「分数が混じった一次関数のグラフの描き方がわからない」
そんなふうに感じていませんか?
一次関数のグラフは、整数のときは描けるけれど、分数が出ると手が止まる人も多いです。
でも、実は整数のときの描き方を少し工夫すれば、分数でも描くことができます。
この記事では、苦手にする人が多い「傾きや切片に分数がある一次関数のグラフの描き方」を、具体的な手順と例題を使ってわかりやすく解説します。
分数が出てくると描きづらくなる理由
定期テストでは、基本的に目盛りが1のグラフ用紙を使います。
そのため、傾きや切片が分数だと、傾きを使って2つ目の点をとったり、切片を打ったりするときに、目盛りの間に点がきてしまうことがあります。
こうなると正確に点をとることができません。
そこで、\(x\)、\(y\)が整数になるように工夫して点をとる必要があるのです。
分数のときの一次関数の描き方3ステップ
ここからは、
- 傾きが分数のときの工夫
- 切片が分数のときの工夫
に分けて説明します。
傾きが分数のときの工夫
傾きが整数のときは、切片から「右に1、縦に\(a\)だけ進んだ点」をとることでグラフを描けました。
では、傾きが分数のときはどうすればいいでしょうか。
たとえば、次の式を考えてみます。
\(\displaystyle y= \frac{2}{3}x+1\)
傾きが分数のときは、\(x\)を分母の数だけ動かすのがコツです。
今回は分母が3なので、\(x\)が3増えるときの\(y\)の変化を考えます。
\(\displaystyle yの増加=\frac{2}{3} \times 3 =2\)
つまり、切片の点から右に3、上に2進んだ点をとればいいのです。
(下図参照)

傾きが分数のときのポイント
傾き \(\displaystyle \frac{2}{3}\) は、次のように考えるとわかりやすいです。
- 横に3移動 → 傾きの分母の数だけ動かす
- 縦に2移動 → 傾きの分子の数だけ動かす


このルールは、実は傾きが整数のときも同じです。
たとえば、傾きが3のときは
\( 3 = \displaystyle \frac{3}{1}\)
と考えられるので、右に1、上に3進むことになります。
つまり、傾きは「右に分母、縦に分子」として考えれば、整数も分数も同じ手順で描けるということです。
切片が分数のときの工夫
次に、切片が分数である一次関数を考えてみます。
たとえば、
\(\displaystyle y= \frac{2}{3}x+\frac{1}{3}\)
のような式です。
このままだと、切片 \(\displaystyle \frac{1}{3}\)は目盛り上にないため、直接点をうてません。
そのため、まず、\(x、y\)が整数の点を見つけます。
\(x=1,-1, 2, -2…\)と小さい整数から順に代入すると見つけやすいです。
\(x、y\)が整数の点が見つかったら、その点をとります。
あとは「傾きが分数のとき」と同じように、その点から分母の数だけ横に、分子の数だけ縦に動かした点をとればOKです。
この式では、\(x=1\)のとき
\(\displaystyle y=\frac{2}{3} \times 1 + \frac{1}{3}=1\)
なので、点( 1, 1)を通ります。
傾きが\(\displaystyle \frac{1}{3}\)なので、点( 1, 1)から右に3、上に1の点をとればグラフを描けます。
(下図参照)

例題で考えてみよう
例題1
\(\displaystyle y= \frac{3}{4}x+1\)
解説
- このグラフの切片は 1
⇒点(0, 1)をとります - (傾きの分母)= 4
(傾きの分子)= 3
切片から、右に 4、上に 3、進んだ点をとります - 2点を結ぶ直線を引きます
解答は下図参照。

例題2
\(\displaystyle y= -\frac{3}{2}x-1\)
解説
- このグラフの切片は 1
⇒点(0, 1)をとります - 係数の前にマイナスがついているので、分子が負の数と考かんがえます(※)
(傾きの分母)= 2
(傾きの分子)= -3
切片から、右に 2、下に 3、進んだ点をとります - 2点を結ぶ直線を引きます
解答は下図参照。

例題3
\(\displaystyle y= -\frac{1}{4}x+\frac{3}{4}\)
解説
- \(x=-1\)のとき、\(y=1\)
よって、点(-1, 1)を通るとわかります
点(-1, 1)をとります - (傾きの分母)= 4
(傾きの分子)= -1
点(-1, 1)から、横に 4、下に-1、進んだ点をとります - 2点を結ぶ直線を引きます
解答は下図参照。

おわりに
まとめると、一次関数のグラフは次の3ステップで描けます。
- 通る1点をとる
- 基本は切片
- 切片が分数のときは適当に探す
- 傾きを使って、もう1点をとる
- ①の点から、傾きの分母の数だけ右に、分子の数だけ縦に動いた点をとる
- 2点を通る直線を引く
グラフは、これから応用問題を解くときに欠かせない大事な武器になります。
また、ここをマスターすれば、定期テストの点数もぐっと伸びやすいです。
少しずつで大丈夫です。
自分の手でグラフを描けるようになると、必ず自信につながります。
あせらず、しっかり整理して練習していきましょう。
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