「関数のグラフって、そもそも何だろう?」
そう聞かれると、意外とすぐには答えにくいかもしれません。
関数の式を満たすグラフは点の集まりです。
何となくグラフを描ける人でも、実は、この「グラフの意味」をしっかり理解していないことがよくあります。
でも、グラフの意味をしっかり理解しておくと、グラフ上の点の求め方、変域、グラフの交点など、グラフに関するいろいろなことの理解が深まります。
この記事では、比例のグラフを用いて、グラフの意味についてわかりやすく解説します。
関数のグラフとは?関数の式とグラフの関係
理解のポイント
解説
グラフは、関数の式を満たす点を座標にとっていったものです。
関数の式を満たす点が無数にあるため、線で代表して描いています。
言葉だけではどういうことかわかりづらいと思うので、実際の関数で考えてみます。
\(y=2x\)という比例の式を考えます。
この式で、\(x\)の値をいくつか決めて\(y\)の値を求めると、次のような表が作れます。
| \(x\) | -3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
| \(y\) | -6 | -4 | -2 | 0 | 2 | 4 | 6 |
次に、この表の\(x\)と\(y\)を、グラフ用紙にとります。

しかし、\(x\)の値は整数に限りません。
たとえば、\(x\)=0と\(x\)=1の間にも、無数の値が存在します。
また、この式では、\(x\)が1増えると\(y\)は2ずつ増えるという一定の割合で変化しています。
つまり、\(x\)の値を細かく変えていくと、無数の点をとることができます。

いちいち点を打つのは大変なので、それらの点を線で置き換えます。

こうやってできた図を、関数のグラフと呼んでいます。
まとめると、関数の式を満たす\(x\)と\(y\)の組をいくつもとり、それらの点を線で結んだものがグラフです。
つまり、グラフは関数の式を満たす点の集まりということです。

比例のグラフで考えましたが、どんな関数のグラフも「式を満たす点の集まり」ということに変わりはありません。
おわりに
今回の内容は、グラフの意味について解説しました。
グラフは関数の式を満たす点の集まり
あまりテストの点数に直結する話ではないですが、この意味がしっかり理解できると、グラフに関する話の見え方ががらっと変わります。
たとえば、
グラフ上の点を求めるときは、その関数の式を満たす点を1つ見つけていること。
交点を求めるときは、2つの式を同時に満たす点を探していること。
変域を考えるときは、\(x\)が動くときに点がどんな\(y\)の値をとるかを見ていること。
どの内容も「グラフは点の集まり」という考えでつながっています。
このことがわかると、関数のいろいろな単元が“ひとつの流れ”として見えてきます。
グラフを扱うときは、ぜひ「点の集まり」として意識してみてください。


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