「二次関数の変化の割合って、計算が面倒くさくてミスしやすい…」
そう思っていませんか?
実は、\(y=ax^2\)の変化の割合の問題を解く道具には、
- どんな問題でも整理しやすい基本の表
- 一瞬で答えが出る魔法の公式
の2つがあります。
この記事では、数学が苦手な人でも確実に正解できる手順を、図解と具体例でやさしく解説します。
この記事を読み終える頃には、変化の割合が得意分野に変わっているはずです!
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\(y=ax^2\)の変化の割合ってどうやって求めたらいい?
一次関数ではじめて習った変化の割合ですが、実は一次関数専用の考え方ではありません。
だから、二次関数でも定義・計算の手順は変わりません。
また、一次関数の変化の割合のページでも紹介しましたが、表を使うと考えをまとめやすいことも同じです。
それでは、次で具体例を見ながら考えていきます。
具体例で計算方法を確認してみよう
\(y=-2x^2\)の\(x\)が\(1\)から\(3\)まで変化するときの変化の割合を、表を使って、次の手順で考えてみます。
- それぞれの\(x\)の値に対応する\(y\)の値を計算
- \(x\)の増加量、\(y\)の増加量を計算
- 定義に当てはめて変化の割合を計算
下図のような、縦に\(x,y\)、横に変化前、変化後、増加量を書いた表を使います。
問題文の条件から、「\(x\)が\(1\)から\(3\)まで変化する」とわかっているので、
\(x\)の変化前は\(1\)、変化後は\(3\)とわかるので、そこは表を埋めておきます。
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | |
|---|---|---|---|
| \(x\): | \(1\) | \(3\) | |
| \(y\): |
それぞれの\(x\)の値に対応する\(y\)の値を計算
関数の式が\(y=-2x^2\)なので、\(x\)の値に対応する\(y\)を計算するときは、関数の式に\(x\)を代入すればよいです。
\(x=1\)のとき\(y=-2 \times 1^2=-2\)
\(x=3\)のとき\(y=-2 \times 3^2 = -18\)
よって、次のように表を埋めることになります。
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | |
|---|---|---|---|
| \(x\): | \(1\) | \(3\) | |
| \(y\): | \(-2\) | \(-18\) |
\(x\)の増加量、\(y\)の増加量を計算
\(\text{(増加量)}=\text{(変化後の値)} – \text{(変化前の値)}\)
で計算することができます。
よく引く順番がぐちゃぐちゃになってしまう人がいますが、「後-前」とだけ覚えておくとよいです。
これを用いて\(x,y\)の増加量をそれぞれ計算すると
\(\text{xの増加量}=\text{変化後のx}-\text{変化前のx}=3-1=2\)
\(\text{yの増加量}=\text{変化後のy}-\text{変化前のy}=(-18)-(-2)=-16\)
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | |
|---|---|---|---|
| \(x\): | \(1\) | \(3\) | \(2\) |
| \(y\): | \(-2\) | \(-18\) | \(-16\) |
定義に当てはめて変化の割合を計算
これで、\(x,y\)の増加量がわかったので、変化の割合の式
\(\displaystyle \text{変化の割合} = \frac{\text{yの増加量}}{\text{xの増加量}}\)
を用いて計算すると、次のように計算することができます。
\(\displaystyle \text{変化の割合} = \frac{-16}{2}=-8\)
よって、\(y=-2x^2\)の\(x\)が\(1\)から\(3\)まで変化するときの変化の割合は\(-8\)と求めることができました。
楽に計算するための裏技はないの?

(ただし\(p \neq q\))の部分は、数学的な嘘をあんまり書きたくないので一応入れただけなので、あんまり気にしないでください。
「\(x\)が\(1\)から\(1\)まで変化しますよ」みたいな、「変化前後で\(x\)の値が変わらない場合」を除いてますよという意味です。
この裏技を使ってさっきの問題を解いてみよう
まずは、先ほどの「\(y=-2x^2\)の\(x\)が\(1\)から\(3\)まで変化するときの変化の割合」を計算してみて、結果が一致するか確認してみましょう。
\(\text{変化の割合} = -2 \times (1+3) = -8\)
となり、確かに答えが一致しているとわかります。
では、ここからは、なぜこれで計算が合うのか文字を使って確認していきます。

難しそうと思ったら飛ばしても大丈夫ですよ。
文字を使って実際に確認してみよう
まず、先ほどと同じように表で整理して増加量を計算します。
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | |
|---|---|---|---|
| \(x\): | \(p\) | \(q\) | \(q-p\) |
| \(y\): | \(ap^2\) | \(aq^2\) | \(aq^2-ap^2\) |
\(\text{xの増加量}=q-p\)
\(\text{yの増加量}=aq^2-ap^2\)
と計算できます。
ここでさらに、\(y\)の増加量は次のように因数分解できます。
\(aq^2-ap^2 \\ =a(q^2-p^2) \\ =a(q+p)(q-p)\)
よって、\(x,y\)の増加量は、次の通り整理することができます。
\(\text{xの増加量}=q-p\)
\(\text{yの増加量}=a(q+p)(q-p)\)
したがって変化の割合は
\(\displaystyle \frac{\text{yの増加量}}{\text{xの増加量}}= \frac{a(q+p)(q-p)}{(q-p)}\)
分母と分子に\((q-p)\)があるので約分すると
\(\displaystyle \frac{a(q+p)(q-p)}{(q-p)}=a(p+q)\)
と導き出すことができます。
これで、\(y=ax^2\)の\(x\)が\(p\)から\(q\)に増加したときの\(y\)の変化の割合は、\(a(p+q)\)であると計算することができました。
裏技を使うときの注意点
この裏技は、\(y=ax^2\)の変化の割合にしか使えません。
こういう「計算が楽になる裏技的な計算方法」は色々ありますが、そのほとんどが条件を絞って、途中計算を省略しています。
だから、計算が楽になっているのです。
そのため、本当にその裏技が使える条件が整っているかという確認が、とても重要です。

中3の定期テストは基本的に\(y=ax^2\)しか出ませんが、高校受験だとそういうわけにもいきません。
計算で楽になっている分、条件確認がシビアになっていると考えてください。
おわりに
公式、お疲れ様でした!今回のポイントをまとめます。
- 基本:
\(\displaystyle \text{変化の割合} = \frac{\text{yの増加量}}{\text{xの増加量}}\) - 手順:
「変化前・後・増加量」の表を作ればミスを防げる! - 裏技:
\(y = ax^2\)で\(x\)が\(p\)から\(q\)まで変化するとき、変化の割合は\(a(p+q)\)
裏技はとても便利ですが、定期テストでは「計算過程を書きなさい」という問題が出ることもあります。
まずは基本の計算をマスターした上で、裏技を「検算(答え合わせ)」として使うのが最強の勉強法ですよ。
がんばってください。
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