「傾きと変化の割合の違いは?」「切片って何?」
そんなふうに感じている人も多いのではないでしょうか。
定期テストでは、
- 一次関数のグラフの各部分の名称
- 一次関数のグラフの形と傾き、切片の符号の関係
といった、グラフそのものに関する問題が出題されることがよくあります。
しかし、これらは、結果だけ覚えようとしても、なかなか頭に入りません。
でも、「意味」から整理して理解すれば、暗記しなくても自然に思い出せるようになります。
この記事では、
について、図を使いながらわかりやすく解説します。
一次関数のグラフの特徴
傾きと切片
一次関数の一般形は、次のように表されます。
\(y=ax+b\)
そして、この\(a\)、\(b\)にはそれぞれ名前がついていて、次のような意味があります。


傾き、切片どちらもグラフを描くために必ず使うので、必ず理解しておいてください。
一次関数のグラフの傾きと変化の割合の関係
一次関数の変化の割合は\(a\)です。
また、\(a\)は一次関数のグラフの傾きを表しています。
つまり、一次関数の場合、次のことが言えます。
(変化の割合)=(グラフの傾き)
変化の割合の求め方については、一次関数の変化の割合で解説しています。
変化の割合と傾きの違いを、うまく区別できない人がときどきいます。
定期テストでもよく出るので、しっかり整理しておきましょう。
次のように考えるとわかりやすいと思います。
- 変化の割合
- 計算で求めるもの
- グラフと関係なく使うことがある
- 傾き
- 一次関数のグラフの「傾き具合」
- グラフの話をするときに使う

ここまでで、傾きと切片の意味を確認しました。
では、この2つの値がグラフの形にどう関係するのか見ていきましょう。
傾きと切片がグラフの形をどう決めるか
一次関数の式 \(y=ax+b\)では、傾き、切片はそれぞれ次のことを決めます。
- 傾き \(a\) :グラフの「傾きの向き」
- 切片 \(b\) :グラフの「位置(上下)」
この2つの値の符号によって、グラフの形が変わります。
傾きと切片の符号でわかるグラフの形
- 傾きが正(\(a\)>0)
→右肩上がりの直線 - 傾きが負(\(a\)<0)
→右肩下がりの直線 - 切片が正(\(b\)>0)
→\(y\)軸で原点より上を通る - 切片が負(\(b\)<0)
→\(y\)軸で原点より下を通る
実際の数字で確認すると、違いがはっきりわかります。
たとえば次のような直線を描いてみましょう。
- 傾きが正の直線:\(y=2x+1\)
- 傾きが負の直線:\(y=−2x+1\)
- 切片が正の直線:\(y=2x+1\)
- 切片が負の直線:\(y=2x−1\)


これらを比べると、傾きの符号で「上がり方・下がり方」が、切片の符号で「上下の位置」が変わることがわかります。
グラフの形と関数の式について学習するときのコツ
グラフの形から\(a\)、\(b\)の形を推測するような問題では、自分で適当な値を設定して確かめられるようにするのが理解しやすいし、間違えにくいです。
よく、数式とグラフの結果だけを暗記しようとする人がいますが、個人的にはあまりおすすめはしません。
たとえば、「\(a>0\)のときグラフは右肩上がり」と覚えても、試験で緊張すると、\(a>0\)だったか\(a<0\)だったかなんて簡単に混乱してしまいます。
一方、実際に値を設定してグラフを描くと、結果が目で確認でき、頭の中だけで覚えるよりも間違いが起こりにくくなります。
また、グラフの形を学ぶ目的は、「グラフに慣れること」にあります。
グラフの形から\(a\)、\(b\)の正負が判断できること自体に、テストで点をとれる以上の意味はありません。
そのため、結果だけを暗記するよりも、実際にグラフを何度も描いて確かめる方が、本来の目的に合っています。
慣れるまでは時間がかかりますが、慣れれば値を設定して線を何本か引くだけの作業になるので、すぐに描けるようになります。

数字で考えるとすぐにわかるのに、「グラフの形を見て、文字を使った式を選択する記号問題」になると急にできなくなる生徒がよくいました。
定期テストでよく出るので、グラフを描いて考える習慣をつけてください。
おわりに
この記事をまとめると、次のようになります。。
まとめると、次のようになります。
ここは、いくつもグラフを描いていくとだんだん理解が深まってくる内容です。
何度もグラフを描いてみて、一次関数のグラフの形を定着させていきましょう。
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