【基礎・中2数学】一次関数、変化の割合とは?例題でわかりやすく解説

中2の関数(一次関数)

変化の割合は、公式は簡単そうに見えますが、苦手とする人は意外と多いです。
一次関数全体に言えることですが、変化の割合も方法はわかるけど、何をやっているのかがいまいちつかみづらいのです。

ただ、変化の割合は意味さえわかってしまえば、知識はなかなか抜けにくいです。
だから、しっかり意味を理解することが大切です。

  • 変化の割合の意味
  • 公式の考え方
  • 増加量の整理の仕方
  • 一次関数と変化の割合の関係

について説明します。

段階的な例題と、具体的な解き方付きで、できるだけ詳しく解説しています。
よかったら読んでみてください。

変化の割合とは?

変化の割合の定義は次の通りです。

xの値が増加したときの、yの増加量の割合

ちょっと言い方が難しいですよね。

平たく言うと、\(x\)が1増えたときに\(y\)がどれだけ増えたかのことを言います。

例で見ていく方がわかりやすいと思うので、例で見ていきましょう。

変化の割合|求め方を例題で解説

ここからは、難易度別の例題で、順を追って解説していきます。

すごく簡単な例|変化の割合の意味の確認

まず、すごく簡単な例題で、定義の意味を確認してみましょう。


例題1(変化の割合の意味の確認)

\(x\)が1増えたとき、\(y\)が3増えた。
変化の割合は?

解説

定義通り考えればよいです。
変化の割合は
3


例題2(変化の割合の意味の確認)

\(x\)が1増えたとき、\(y\)が2減りました。
変化の割合は?

解説

\(y\)が2減った
→\(y\)が-2増えたと考えて
変化の割合は
-2


こんな簡単なら、だれも苦労してませんよという話ですよね。
もう少し、実際の問題に近づけていきます。

ちょっと簡単な例|増加量を使った言い換え

今度は、言葉を少し難しくします。

例題1、2では「\(x\)が1増えたとき」という言い方をしていました。
これを「増加量」という言葉を使って言い換えます。

  • 「\(x\)が1増えたとき」
    →「\(x\)の増加量が1のとき」
  • 「\(y\)が2減った」
    →「\(y\)の増加量が-2」

たとえば、例題2を言い換えると

\(x\)の増加量が1のとき、\(y\)の増加量は-2であった。
変化の割合は?

という問題に変わります。
もちろん答えは変わりません。

ほんのちょっと簡単な例|公式の意味と割り算

次は、公式の確認です。
変化の割合の公式は、次のように表されます。

\( \displaystyle (変化の割合)= \frac {(yの増加量)}{(xの増加量)}\)

ただ、これは変化の割合の意味がわかれば公式にする必要もない計算です。
これから、この公式の意味を見ていきます。


一度、\(x\)、\(y\)から離れてみます。

例題3(合計金額とりんごの個数からりんご1個の値段を求める問題)

買い物をしています。
りんごを3個買ったら合計金額が180円増えました。
りんご1個の値段は?

解説

りんご3個で180円なので、りんご1個あたりを求めればよいです。

180 ÷ 3 = 60

よって、りんご1個の値段は
60円


\(x\)、\(y\)に戻ります。

例題4(増加量から変化の割合を計算)

\(x\)の増加量が3のとき、\(y\)の増加量は180です。
変化の割合は?

解説

\(x\)が3増加したら\(y\)が180増えているので、\(x\)の増加量が1あたりでは

180 ÷ 3 = 60

よって、変化の割合は
60

\(\displaystyle 180 \div 3 = \frac{180}{3}\)

と考えれば、計算は公式の形になっています。


例題3、4を比べると、計算がまったく同じです。
これは、偶然でも何でもありません。

例題3を難しく言い返ると

りんごの増加量1個あたりの合計金額の増加量

を求めていると言えます。

一方、変化の割合とは

\(x\)の増加量1あたりの\(y\)の増加量

のことです。

つまり、例題3、4は同じことを求めているのです。
変化の割合の計算とは、例題3のような計算と何も変わらないのです。

ほぼ普通の例|増加量を計算して変化の割合を求める問題

今度は、増加量を計算しないといけないパターンです。
こういうときは表を使うと便利です。


例題5(増加量を計算して変化の割合を求める)

点(-1, 13)から点(4, 3)に変化したときの変化の割合は?

解説

今回は、増加量はなく、実際の数値しか与えられていません。
だから、まず増加量を求めます。

増加量を求める場合、次のような表を書くとわかりやすいです。

変化前変化後増加量
\(x\):-145
\(y\):133-10

増加量の計算苦手な人が結構います。
増加量は、次の2つを守って計算すれば間違いないです。

  • 問題文が「〇から△に変化」
    「〇」が変化前「△が変化後」
  • 増加量
    (変化後の値)-(変化前の値)

今回の場合、

\(x\)の増加量
4-(-1) = 5
\(y\)の増加量
3-13 = -10

と計算しています。

\(x\)の増加量が5
\(y\)の増加量が-10

とわかったので

変化の割合は
-10 ÷ 5 = -2

数学に限らず、前後を比較したいときは、こういう表を使うと効果的です。


例題6(増加量を計算して変化の割合を求める)

点(3, 6)から点(1, 12)に変化したときの変化の割合は?

解説

例5と同様に表をつくる。

変化前変化後変化の割合
\(x\):31-2
\(y\):6126

変化の割合は
6 ÷ (-2) = -3

普通の例|一次関数の変化の割合を計算

一次関数の増加量を考える問題です。
これは解き方はもちろんですが、結論も大事です。


例題7(一次関数の変化の割合を求める問題)

一次関数\(y=2x-3\)において、\(x\)が-1から4まで増加するときの変化の割合は?

解説

例5、6では、\(x\)、\(y\)がわかっていましたが、今回は、\(x\)しかわかっていません。
だから、\(y\)を自分で求める必要があります。

\(x=-1\)を\(y=2x-3\)代入して
\(y=2 \times (-1) -3 =-5\)

\(x=4\)を\(y=2x-3\)代入して
\(y=2 \times 4 -3 =-5\)

変化前変化後増加量
\(x\):-145
\(y\):-5510

\(x\)の増加量は
4 -(-1) = 5
\(y\)の増加量は
5 -(-5)= 10

変化の割合は
10 ÷ 5 = 2


テストだと、次のような誘導がつきます。

(1)\(x\)の増加量を求めよ。
(2)\(y\)の増加量を求めよ。
(3)(1)(2)から変化の割合を求めよ。

誘導問題って一見親切ですが、流れがわかっていないと、誘導に乗れないことも多いです。
これは、誘導なしでも解けるようにした方がいいです。

変化の割合と一次関数の関係

一次関数:\(y=ax+b\)

\(a\)は、一次関数の変化の割合と一致します

例7で、元の式、\(y=2x-3\)の\(x\)の係数と、変化の割合がどちらも2で一致しているのは偶然ではないのです。

式の形を見ると、\(x\)が1増加したとき

  • \(ax\)の部分
    →\(a\)増える
  • \(b\)の部分
    →変化なし

と変化するので、\(y\)は\(a\)だけ増加します。
だから、一次関数の場合、\(a\)が変化の割合に一致するのです。

おわりに

関数から変化の割合の解き方は、次の3ステップです。

  • \(x\)の値と関数の式から\(y\)の値を計算
  • \(x\)、\(y\)の増加量を求める
    →表を使うと整理しやすい
  • 公式を使って変化の割合を求める。

この記事の例題は、

例1~4⇒ステップ③
例5,6⇒ステップ②③
例7⇒ステップ①~③

と踏むステップの数に応じて、用意しました。
自分が理解しやすいところまで戻って、理解を深めるようにしてみてください。
がんばってください。

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