【基礎・中2数学】一次関数のグラフを3ステップで描く方法②(傾き・切片分数編)

中2の関数(一次関数)

「分数が混じった一次関数のグラフの描き方がわからない」
そんなふうに感じていませんか?

一次関数のグラフは、整数のときは描けるけれど、分数が出ると手が止まる人も多いです。
でも、実は整数のときの描き方を少し工夫すれば、分数でも描くことができます。

この記事では、苦手にする人が多い「傾きや切片に分数がある一次関数のグラフの描き方」を、具体的な手順と例題を使ってわかりやすく解説します。

分数が出てくると描きづらくなる理由

定期テストでは、基本的に目盛りが1のグラフ用紙を使います。
そのため、傾きや切片が分数だと、傾きを使って2つ目の点をとったり、切片を打ったりするときに、目盛りの間に点がきてしまうことがあります。

こうなると正確に点をとることができません。
そこで、\(x\)、\(y\)が整数になるように工夫して点をとる必要があるのです。

分数のときの一次関数の描き方3ステップ

ここからは、

  • 傾きが分数のときの工夫
  • 切片が分数のときの工夫

に分けて説明します。

傾きが分数のときの工夫

傾きが整数のときは、切片から「右に1、縦に\(a\)だけ進んだ点」をとることでグラフを描けました。

では、傾きが分数のときはどうすればいいでしょうか。
たとえば、次の式を考えてみます。

\(\displaystyle y= \frac{2}{3}x+1\)

傾きが分数のときは、\(x\)を分母の数だけ動かすのがコツです。
今回は分母が3なので、\(x\)が3増えるときの\(y\)の変化を考えます。

\(\displaystyle yの増加=\frac{2}{3} \times 3 =2\)

つまり、切片の点から右に3、上に2進んだ点をとればいいのです。
(下図参照)

傾きが分数の一次関数のグラフ

傾きが分数のときのポイント

傾き \(\displaystyle \frac{2}{3}\)​ は、次のように考えるとわかりやすいです。

  • 横に3移動 → 傾きの分母の数だけ動かす
  • 縦に2移動 → 傾きの分子の数だけ動かす
一次関数のグラフ、傾きが分数のときの傾きの使い方

このルールは、実は傾きが整数のときも同じです。

たとえば、傾きが3のときは

\( 3 = \displaystyle \frac{3}{1}\)

と考えられるので、右に1、上に3進むことになります。

つまり、傾きは「右に分母、縦に分子」として考えれば、整数も分数も同じ手順で描けるということです。

切片が分数のときの工夫

次に、切片が分数である一次関数を考えてみます。
たとえば、

\(\displaystyle y= \frac{2}{3}x+\frac{1}{3}\)

のような式です。

このままだと、切片 \(\displaystyle \frac{1}{3}\)は目盛り上にないため、直接点をうてません。

そのため、まず、\(x、y\)が整数の点を見つけます。
\(x=1,-1, 2, -2…\)と小さい整数から順に代入すると見つけやすいです。

\(x、y\)が整数の点が見つかったら、その点をとります。
あとは「傾きが分数のとき」と同じように、その点から分母の数だけ横に、分子の数だけ縦に動かした点をとればOKです。

この式では、\(x=1\)のとき

\(\displaystyle y=\frac{2}{3} \times 1 + \frac{1}{3}=1\)

なので、点( 1, 1)を通ります。
傾きが\(\displaystyle \frac{1}{3}\)なので、点( 1, 1)から右に3、上に1の点をとればグラフを描けます。
(下図参照)

傾き、切片が分数の一次関数のグラフ

例題で考えてみよう

例題1

\(\displaystyle y= \frac{3}{4}x+1\)

解説
  • このグラフの切片は 1
    ⇒点(0, 1)をとります
  • (傾きの分母)= 4
    (傾きの分子)= 3
    切片から、右に 4、上に 3、進んだ点をとります
  • 2点を結ぶ直線を引きます

解答は下図参照。


例題2

\(\displaystyle y= -\frac{3}{2}x-1\)

解説
  • このグラフの切片は 1
    ⇒点(0, 1)をとります
  • 係数の前にマイナスがついているので、分子が負の数と考かんがえます(※)
    (傾きの分母)= 2
    (傾きの分子)= -3
    切片から、右に 2、下に 3、進んだ点をとります
  • 2点を結ぶ直線を引きます

解答は下図参照。


例題3

\(\displaystyle y= -\frac{1}{4}x+\frac{3}{4}\)

解説
  • \(x=-1\)のとき、\(y=1\)
    よって、点(-1, 1)を通るとわかります
    点(-1, 1)をとります
  • (傾きの分母)= 4
    (傾きの分子)= -1
    点(-1, 1)から、横に 4、下に-1、進んだ点をとります
  • 2点を結ぶ直線を引きます

解答は下図参照。

おわりに

まとめると、一次関数のグラフは次の3ステップで描けます。

  1. 通る1点をとる
    • 基本は切片
    • 切片が分数のときは適当に探す
  2. 傾きを使って、もう1点をとる
    • ①の点から、傾きの分母の数だけ右に、分子の数だけ縦に動いた点をとる
  3. 2点を通る直線を引く

グラフは、これから応用問題を解くときに欠かせない大事な武器になります。
また、ここをマスターすれば、定期テストの点数もぐっと伸びやすいです。

少しずつで大丈夫です。
自分の手でグラフを描けるようになると、必ず自信につながります。
あせらず、しっかり整理して練習していきましょう。

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