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方程式を立てるコツ|「何についての等式か」を意識して過不足を攻略【中1数学】

数学の考え方

「文章題になると、急に式が立てられなくなる……」
そう悩んでいませんか?

特に『余り』や『不足』が出てくる問題は、「足すんだっけ?引くんだっけ?」と混乱しがちですよね。

実は、方程式を立てるのには、ある「魔法の質問」があります。
それは、「何についての等式を考えているの?」と自分に問いかけること。

この記事では、方程式の基礎である「等号(=)の本当の意味」から、過不足の問題が面白いほどスラスラ解けるようになるステップを解説します。

なぜ符号を間違えるのかも、これを読めばわかりますよ!

この記事でわかること
  • 方程式の文章題で式が立てられない本当の理由
  • 「何についての等式か」という考え方と、その使い方
  • 過不足の情報から全体の個数を式で表すコツ

方程式の立て方のコツ(復習)

【方程式の文章題、式の立て方の5ステップ】

  • 求めるものを\(x\)でおく
  • 等しい関係を見つける
  • 関係を日本語のまま式にする
  • 必要な数や条件を整理する
  • 日本語の式を数式に直す

文章題で等式を立てるコツは、ステップを分割することです。
そうすると、考えがとてもクリアになります。

この中でも「関係を日本語のまま式にする」ステップが一番難しいことが多いです。
次に、ここで意識したいポイントを解説します。

詳しくは前回記事で解説しています。
方程式の文章題の基本になるので、まだの方はまずこちらをお読みください。
👉方程式の文章題、どこから考える?式の立て方を5ステップで整理【数学の考え方】

方程式が苦手な理由は「計算」ではなく「翻訳」にある

等式を立てるときに大事なことは、「何についての式か」を意識すること

これがどういう意味か、等号の意味から説明します。

中学数学での「=(等号)」は「左と右のバランス」

小学校では「2+3=5」のように、計算結果を表す記号として使います。
しかし、中学以降は「左辺と右辺が等しい」という関係を表す記号になります。

この「両辺が等しい」という性質が、等式を作るときにとても大事です。

等式の右辺と左辺は同じもの

等式の両辺は必ず等しいため、左辺と右辺が表しているものは必ず同じです。

たとえば、等式の左辺が代金を表していれば、必ず右辺も代金を表しています。
右辺が代金を、左辺が個数を表しているということは、絶対に起こりません。

だから、等式は、必ず「代金についての等式」や「道のりについての等式」など、「何についての等式か」を一言で表すことができるのです。

これを意識できると、方程式の立てやすさがぐんと変わります。

理由の説明は後に回して、まず間違いが多い過不足の文章題を解説します。

【実践】過不足の問題で「お菓子全体の数」を式にするコツ

例題1(全体の個数が数字でわかっている問題)

60個のお菓子を子どもたちに分ける。
1人に4個ずつ分けようとすると12個不足する。
子どもの人数は何人か?

【解説】

①求めるものを\(x\)でおく

子どもの人数を\(x\)人とおきます。


②等しい関係を見つける

「60個のお菓子を子どもたちに分ける。1人に4個ずつ分けようとすると12個不足する。」
この部分から等式を作ります。


③関係を日本語のまま式にする

今、お菓子の数が全部で「60個」とわかっているので、「お菓子の全体の個数についての等式」を立てます。

そのため、「1人に4個ずつ分けようとすると12個不足する。」の部分から「全体の個数」を表す式が作れないか考えます。

  • 1人に4個ずつ分ける
    →4×(人数)個のお菓子が必要
  • 12個不足する
    →全体の個数は、これより12個少ない

よって、全体の個数は

4×(人数)-12

と表せます。
全体の個数は60個なので

4×(人数)-12 = 60

という等式をつくることができます。


④必要な数や条件を整理する

今回の式で未知数は人数だけなので、人数を\(x\)として代入します。


⑤日本語の式を数式に直す

③、④から

\(4x-12=60\)

と等式をつくることができました。


例題1のような出題は少なく、実際はほとんどが例題2のような形です。
ただし、「過不足の情報から全体の個数を表す」という考え方は同じです。


例題2(2通りの過不足の情報が与えられた問題)

あるお菓子を子どもたちに分ける。
1人に3個ずつ分けると6個余り、1人に4個ずつ分けると12個不足する。
子どもの人数を求めなさい。

【解説】

①~②

子どもの人数を\(x\)人とおきます。

「1人に3個ずつ分けると6個余り、1人に4個ずつ分けると12個不足する。」
この部分から等式を作ります。


③関係を日本語のまま式にする

例題1で確認した通り、分ける数と過不足の数がわかっていれば、「お菓子全体の個数」を表すことができます。
そのため、等式は「お菓子全体の個数についての等式」を立てます。

「1人に3個ずつ分けると6個余り」の部分を考えます。

  • 1人に3個ずつ分ける
    →3×(人数)個のお菓子が必要
  • 6個余る
    →全体の個数は、これより6個多い

よって、全体の個数は

3×(人数)+ 6

と表せます。

また、「1人に4個ずつ配ると12個不足」という情報から、全体の個数は、

4×(人数)-12

と表せます。

それぞれ、どちらも「お菓子全体の個数」を表しているので

3×(人数)+ 6 = 4×(人数)-12

という等式をつくることができます。

この問題は、「分ける」に引っ張られて割り算をしたり、「余る」「足りない」の言葉だけで覚えようとして、過不足の部分の符号を間違えたりというミスがとても多いです。


④~⑤

今回の式でも未知数は人数だけなので、人数を\(x\)として代入して

\(3x+6=4x-12\)

と等式をつくることができました。


この問題は、「お菓子の全体の個数についての等式」とさえ見れていれば、あとは「過不足の情報から全体の個数の式を作れるか」という点が山場になります。

なぜ「何についての式か」を決めると、迷いが消えるのか?

なぜ、「何についての等式か」を意識した方がよいかというと、計算の種類は「何を求めるか」によって決まるからです。

たとえば、4と2があります。
「足しますか?引きますか?かけますか?割りますか?」
そんなことを聞かれても決められませんよね?

  • 男性が4人、女性が2人、合計は?
    → 足し算
  • お菓子が4個あって、そのうち2個を食べました、残りは?
    → 引き算
  • お菓子を1人4個ずつ分けました。人数は2人います。全部で何個?
    →かけ算
  • 4個のお菓子を2人で分けました。1人分のお菓子は何個?
    → 割り算

のように、「何を知りたいか」によって計算は決まるのです。

等式を立てるときは、関係性が複雑になりがちです。
そうすると、意識しないと「何の式を作っているか」がわかりづらくなり、どう計算すべきか見えなくなるのです。

「何についての等式か」を意識しておくだけで、必要な計算が見えやすくなるのです。

おわりに

方程式を立てることは、日本語の文章を「数式という言葉」に翻訳する作業です。
翻訳で一番大切なのは、「何の話をしているのか」を見失わないことです。

もし問題の途中で手が止まったら、一度ペンを置いて「何についての等式なのか」を考えてみてください。
計算は、そこから見えてきます。

この視点は、この先の「速さ」や「割合」の文章題の理解にもつながっていきます。
ぜひ他の問題でも試してみてください

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