「食塩水の文章題って、何か複雑…」
そんなこと思っていませんか?
一次方程式の文章題の中でも、食塩水の問題は複雑に感じやすく、何をやっているのかが見えづらいです。
それは、「何と何が等しいか」が文章中にはっきりと書かれていなかったり、そもそもの濃度計算に苦手意識があることが原因です。
今回の記事では、食塩水の例題を用いて、一つ一つの考え方について丁寧に解説していきます。
読み終わるころには、どういう理屈で等式を立てているのかがわかり、考えをまとめやすくなると思いますよ。
- 食塩水の文章題で「何を等式にすればいいか」がわからない原因
- 「混合前後で食塩の量は変わらない」という等しい関係の見つけ方
- 「濃度×食塩水の量=食塩の量」の使い方
- 5つのステップに沿った等式の立て方(例題付き)
- 「真水に塩を溶かす」「食塩水を薄める」「濃度を求める」などその他のパターンの考え方
一次方程式の「食塩水の文章題」の例題
例題
7%の食塩水200gに4%の食塩水を混ぜて、6%の食塩水を作るには、4%の食塩水を何g混ぜればよいか。
方程式の食塩水の文章題では、次のコツを意識しながら考えていきいます。
- 【コツ1】5つのステップに沿って式をつくる
-
等式をつくる作業は1つの作業ではなく、5つのステップのあつまりです。
一気に処理しようとすると、どこまでがわかっていて、どこが難しいのかがわかりづらいので、ステップに分割して考えていきます。 - 【コツ2】「何についての等式か」を考える
-
等式の両辺は必ず同じものを表しているので、一言で「〇についての式」と言うことができます。
食塩水の文章題では、「食塩の量」についての式をつくっていきます。 - 【コツ3】「1あたり」「基準の数」「結果の数」の3つの要素について整理する
-
食塩水の文章題では「濃度」「食塩水の量」「食塩の量」の3つです。
基本的に、これ以外は考えなくても大丈夫です。
一次方程式の「食塩水の文章題」の解答と考え方
解答
4%の食塩水の量を\(x\)gとおくと
混合前の食塩の量は、\((0.07 \times 200 +0.04 \times x)\)g
混合後の食塩水の量は\((200+x)\)gと表せるため、混合後の食塩の量は\(0.06(200+x)\)g
混合の前後で食塩の量は変わらないから
\[0.07 \times 200 + 0.04x = 0.06 \times(200+x) \]
これを解いて
\[x=100\]
よって、混ぜる食塩水の量は100g

等式をつくる練習なので、途中計算は省略しています。
食塩水の問題は、全部%なので、両辺に100をかけると楽に計算できますよ。
考え方
問題文で最後に求めるよう指示された4%の食塩水の量を\(x\)gとおきます。
食塩水の文章題の山場その1です。
文章中に、「○と△が等しい」のような文章が書かれていないため、慣れていないと何についての等式を立てればよいかがぱっと見でわかりづらいです。
文章にははっきり書かれませんが、「混合する前後で食塩の量は変わらない」ので、これを等しい関係として使います。
混合する前は7%の食塩水と、4%の食塩水です。
混合した後は6%の食塩水です。
そのため、「混合する前後で食塩の量は変わらない」を書き下すと、次のような関係性が見えてきます。
\[\text{(7%の食塩水中の食塩の量)} + \text{(4%の食塩水中の食塩の量)} = \text{(6%の食塩水中の食塩の量)} \]
食塩水の文章題の山場その2です。
食塩水中の食塩の量は、\(\text{(食塩の量)}=\text{(濃度)} \times \text{(食塩水の量)}\)で表されます。
濃度(%)は百分率なので、
\[ 7%→\frac{7}{100}=0.07\]
のように換算して食塩水の量にかけてください。
混合前は、7%と4%の食塩水があります。
7%の食塩水の量は200gあるため、食塩の量は\(0.07 \times 200\)gと表せます。
4%の食塩水の量は\(x\)gあるため、食塩の量は\(0.04x\)gと表せます。
そのため、混合前の食塩の量はこの2つを足して\((0.07 \times 200 +0.04 \times x)\)gとなります。
混合後は、6%の食塩水があります。
6%の食塩水の量は、混合前の食塩水を全て足した量になっているはずなので\((200+x)\)gと表されます。
そのため、混合後の食塩の量は\(0.06(200+x)\)gとなります。
この文章題の登場人物である、「濃度」「食塩水の量」「食塩の量」を左に、上に「7%」「4%」「6%」をとった表を書いてまとめます。
| 登場人物 | 7%食塩水 | 4%食塩水 | 6%食塩水 |
|---|---|---|---|
| 濃度 | 7% | 4% | 6% |
| 食塩水の量 | \(200\)g | \(x\)g | \((200+x)\)g |
| 食塩の量 | \(0.07 \times 200\)g | \(0.04x\)g | \(0.06(200+x)\)g |
\[\text{(7%の食塩水中の食塩の量)} + \text{(4%の食塩水中の食塩の量)} = \text{(6%の食塩水中の食塩の量)} \]
の式に、整理した条件を当てはめて
\[0.07 \times 200 + 0.04x = 0.06 \times(200+x) \]
という等式がつくれます。
一次方程式の「食塩水の文章題」のポイント
- \(「\text{(混合前の食塩の量)}=\text{(混合後の食塩の量)}」\)の等式をつくる
- 濃度がわかっている場合は必ず、\(\text{「(食塩の量)}=\text{(濃度)} \times \text{(食塩水の量)}」\)の関係で食塩の量を表す
食塩水の文章題での等しい関係の見つけ方
食塩水の問題では、文章中にはっきりとした言葉が出てこないため、等しい関係が見えづらいです。
そのため、「混合する前後で食塩の量は変わらない」ということから、「\(\text{(混合前の食塩の量)}=\text{(混合後の食塩の量)}\)」という等式をつくるということを必ず押さえておいてください。
ここが見えていると
- 混合前、混合後で、それぞれどんな食塩水や真水、食塩があるか整理する
- 混合前後の食塩の量がどの程度あるか整理する
- 等式をつくる
と順を追って考えていくことができます。
食塩の量の表し方
例題では、\(\text{「(食塩の量)}=\text{(濃度)} \times \text{(食塩水の量)}」\)の関係を使って食塩の量を表しました。
今回の場合は、この方法以外に食塩の量の表し方がないので特に悩む必要はありませんが、次のようなケースの場合、この関係を使わなくても食塩の量を表せることがあります。
例)水200g、食塩\(x\)gを混ぜてつくった5%の食塩水中の食塩の量
このとき食塩の量は、次の2通りで表せます。
- \(x\)g
問題文通り - \((0.05(200+x))\)g
食塩水の量\((200+x)\)gに濃度をかけた
こういう場合でも、食塩水の量、濃度、食塩の量の関係を使った表し方(2番目)を優先するようにしてください。
食塩の量が\(x\)g、\((0.05(200+x))\)gという2つの表し方を見ると、前者には置いた文字の情報しか入っていないですが、後者には濃度、水の量など与えられた情報がすべて入っています。
一次方程式では、問題文の情報を1つの式にすべて盛り込まなければならないため、できるだけ情報を盛り込める形で表すようにしなければならないのです。
一次方程式の「食塩水の文章題」のその他のパターンと考え方
「食塩水同士を混ぜる」問題が基本ですが、「真水に塩を溶かす」「食塩水に真水を混ぜて薄める」「食塩水を混ぜるときの濃度を求める」など、他のパターンの問題もあります。
どの場合でも、「混合の前後で食塩の量は変わらない」が軸になります。
それぞれのパターンと、考え方のポイントだけご紹介します。
- 【真水に塩を溶かす】
-
水190gに食塩を混ぜて、5%の食塩水をつくりたい。
混ぜる食塩の量は何gか。混ぜる食塩の量を\(x\)gとおくと、
- 混ぜる前
⇒水190gと食塩\(x\)g
⇒食塩は\(x\)g - 混ぜた後
⇒5%の食塩水\((190+x)\)g
⇒食塩は\((0.05(190+x))\)g
混ぜる前後の食塩の量は変わらないので
\[x=0.05(190+x)\]



混ぜた後の食塩の量も\(x\)gですが、そう表してしまうと、\(x=x\)のような身もふたもない等式しか作れません。
- 混ぜる前
- 【食塩水に真水を混ぜて薄める】
-
5%の食塩水に水150gを混ぜて、2%の食塩水をつくりたい。
5%の食塩水は何g必要か。5%の食塩水を\(x\)gとおくと、
- 混ぜる前
⇒5%の食塩水\(x\)gと水150g
⇒食塩は\(0.05x\)g - 混ぜた後
⇒2%の食塩水\((x+150)\)g
⇒食塩は\((0.02(x+150))\)g
混ぜる前後の食塩の量は変わらないので
\[0.05x=0.02(x+150)\]
- 混ぜる前
- 【食塩水を混ぜるときの濃度を求める】
-
濃度がわからない食塩水200gに4%の食塩水100gを混ぜて、6%の食塩水を作るには、何%の食塩水が必要か。
食塩水の濃度を\(x\)%とおくと、
- 混ぜる前
⇒\(x\)%の食塩水200gと4%の食塩水100g
⇒食塩は\(\displaystyle \frac{x}{100} \times 200 +0.04 \times 100\)g - 混ぜた後
⇒6%の食塩水300g
⇒食塩は\(0.06 \times 300 \)g
混ぜる前後の食塩の量は変わらないので
\[\frac{x}{100} \times 200 +0.04 \times 100 = 0.06 \times 300 \]
- 混ぜる前
一次方程式の「食塩水の文章題」のまとめ
今回の記事のまとめは次の通りです。
- 食塩水の文章題は「等しい関係」を見つけづらい
- 食塩水の文章題では「食塩の量」に注目して、\(「\text{(混合前の食塩の量)}=\text{(混合後の食塩の量)」}\)の式を立てる
- 濃度がわかっている場合の食塩の量は\(\text{「(食塩の量)}=\text{(濃度)} \times \text{(食塩水の量)}」\)の関係をつかって食塩の量を表す



今回の記事はここまでです。
一見複雑そうに見えますが、食塩水の問題の考え方の基本は1つです。
もっと応用になると、複数回混ぜたり、途中でこぼしたりといったことが出てきたりしますが、落ち着いて「塩の量」がどうなったかを追っていけば大丈夫ですよ。


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