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【考え方のコツ・中2数学】逆算思考で考える変化の割合

数学の考え方

「変化の割合、解説を読めばわかるのに、自分で解くとなると手が止まる。」
そんな経験はありませんか?

中2数学で学ぶ変化の割合は、計算手順が多く、「どこから手をつけたらいいのか」迷いやすい単元です。

この記事では、変化の割合を「逆算思考」で整理する方法を紹介します。
求めたいものを出発点にして考えることで、計算の順序がわかりやすくなり、定期テストや高校入試でも迷わず手を動かせるようになります。

例題を使って、思考の流れを一緒に確認していきましょう。

逆算思考とは?変化の割合での使い方を解説

考え方の要点

変化の割合を考えるときは、次の順の思考を踏むとうまくいくことが多い。

  1. 変化の割合の計算
    (\(y\)の増加量)÷(\(x\)の増加量)
  2. 変化の割合の計算のために、\(x\)、\(y\)の増加量が必要
  3. \(x\)、\(y\)の増加量計算のために、\(x\)、\(y\)の座標が必要
    ⇒関数の式と\(x\)または\(y\)の値から残りを計算

解説

逆算の考え方とは、条件からではなく、求めたいものをスタートにして条件にさかのぼっていく考え方のことです。

公式を1回使えば答えが出るような基本問題では、条件から読んでも特に問題はありません。
しかし、条件や、計算過程が増えると、何をどこから使っていいかが整理できなくなってしまいます
こういうときに効くのが、”逆算の考え方”です。
「求めたいもの」を出発点にして方針を考えると、条件から考えるよりも、思考の整理がスムーズにできます。

まず、変化の割合の計算手順を思い出してください。
すると、\(x\)、\(y\)の増加量がわからないと、計算できないとわかります。

さらに、\(x\)、\(y\)の増加量を計算するためには、それぞれの点の\(x\)座標、\(y\)座標が必要なことがわかります。

\(x\)座標、\(y\)座標を求めるためには、関数の式と、\(x\)座標または\(y\)座標が必要です。

ここまで思考が整理できたら、そこで改めて問題文の条件を見ると、解答の方針が見えてくると思います。

わかりづらい箇所があれば、それぞれ次のリンクを参考にしてください。

逆算思考での変化の割合の考え方を例題で見てみよう

例題1(一次関数の変化の割合を求める問題)

一次関数\(y=2x-3\)において、\(x\)が-1から4まで増加するときの変化の割合は?

解説

変化の割合をスタートにして考えると

  1. (変化の割合)=(\(x\)の増加量)÷(\(y\)の増加量\)
  2. \(x\)、\(y\)の増加量が必要
  3. \(x\)座標、\(y\)座標が必要
    ⇒条件から関数の式と\(x\)座標はわかる
    ⇒\(y\)座標を計算

これを逆にたどっていくと

  1. \(x=-1\)のとき\(y=-5\)
    \(x=4\)のとき\(y=5\)
  2. \((xの増加量)=4-(-1)=5\)
    \((yの増加量)=5-(-5)=10\)
  3. (変化の割合)=10 ÷ 5 = 2

と計算できます。


例題2は中3の内容も混じっているので、未習の人は飛ばしてもらって大丈夫です。

例題2(一次関数以外の変化の割合、文字が入った場合)

2次関数\(y=ax^2\)において、\(x\)が-2から1に変化するときの変化の割合が3である。
\(a\)の値を求めなさい。

解説

直接、「変化の割合を求めなさい」と問われているわけではないですが、これも変化の割合をスタートにすると考えやすくなります。

  1. (変化の割合)=(\(x\)の増加量)÷(\(y\)の増加量\)
  2. \(x\)、\(y\)の増加量が必要
  3. \(x\)座標、\(y\)座標が必要
    ⇒条件から関数の式と\(x\)座標はわかる
    ⇒\(y\)座標を計算

これを逆にたどっていくと

  1. \(x=-2\)のとき\(y=4a\)
    \(x=1\)のとき\(y=a\)
  2. \((xの増加量)=1-(-2)=3\)
    \((yの増加量)=a-4a=-3a\)
  3. \((変化の割合)=-3a \div 3 =-a \)

条件から、変化の割合は3なので

\(-a=3\)
\(a=-3\)


話が逸れるので省略しましたが、増加量の整理にとまどうときは、一次関数、変化の割合の計算!表を使った計算の工夫で復習してみてください。

おわりに

この記事では、変化の割合の問題を考え方の順序に焦点を合わせて整理しました。

教科書にも出てくる基本問題なので、結構スルーされがちですが、複雑な問題を順序だてて考える練習をするのに、ちょうどいい問題だと個人的には思っています。

どこから考え始めたか、どういうプロセスを踏んだかをしっかり理解して取り組むと、間違いなく自分の力になる問題です。

がんばってください。

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