一次関数では、\(x\)や\(y\)の扱い方が大事なポイントです。
なんとなくわかっていても、いざ問題になると手が止まってしまうこともあります。
でも、関数の式の意味をしっかりつかめば、考え方はとてもシンプルです。
そして、この考え方は変化の割合やグラフの読み取り、入試の応用問題など、一次関数全体を理解するうえでの土台にもなります。
ここの理解があいまいだと、「なぜそうなるの?」と感じる場面が増えてしまうかもしれません。
この記事では、関数の式を使って\(x\)、\(y\)を求める基本の考え方を、例を通してわかりやすく整理します。
一次関数の式って何?\(x\)と\(y\)の関係をわかりやすく解説
関数の式は、\(x\)と\(y\)の関係を数字で表したものです。
たとえば「\(y=2x+3\)」という式があれば、\(x\)の値を決めると、それに合わせて\(y\)の値も決まります。
つまり、関数の式は\(x\)が変わったときの\(y\)の変わり方のルールを表しているわけです。
一次関数の式から\(x\)、\(y\)を求める方法
\(x\)や\(y\)を求めたいときは、与えられた\(x\)、\(y\)を関数の式に代入します。
それぞれ、表にまとめると次の図のようになります。
求めたいもの | 問題文から読み取るもの | 操作 |
---|---|---|
\(y\) | \(x\)、関数の式 | 関数の式に\(x\)を代入 |
\(x\) | \(y\)、関数の式 | 関数の式に\(y\)を代入 |
それぞれ、例で見てみましょう。
一次関数の式から\(x\)・\(y\)を求める(条件が数字の場合の例題)
一番オーソドックスで求めやすい形です。
変化の割合など、この単元の学習の説明にもよく登場します。
例題1(\(y\)の求め方)
一次関数\(y=-2x-3\)で\(x=-2\)のときの\(y\)の値は?
<解説>
関数の式\(y=-2x-3\)に\(x=-2\)を代入する。
\(y=-2 \times ( -2)-3=1\)
例題2(\(x\)の求め方)
一次関数\(\displaystyle y=- \frac{1}{2} x+2\)で\(y=4\)のときの\(x\)の値は?
<解説>
関数の式\(\displaystyle y=- \frac{1}{2} x+2\)に\(y=4\)を代入する。
\(\displaystyle 4=- \frac{1}{2} x+2\)
\(\displaystyle – \frac{1}{2} x=-2\)
\(x=4\)

教えていたときだと、\(y\)の求め方を思いつかない人が多かったです。
一次関数の式から\(x\)・\(y\)を求める(条件が文字の場合の例題)
最初に与えられた条件が文字でも、計算の方法は同じです。
応用問題の途中計算で出てくることが多いです。
例題3(与えられた条件が文字の場合)
一次関数\(y=2x-2\)で\(y=a\)のときの\(y\)の値は?
<解説>
一次関数\(y=2x-2\)に\(y=a\)を代入する
\(a=2x-2\)
\(-2x=-a-2\)
\( \displaystyle x = \frac{1}{2}a+1\)

実は、\(y\)を求める計算では何気なく方程式を使っています。
自分では実感がないかもしれませんが、学年が進んでもちゃんと理解できるのは、今までしっかり学習できている証拠なんです。
一次関数の式から\(x\)・\(y\)を求める(グラフの場合の例題)
グラフ上でもやっぱり求め方は同じです。
入試の関数の問題で、途中の小問として出ることが多いです。
例題4(グラフ上での扱い)
点P\((2,a)\)は直線\(y=2x-3\)上を通る。
\(a\)の値は?

<解説>
グラフは、関数の式を満たす点の集まりです。
だから、グラフが点Pを通る場合、\(x\)座標、\(y\)座標を関数の式に代入しても、式は成立します。
グラフの式\(y=2x-3\)に\(x=2\),\(y=a\)を代入して
\(a=2 \times 2 -3 = 1\)
「グラフが関数の式を満たす点の集まりである」という内容については関数の読み方の記事を参考にしてください。
おわりに
\(x\)、\(y\)を求めたいときは、関数の式に与えられた値を代入してください。
いろいろな出題のされ方はありますが、方法は同じです。
この計算は、高校受験や、高校の学習でも、何度も繰り返し出てきます。
慣れるまで大変だとは思います。
でも、焦らず一歩ずつ確認していけば大丈夫です。
がんばってください。
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