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【中2数学】もう間違えない!一次関数の変化の割合、表でわかる増加量の正しい計算手順

中2の関数(一次関数)

「変化の割合の計算、いまいち整理できない」
そんなふうに感じたことはありませんか?

変化の割合の計算では、「変化前」と「変化後」を整理して、それぞれの増加量を求める必要があります。
やることが意外と多く、頭の中だけで考えると混乱してしまうこともありますよね。

こうした“前後の値を比べる”タイプの問題では、表を使って整理するとスッキリ解けることが多いです。

この記事では、変化の割合の問題を表で整理する方法を、例題付きでわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 変化の割合の確実な計算の方法がわかる

【関連記事】

  • 変化の割合やその公式の意味に自信がない方はこちら
    変化の割合は、意味と考え方がわかれば、公式を覚えなくても大丈夫です。
    詳しくはこちらの記事で解説しているので、変化の割合に苦手意識のある方は、まずこちらの記事をお読みください。
    👉意味を理解して脱暗記!変化の割合の意味と公式

変化の割合の意味と公式(前提知識の確認)

変化の割合は\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合のこと

変化の割合の意味:
\(x\)が1増えたときに\(y\)がどれだけ増えたかのこと

変化の割合の公式:
\( \displaystyle \text{変化の割合}= \frac {\text{yの増加量}}{\text{xの増加量}}\)

この知識を使って、問題を考えていきます。

変化の割合の計算って表を使ったらどうやって整理できる?

変化の割合の表を使った整理の手順

  • 変化の割合を求めるときは、\(x\)、\(y\)の変化前、変化後を整理
    横の行に\(x\)、\(y\)縦の列に変化前、変化後、増加量を書く
  • (増加量)=(変化後の値)-(変化前の値)

変化の割合の表を使った整理方法を具体例で確認

変化の割合の問題では、表を使って\(x\)と\(y\)の変化前・変化後を整理すると分かりやすいです。

たとえば、点(-1, 13)から点(4, 3)に変化したときの変化の割合を計算する場合を考えます。

まず、横の行に\(x\)、\(y\)、縦の列に変化前、変化後、増加量を書いた表を作成します。
(下図参照)

変化前変化後増加量
\(x\):-145
\(y\):133-10

次に、この表に与えられた条件を書き入れます。

変化前の点が(-1, 13)
⇒変化前の\(x=-1、y=13\)

変化後の点が(4, 3)
⇒変化後の\(x=4、y=3\)

なので、条件を書きこむと下図のようになります。

変化前変化後増加量
\(x\):-14
\(y\):133

次に、増加量を計算します。
増加量の値は(変化後の値)-(変化前の値)です。

\(x\)の増加量:
4-(-1)=5

\(y\)の増加量:
3-13=-10

符号を考えて、引く順番を変えようとする人がときどきいますが、混乱のもとになるので、「後-前」で徹底してください。

変化前変化後増加量
\(x\):-145
\(y\):133-10

よって、変化の割合は
-10 ÷ 5 = -2


変化の割合に限らず、何かを比較したいときは、表を使うととても考えやすくなりますよ。

変化の割合の求め方を例題で解説

例題1(増加量を計算して変化の割合を求める)

点(3, 6)から点(1, 12)に変化したときの変化の割合は?

【解説】

\(x\)、\(y\)の表を作成すると、下図のようになる。

変化前変化後変化の割合
\(x\):31-2
(=1-3)
\(y\):6126
(=12-6)

変化の割合は
6 ÷ (-2) = -3


例題2(一次関数の変化の割合を求める問題)

一次関数\(y=2x-3\)において、\(x\)が-1から4まで増加するときの変化の割合は?

【解説】

例題1と違い、例題2では\(x\)の値しかわかっていません。
そのため、まず\(y\)の値を計算する必要があります

\(x=-1\)を\(y=2x-3\)に代入して
\(y=2 \times (-1) -3 =-5\)

\(x=4\)を\(y=2x-3\)に代入して
\(y=2 \times 4 -3 =5\)

変化前変化後増加量
\(x\):-145
(=4-(-1))
\(y\):-5510
(=5-(-5))

変化の割合は
10 ÷ 5 = 2

変化の割合の計算の思考ロジック

変化の割合の計算⇒\(x,y\)の増加量が必要⇒\(x,y\)の計算が必要」という考え方を身に付けてください。

特に例題2のような問題では、考える量が多く、求めたいものから逆算しないと、方針が決まりにくいです。

解説を読んで、「書いてあることはわかるけど、自分では解けない」という方は、おそらく考え方の順序が身についていないのだと思います。

こちらの記事で、変化の割合の問題を考える順序についてまとめています。
どう考えるか、どこから考えるかについて詳しくまとめたので、ぜひ読んでみてください。
👉もう迷わない!逆算思考で考える変化の割合の計算順序

おわりに

今回は、「変化の割合」を表で整理しながら考える方法について解説しました。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、考える順番を身につけて、表を使って条件を整理できるようになれば、必ず解けるようになります。
「どの数どうしを比べればいいのか」を意識できるようになると、計算の意味もはっきりして、問題の見通しがぐっとよくなります。

また、表で前後の変化を比べる力は、数学だけでなく、いろいろな場面で役に立ちます。
焦らずに、まずは1つ1つの考え方を丁寧に整理していきましょう。
少しずつでも確実に、考える力がついていきます。

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