「AとBを比べるとAの方が3大きい、どっちに3を足せばいいんだっけ…」
そんな経験ありませんか?
方程式の文章題では、2つの数の大小関係を等式を使って表すことがよくあります。
一見すると簡単そうなのですが、実は大小関係の聞き方には細かい違いがあります。
そして、そこを見落とすと間違った方に足したり、引いたりしてしまい、計算が合わなくなってしまいます。
今回の記事では、大小関係を等式で表すときのポイントを解説していきます。
定期テストでも、ほぼ必ず出るので、しっかり整理しておくと点数アップにもつながりますよ。
「大小関係」を等式で表すときはどう考えたらいい?
まずは、実際の例で手順を確認してから、なぜこのように考えた方がよいのかという理由について見ていきましょう。
等式で大小関係を表すときのコツ
大小関係を等式で表すときは、「左辺と右辺が等しくなるためにはどうしたらいいか」という視点で考えるとうまくいきます。
具体的には、次の手順で考えてみてください。
- 2つの数の大小関係をイメージする
- 両辺が同じになるように大小の情報を式に当てはめる
それでは、例で見ていきましょう。
例1:
AとBを比べるとAの方が3大きい
- 「Aの方が大きい」とイメージする
- 両辺が等しくなるために、3をどちらに加えたらよいかを考える
→小さいBの方に3を加える
\(A=B+3\)


大きいAの方から3を引くと考えて
\(A-3=B\)
としてもよいです。
例2:
AとBを比べるとAの方が5小さい
- 「Aの方が小さい」とイメージする
- 両辺が等しくなるために、5をどちらから引いたらよいかを考える
→大きいBの方から5を引く
\(A=B-5\)


小さいBの方に5を加えると考えて
\(A=B+5\)
としてもよいです。
では、なぜこのように考える必要があるのでしょうか?
大小関係には、大きく2種類の言い方があります。
たとえば、
- AはBより3大きい
- AとBを比べるとAの方が3大きい
などです。
もちろん、どちらも同じ意味ですが、「Aの方が3大きい」という言い方は、実は間違いやすい構造になっています。
この間違いやすい構造で、間違えないために等式の性質から考えているのです。
では、次の章で、なぜミスが起こりやすいのかについて見ていきましょう。
なぜ間違える?「AはBより大きい」と「Aの方が大きい」の違いとは?
大小関係を表す2種類の言い方、「AはBより3大きい」と「AとBを比べるとAの方が3大きい」、この2つがどう違うのか、それぞれの構造から見ていきます。
「AはBより3大きい」の構造
「AはBより3大きい」という文を分解すると、
- 表したい数
Aは - 基準
Bより(=Bを基準にして) - 大小関係
3大きい
という3つの情報がセットになっているため、数式も自然と
\(A=B+3\)
と書くことができます。
たぶん、この書き方で問題が出ると、そんなに難しさを感じないと思います。
「Aの方が3大きい」の構造
「AとBを比べるとAの方が3大きい」という文についても考えてみます。
まず、この文を見ると、だいたいの人が「Aの方が3大きい」の部分にに注目すると思います。
「どちらが、どの程度大きいか」が、この文のメインの情報だからです。
しかし、実は、この文には一見すると次の2つしか情報が入っていません。
- 表したい数
Aの方が - 大小関係
3大きい
なぜ同じ意味なのに情報が少ないのかというと、「Aの方が3大きい」という文には、省略されている部分があるからです。
省略を補って書くと、次のように書くことができます。
Aの方が(Bより)3大きい
カッコ内を補って読むと、最初の「AはBより3大きい」とほぼ変わらない文になっています。
つまり、「Aの方が3大きい」の文では、基準が省略されているのです。
その結果、「Aの方が3大きい」という文を見たときに、文字だけを追って等式をつくろうとすると、Aを基準と読み間違えてしまい、
\(A+3=B\)
のような等式を立ててしまうのです。
考える負担を減らす!方程式の文章題を解く「5ステップ」の活用法
方程式の記事では、ほぼ毎回書いていますが、ステップを分割することで、さらに精度を上げることができます。
大小関係を等式で表すのは、頭の中で変換作業を行うので、集中力を使います。
そのため、文章自体の読み取りや、数式への変換までを同時に行うと、それだけ集中力を使ってしまい、ミスを起こしやすくなってしまいます。
実際の文章題で、大小関係を等式にするのはステップ③の部分です。
これを踏まえて実際の例題を見てみましょう。

詳しくは過去の記事で解説しています。
方程式の文章題の基本になるので、まだの方はまずこちらをお読みください。
👉方程式の文章題、どこから考える?式の立て方を5ステップで整理【数学の考え方】
【実践例題】代金の問題で大小関係の等式を作ってみよう
例題
1個150円のりんごと1個200円のみかんがある。
Aさんはりんごを\(x\)個とみかんを3個、Bさんはりんごを2個とみかんを\(x\)個買ったところ、Aさんの方が200円多く払った。
\(x\)を求めなさい。
【解説】
(ステップ①)
今回は最初からおいてあるので省略
(ステップ②)
「Aさんの方が200円多く払った。」
数式化するのは、Aさんの代金と、Bさんの代金の関係性を表したこの部分
(ステップ③)
②を数式化する。
「Aさんの方が200円多く払った」
→Aさんの代金が大
→両辺が等しくなるためには、B側に200円を加える
→(Aさんの代金)=(Bさんの代金)+200円

(ステップ④)
- Aさん
- りんご:
1個150円、\(x\)個 - みかん:
1個200円、3個 - 代金:
\((150x+200 \times 3)\)円
- りんご:
- Bさん
- りんご:
1個150円、2個 - みかん:
1個200円、\(x\)個 - 代金:
\((150 \times 2+200x)\)円
- りんご:
(ステップ⑤)
ステップ③の関係性にステップ④で整理した情報を当てはめると
\(150x+200 \times 3 = 150 \times 2+200x +200 \)
これを計算したら、答えが得られます。
\(150x+600 = 300+200x +200 \\ 150x-200x = 300+200-600\\ -50x = -100 \\ x=2 \)
よって答えは2個であることがわかりました。
このようにステップを分けると、大小関係を等式で表すことに集中できます。(ステップ③)
最初から全部を同時にやろうとすると、条件を整理して、文字を使って代金を表す作業をしながら、大小関係を等式で表さなければならず、間違えやすくなってしまうのです。
おわりに
大小関係の処理は、慣れてくると自然にできるようになります。
ただ、慣れる前は「どちらが大きいか」を確認してから式を立てる、という手順を意識するだけで、ミスがぐっと減ります。
また、大小関係の処理は、この単元だけでなく、速さや割合の問題でも出てくる場面があります。
ここでしっかり整理しておくと、そういった問題に取り組むときも、考える負担が少なくなります。
まずはこの記事の例題を自分でも解いてみて、ステップを体に馴染ませてみてください。

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