「変化の割合って、何だか解き方を覚えづらい…」
「変化の割合の計算って、よくミスをしてしまう…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合は、一次関数と違って一定ではないため、解き方の手順をしっかり整理しておくことが大切です。
変化の割合の問題は、「ゴールから逆算して整理するコツ」と「計算ミスを防ぐ表の使い方」さえ身につければ、確実に満点が狙える得意分野に変えられます。
今回の記事では、基本例題を使った丁寧なステップ解説から、テストで圧倒的に時間を短縮できる「裏技公式 \(a(p+q)\)」の仕組みと注意点まで、ていねいに解説します!
- 変化の割合を求める際に「どこから手をつけるべきか」という逆算の思考法
- 負の数や引く順番による計算ミスをゼロにする表の使い方とポイント
- 短時間で計算できる便利な公式\(a(p+q)\)の仕組みと注意点
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の例題
例題1
関数\(y=2x^2\)で、\(x\)の値が次のように増加するときの変化の割合を求めなさい。
1)
2)
\(1\)から\(3\)
\(-4\)から\(-3\)
関数が\(y=2x^2\)と\(x\)の2乗に比例する関数にはなっていますが、一次関数のときと基本の求め方は変わりません。
実際に解答と解説を見ていきましょう。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の基本例題の解答と考え方
解答
1)
\(x=1\)のとき\(y=2\)
\(x=3\)のとき\(y=18\)
よって、
\(\text{(xの増加量)}=3-1=2\)
\(\text{(yの増加量)}=18-2=16\)
以上より、変化の割合は
\( \displaystyle \text {(変化の割合)}=\frac{16}{2}=8\)
| 文字 | 前 | 後 | 増加量 |
|---|---|---|---|
| \(x\) | \(1\) | \(3\) | \(2\) (\(=2-1\)) |
| \(y\) | \(2\) | \(18\) | \(16\) (\(=18-2\)) |

表はメモ書きです。
解答には含まなくて大丈夫ですよ。
2)
\(x=-4\)のとき\(y=32\)
\(x=-3\)のとき\(y=18\)
よって、
\(\text{(xの増加量)}=(-3)-(-4)=1\)
\(\text{(yの増加量)}=18-32=-14\)
以上より、変化の割合は
\( \displaystyle \text {(変化の割合)}=\frac{-14}{1}=-14\)
| 文字 | 前 | 後 | 増加量 |
|---|---|---|---|
| \(x\) | \(-4\) | \(-3\) | \(1\) (=\((-3)-(-4)\)) |
| \(y\) | \(2\) | \(18\) | \(-14\) (\(=18-32\)) |
考え方
変化の割合の計算方法から逆算して考えてみると、次の通り、どこから手をつければよいかが見えてきます。
- 変化の割合の計算のためには\(x,y\)の増加量が必要
- \(y\)の増加量の計算のためには\(y\)の値の計算が必要
- まず\(y\)の計算から始める
この順番を逆からたどって、次の順で計算を進めると、途中の必要なものを求めながら、ゴールの変化の割合までたどり着くことができます。
- \(y\)の計算
- \(x,y\)の増加量の計算
- 変化の割合の計算
1)
関数の式に\(x\)の値を代入して、そのときの\(y\)の値を計算します。
\(x=1\)のとき\(y=2\)
\(x=3\)のとき\(y=18\)
増加量は、必ず「\(\text{変化}\color{red}{\text{後}}\text{の値}-\text{変化}\color{red}{\text{前}}\text{の値}\)」で計算します。
\(\text{(xの増加量)}=3-1=2\)
\(\text{(yの増加量)}=18-2=16\)
ここまでを解答で示したような表にまとめておくと、\(x,y\)の値をごちゃまぜにしたり、引く順番を間違えたりといったミスをしにくくなりますよ。
ここまできたら、あとは変化の割合の公式通り計算するだけです。
\[\text{(変化の割合)}= \frac{\text{(yの増加量)}}{\text{(xの増加量)}}\]
よって
\[\text{(変化の割合)}= \frac{16}{2}= 8\]
2)
関数の式に\(x\)の値を代入して、そのときの\(y\)の値を計算します。
\(x=-4\)のとき\(y=32\)
\(x=-3\)のとき\(y=18\)
増加量の計算が一番ミスが多いです。
- 負の数はカッコをつけて表す
- 引く順番は必ず「後-前」にする、数字の大小で引く順番を変えない
ということを徹底すると、ミスがぐっと減ります。
\(\text{(xの増加量)}=(-3)-(-4)=1\)
\(\text{(yの増加量)}=18-32=-14\)
ここまできたら、あとは先ほどと同じです。
\[\text{(変化の割合)}= \frac{(-14)}{1}= -14\]
変化の割合の計算で押さえておきたいポイント
- 「変化の割合を求めるためには何が必要か?」から逆算して考える
- 増加量計算は必ず「後-前」
- 負の数を扱うときは必ずカッコをつける
- 変化前後を整理するために、表はとても有効なツール
変化の割合の計算では、気をつけたいポイントが2つあります。
1つは計算の方針が立てにくいということ、もう1つは増加量計算が整理しにくいということです。
変化の割合の問題で計算の方針を立てやすくするコツ
変化の割合を計算するためには、増加量が必要です。
しかし、\(y\)の値を与えられていないことがほとんどなので、増加量を計算するためには、\(y\)を計算する必要があります。
よくこの範囲を学習した人は、解答を読んでそのまま覚えようとしがちですが、「変化の割合を求める」という目的と、「\(y\)を計算する」ということに直接の関係がないため、どうしても考えが迷子になりがちです。
だから、変化の割合を扱うときは、まず「変化の割合→増加量が必要→\(x,y\)の値が必要」というように、変化の割合から逆算して考えをまとめるようにすると何をしているかが見えてきます。
変化の割合の問題で増加量計算を整理するコツ
増加量の計算は、本当に計算間違いが多いです。
「増加量」という言葉に引っ張られて「増える」と思って引く順番を変えてしまう、マイナスの処理を適当に済ませて間違える、\(x,y\)の値を取り違える、いろんなミスがここでは起こりやすいです。
こういったミスを減らすためには、
- 引く順番を「後-前」で固定する
- 負の数を扱うときは必ずカッコをつける
といった、計算の基本ルールを徹底することが一番効いてきます。
計算ミスをなくすためには、計算ミスをしない特別な方法を学ぶのではなく、どんな状況でも基本ルールから外れないように訓練することが一番大事です。
また、こういった変化の前後を整理するためには、表はとても有効なツールです。
メモ書き程度の表で十分なので、少し書いてみるようにすると、頭の中も整理できますよ。



ここまでの考え方は、一次関数での変化の割合について解説した記事で詳しく解説しています。
表の書き方や、もう少し詳しい内容が知りたい場合はそちらの記事をお読みください。
■変化の割合とは何か、解き方・考え方の基礎を復習したい方はこちら
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の特徴
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合は一定ではない
一次関数とは違い、二次関数の変化の割合は一定ではありません。
(実際、さっきの例題1と2でも値が違いました)
「\(y=ax^2\)の\(a\)は変化の割合なのかな?」と思っていた方もいるかもしれませんが、計算してみると違うということがはっきりわかります。
では、この「変化の割合が一定ではない」ということから、何が見えてくるでしょうか?
ポイントは次の2つです。
- 変化の割合の符号が意味すること
変化の割合は「\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合」なので、符号による意味の違いは次の通りです。- プラスのとき:
\(x\)が増加すれば、\(y\)も増加する - マイナスのとき:
\(x\)が増加すれば、\(y\)は減少する
- プラスのとき:
- グラフが「U字の曲線」になる理由
今回の例題でいうと、次のように\(x=0\)を境目にして、プラスからマイナス(減少から増加)に転じるというふうに、変化の様子が切り替わっています。- 1)の範囲
(\(x\)がプラス)➡ 変化の割合はプラス - 2)の範囲
(\(x\)がマイナス)➡ 変化の割合はマイナス
- 1)の範囲
こうした計算上の特徴があるから、グラフの形もキレイなU字カーブになっています。



式の特徴や、グラフの特徴については別記事で詳しくまとめています。
■二次関数\(y=ax^2\)の式の値の特徴について、根拠から理解を深めたい方はこちら
■二次関数\(y=ax^2\)のグラフの特徴について、根拠から理解を深めたい方はこちら
二次関数\(y=ax^2\)で変化の割合を楽に計算するための裏技はないの?
\(y=ax^2\)で、\(x\)が\(p\)から\(q\)に増加したとき、変化の割合は次のように表せる。
\( \text{(変化の割合)} = a(p+q) (p \neq q)\)
実は、二次関数\(y=ax^2\)で、\(x\)が\(p\)から\(q\)に増加するときの変化の割合は次のように表せます。
\( \text{(変化の割合)} = a(p+q) (p \neq q)\)
後ろの\((p \neq q)\)は、たとえば「\(x\)が\(2\)から\(2\)に増加したとき」のような「同じ数字から同じ数字に増加したようなおかしな状況は考えませんよ」というただし書きです。
あまり気にしなくて大丈夫です。
ここから、この式の使い方、導き方や、使うときの注意点について解説していきます。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合を、\(a(p+q)\)を使って解いてみよう
まずは、先ほどの例題で計算した、\(y=2x^2\)の「1)\(x\)が\(1\)から\(3\)まで増加するとき」、「2)\(x\)が\(-4\)から\(-3\)まで増加するとき」のそれぞれを計算してみましょう。
1)
\(\text{(変化の割合)}=2(1+3)=8\)
※\(a=2,p=1,q=3\)と当てはめています。
2)
\(\text{(変化の割合)}=2(-4+(-3))=-14\)
※\(a=2,p=-4,q=-3\)と当てはめています。
答えが一致していることがわかります。
もちろん、たまたまではなく、\(y=ax^2\)の変化の割合ではいつでも成り立ちます。
では、なぜ一致するのか、計算で見ていきたいと思います。
二次関数\(y=ax^2\)の「\(\text{(変化の割合)}=a(p+q)\)」を導いてみよう
\(y=ax^2\)で\(x\)が\(p\)から\(q\)まで変化するときの変化の割合と例題と同じように整理していきます。
\(x=p\)のとき\(y=ap^2\)
\(x=q\)のとき\(y=aq^2\)
\(\text{(xの増加量)}=q-p\)
\(\text{(yの増加量)}=aq^2-ap^2\)
さらに、\(\text{(yの増加量)}\)を因数分解しておくと
\[aq^2-ap^2 = a(q^2-p^2)\]
\[a(q^2-p^2)=a(q+p)(q-p)\]
| 文字 | 変化前 | 変化後 | 増加量 |
|---|---|---|---|
| \(x\): | \(p\) | \(q\) | \(q-p\) |
| \(y\): | \(ap^2\) | \(aq^2\) | \(a(q+p)(q-p)\) |
\[\text{(変化の割合)}= \frac{a(q+p) \color{red}{(q-p)}}{\color{red}{q-p}}\]
分母、分子に\((q-p)\)があるので約分して、\(p,q\)の順番をアルファベット順に入れ替えると、次の式が導けます。
\[\text{(変化の割合)}= a(p+q)\]
「\(\text{(変化の割合)}=a(p+q)\)」を使うときの注意点
「\(\text{(変化の割合)}=a(p+q)\)」は、\(y=ax^2\)の変化の割合にしか使えない
「計算が楽になる裏技的な計算方法」は色々ありますが、そのほとんどが条件を絞って、途中計算を省略しています。
そのため、計算は楽になりますが、その変わりに使える範囲が限られてしまいます。
そのため、本当にその裏技が使える条件が整っているかという確認が、とても重要です。
中3の定期テストを乗り切るだけなら、この計算方法を丸暗記でも一応は大丈夫だと思います。
ただ、実力テストや高校受験の範囲、さらには高校の学習のことを考えると、「とりあえずこれだけ覚えておけば大丈夫」とはならないことは覚えておいてください。
中学校で学習する関数の変化の割合の整理
【中学校の範囲で学習する関数の変化の割合】
- 一次関数(比例含む)
変化の割合は\(y=ax+b\)の\(a\)
(絶対覚えておく) - 二次関数\(y=ax^2\)
\(p\)から\(q\)に\(x\)が増加するときの変化の割合は\(a(p+q)\)
(覚えておくと得) - 反比例
定義通りに計算
先ほど、丸暗記は注意が必要とお伝えしましたが、仮に暗記するとしたら、一次関数(比例含む)の場合、二次関数\(y=ax^2\)の場合、反比例の場合と、1つのセットとして覚えておいてください。
特に、一次関数の「\(y=ax+b\)の\(a\)と一致する」という内容は、楽な計算の方法を使わない場合でも必ずおさえておいてください。
「\(y=2x+3\)と変化の割合が一致するとき」のように、計算以外に初期条件として与えられることもあるため、ここを忘れてしまうと解けない問題もあるからです。
二次関数は、「覚えていると便利だけど、定義で困らないならなくてもいい」ぐらいの位置づけです。
反比例は便利な計算方法も何もないので、定義に従って計算するしかありません。
これだけ整理しておくと、範囲が広くなっても使える知識になるので、整理しておいてください。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の発展例題
例題2
\(y=ax^2\)において\(x\)が\(-2\)から\(4\)まで増加するときの変化の割合は\(2\)である。
このとき、\(a\)の値を求めなさい。
少し難しそうに見えるかもしれませんが、変化の割合を求めるところまでは例題1と変わりません。
- 例題1と同じ計算をする
(文字を含んでの計算になるのでちょっとだけとっつきづらい) - 最後に\(a\)を求める
という構成をイメージできると、理解しやすいと思います。
ここから、定義通りに解く解き方と、簡単な計算方法を使った解き方の2通りをご紹介したいと思います。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の発展例題の解き方
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の発展例題を定義通りに解いたとき
解答
\(x=-2\)のとき\(y=4a\)
\(x=4\)のとき\(y=16a\)
よって、
\(\text{(xの増加量)}=4-(-2)=6\)
\(\text{(yの増加量)}=16a-4a=12a\)
以上より、このときの変化の割合は
\( \displaystyle \text {(変化の割合)}=\frac{12a}{6}=2a\)
条件より、このときの変化の割合が\(2\)なので
\(2a=2\)
\(a=1\)
| 文字 | 前 | 後 | 増加量 |
|---|---|---|---|
| \(x\) | \(-2\) | \(4\) | \(6\) (\(=4-(-2)\)) |
| \(y\) | \(4a\) | \(16a\) | \(12a\) (\(=16a-4a\)) |
考え方
変化の割合を文字で表す(\(2a\))ところまでは、例題1と同じです。
この変化の割合\(2a\)が問題文にある「\(2\)」と同じなので、「=」で結んで「\(2a = 2\)」としています。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合の発展例題で簡単な計算方法を使ったとき
解答
\( \text{(変化の割合)}=a(-2+4)=2a\)
条件より、このときの変化の割合が\(2\)なので
\(2a=2\)
\(a=1\)
考え方
「変化の割合を文字で表して、等式をつくる」という流れは同じです。
変化の割合を文字で表すときの計算が簡単になったイメージです。



はじめて見ると何だか難しく見えるかもしれませんが、ばらばらにすると基本の例題の最後にちょっとだけ計算がついているだけです。
二次関数\(y=ax^2\)の変化の割合のまとめ
二次関数の変化の割合は一見複雑に見えますが、本質は「ゴールから逆算し、順を追って整理すること」にあります。
まずは基本の考え方を身につけ、確実に得点できる土台を作りましょう。
短縮公式などのテクニックは、基本の考え方をしっかり理解したうえで「便利な道具」として活用していくのがおすすめです。
焦らず一つひとつの計算をていねいに行っていけば、必ず得意分野にできますよ。
【今回の重要ポイント】
- 逆算で考える:「\(y\)の計算」→「\(x,y/)の増加量(後-前)」→「変化の割合」の順で進める
- 表で整理する:変化前後の値をメモし、負の数にはカッコをつけて計算ミスを防ぐ
- 裏技の注意点:便利公式\(a(p+q)\)は\(y=ax^2\)専用、仕組みを理解した上で使う
【次にやってみよう】
まずは教科書やワークの基本問題を1題、今回紹介した「メモ用の表」を余白に書きながら解いてみてください。
計算のスピードと正確さが大きく変わるのを実感できるはずです。
■ 変化の割合についてもう一度復習したい方はこちら


■二次関数\(y=ax^2\)の式の値の特徴について、根拠から理解を深めたい方はこちら


■二次関数\(y=ax^2\)のグラフの特徴について、根拠から理解を深めたい方はこちら




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