中学校で「関数」という言葉が出てくると、何となく難しそうに感じる人も多いと思います。
でも、落ち着いて考えると、実はそんなに難しくはなかったりします。
関数とは、かんたんに言えば「1つの数が決まると、もう1つの数も決まるしくみ」のことです。
たとえば、使った時間で料金が決まるコインパーキングや、歩いた距離で消費カロリーが決まるスマートウォッチなど、身のまわりにも関数の考え方はたくさんあります。
この記事では、「関数とは何か」という考え方の出発点を整理して、関数の単元でどんなことを学んでいくのかを見ていきたいと思います。
関数とは何か?
理解のポイント
解説
「関数」の「関」という字で何を思い浮かべますか?
多くの人は「関係」や「関わり」といった言葉を思い浮かべると思います。
「関数」の「関」もまさにこの意味で、\(x\)と\(y\)の関係(ルール)と考えるとわかりやすいです。
たとえば、「\(y\)は\(x\)を2倍したもの」というルールがあったとします。
すると、
\(x=3\)のとき\(y= 2 \times 3 = 6\)
\(x=-1\)のとき\(y= 2 \times (-1) = -2\)
のように、\(x\)を1つ決めると、\(y\)が1つに決まります。
このようなルールを関数と呼んでいるのです。

ルールがあれば何でもよいわけではなく、「\(x\)を1つ決めると\(y\)が1つだけ決まるルール」を関数と呼びます。
関数を考えるための道具
理解のポイント
解説
関数(ルール)は文章で書けますが、そのままだと扱いづらいことがあります。
そこで、関数を式の形で表したものを関数の式といいます。
「\(y\)は\(x\)を2倍したもの」なら
\(y=2x\)
と表せます。
この関数の式を、「見える形」で表したのがグラフです。
式が“計算の道具”だとすれば、グラフは“イメージの道具”。
どちらも同じ関数を、ちがう角度から見ているだけです。
関数の種類
関数には、いくつか代表的なものがあります。
中学校では「比例・反比例」「一次関数」「二次関数」を学びます。
高校ではさらに「三角関数」「指数関数」「対数関数」などへと広がっていきます。
学ぶ関数の形は変わっても、「\(x\)と\(y\)の関係を式やグラフでとらえる」という基本は同じです。
関数の勉強で学ぶこと
理解のポイント
解説
関数の学習では、次の3つができるようになることが大きな目標です。
- その単元の関数の特徴
- 関数の式の表し方・使い方
- グラフの表し方・使い方
具体的には、
「\(x\)が〇のとき、どうやって\(y\)を求めたらよいのか」、
「一次関数のグラフはどう描けばいいのか」、
「2つのグラフが交わる点を求めるためには関数の式をどう使えばいいのか」
などといったことを学んでいくのです。

中身の関数自体が変わるだけなので、実は、単元が変わっても共通する操作がかなりあります。
だから、最初はとっつきづらいですが、一度理解してしまえば後が楽になっていきます。
おわりに
関数は、「数と数の関係」を整理して考えるための道具です。
\(x\)と\(y\)のように、2つの数のあいだにルールを見つけて、それを式やグラフで表し、条件に合わせて使えるようにすること。
これが中学・高校で関数を学ぶ大きな目的です。
最初は「\(x\)と\(y\)がセットで変わる」ことを意識して、「どんな決まりで変わるのか」を読み取れるようになりましょう。

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