\)でおくか決める

まず、子どもの人数を\(x\)人とおきます
最後に「お菓子の数」を求めるよう指示されているので、全体のお菓子の個数を\(x\)とおきたくなるところです。
でも、そうすると「配りきれなかった分」や「足りない分」をどう扱うかで頭が混乱しやすくなり、難易度がかなり上がってしまいます。

文章中から「等しい関係」を見つける/等号を使って書き下す

「1人に3個ずつ分けると6個余り、1人に4個ずつ分けると12個足りません」の部分から、等しい関係を見つけます。

多くの文章題と違って、過不足の問題では、「〇と△は等しい」のようなわかりやすい表現はありません。
でも、ちゃんと等しい関係は隠れています。

どんな分け方をしても、全体の個数そのものは変わりません
つまり、「3個ずつ配ったときのお菓子の数」と「4個ずつ配ったときのお菓子の数」は、同じ全体の個数を指しているはずです。

そのため、「3個ずつ配ったときのお菓子の数」と「4個ずつ配ったときのお菓子の数」を式で表して

\[\text{(3個ずつ配ったときのお菓子の数)}= \text{(4個ずつ配ったときのお菓子の数)}\]

という等式を考えます。

条件を整理して、必要な情報を文字や数で表す

人数を\(x\)とおいたので、それぞれの配り方のときの全体の個数を\(x\)を使って表します。

  • 3個ずつ配ると6個余る
    • 配った個数:
      \(3x\)個
    • 全体の個数:
      「6個余る」を「全体の個数は配った個数よりも6個多い」と考えて
      \(3x+6\)個
  • 4個ずつ配ると12個足りない
    • 配ろうとした個数:
      \(4x\)個
    • 全体の個数
      「12個足りない」を「全体の個数は配ろうとした個数よりも12個少ない」と考えて
      \(4x−12\)個

「余ったら+、足りなかったら−」と丸暗記すると、符号を逆にしてしまうミスが起きやすいです。
「配った数(配ろうとした数)」と「全体の個数」、どちらが多いかをイメージすると、間違いにくくなります。

整理した条件と「等しい関係」を使って等式を組み立てる

最初に考えた

\[\text{(3個ずつ配ったときのお菓子の数)}= \text{(4個ずつ配ったときのお菓子の数)}\]

の関係に、整理した条件を当てはめると

\[3x+6=4x-12\]

という等式をつくることができます。

最後の計算

最初に、問題文で求めるように言われた「全体の個数」ではない「分ける人数」を文字でおきました。
そのため、求めた\(x\)をそのまま答えとして書いてしまうと間違いになります。

かならず、自分が何を\(x\)とおいたか、何を求めるように指示されているかを確認して、指示のものを答えるようにします。

一次方程式の文章題、過不足の問題のポイント

  • 分けられる人や箱などの「基準の数」を\(x\)でおく
  • 「全体の個数についての等式」をつくる
  • 自分が何を\(x\)でおいたか、問題文で何を求めるように言われたのか、必ず確認する

このタイプの問題のポイントは、大きくこの3点です。

最初の置き方次第で難易度が大きく変わってしまうため、文字の置き方と最終の計算結果の確認に注意が必要になります。

また、「等しい関係」が見えづらく、どこをどう等式にしたらよいかも迷いやすいため、「全体の数についての等式を立てる」という点も押さえておいてください。

全体の個数を\(x\)とおいたときの過不足の問題の解法

「全体の個数」を\(x\)とおいても解けるのですが、計算が複雑になります。
実際に、全体の個数を\(x\)でおいたときの解答と考え方をお示しして、何がどう難しいのかを考えてみます。

参考程度の話なので、気にならなければ読み飛ばしてもらっても構いません。

【解答】

お菓子の個数を\(x\)個とおく。

1人に3個ずつ分けると6個余るので、子どもの人数は\(\displaystyle \frac{x-6}{3}\)人と表せる。
また、1人に4個ずつ分けると12個足りないので、子どもの人数は\(\displaystyle \frac{x+12}{4}\)人と表せる。

よって

\[\frac{x-6}{3}= \frac{x+12}{4}\]

これを解いて

\[x=60\]

よって、お菓子の個数は\(60\)個

【考え方】

子どもの人数を\(x\)人とおいた場合と大きく違うのは、「何についての等式を立てるか」が変わっていることと、そのための条件整理の方法です。

文章中から「等しい関係」を見つける/等号を使って書き下す

「1人に3個ずつ分けると6個余り、1人に4個ずつ分けると12個足りません」の部分から、等しい関係を見つけることは変わりません。

最初に「全体の個数」を文字で置いた場合は、どんな分け方をしても、子ども人数は変わらないということを用いて等式をつくります。

そのため、「3個ずつ配ったときの子どもの人数」と「4個ずつ配ったときの子どもの人数」を式で表して

\[\text{(3個ずつ配ったときの子どもの人数)}= \text{(4個ずつ配ったときの子どもの人数)}\]

という等式を考えます。

条件を整理して、必要な情報を文字や数で表す

ここが一番の難関です。
それぞれ、次のように読み替えて、子どもの人数を全体の数\(x\)個を使って表します。

3個ずつ配ると6個余る
余りの6個がなければ、ちょうど3個ずつ全員に配ることができる

つまり、全体の個数\(x\)から6を引いたものを、3で割れば、ちょうど子どもの人数になっているということになり、子どもの人数が\(\displaystyle \frac{x-6}{3}\)人と表せます。

4個ずつ配ると12個足りない
足りない12個を足せば、ちょうど4個ずつ全員に配ることができる

同様に考えると、全体の個数\(x\)に12を足したものを、4で割れば、ちょうど子どもの人数になっているということになり、子どもの人数が\(\displaystyle \frac{x+12}{4}\)人と表せます。

整理した条件と「等しい関係」を使って等式を組み立てる

最初に考えた

\[\text{(3個ずつ配ったときの子どもの人数)}= \text{(4個ずつ配ったときの子どもの人数)}\]

の関係に、整理した条件を当てはめると

\[\frac{x-6}{3}= \frac{x+12}{4}\]

という等式をつくることができます。

高校の数学では、整数の単元があり、これぐらいの過不足を考えることはよくあります。
ただ、方程式の文章題に不慣れな段階でここまでの計算をする必要はないので、避ける工夫をしてもいいと思います。
どうしても、こちらの解き方でも解けるようになりたい人は、「人数についての等式を立てている」ということを意識するようにすると、かなり考えやすくなると思います。

一次方程式の文章題、過不足の問題まとめ

今回の記事のまとめは以下の通りです。

  • 過不足の問題では「分けられる数(基準の数)」を\(x\)でおいて、「全体の数(結果の数)」の等式をつくる
  • 等式は「どんな分け方をしても全体の数は変わらない」ということを意識する
  • 「全体の数(結果の数)」を文字でおいた場合は、「分けられる数(基準の数)は変わらない」という等式をつくれるが、計算が複雑なため避けた方がよい

今回の記事はここまでです。
過不足は、文字の置き方と、「何についての等式」をつくっているかが意識するのがとても大事になる問題です。
この2点をしっかり意識して演習いていえばできるようになってきますよ。

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