「関数の式の求め方がいまいちわからない」
そんな経験ないですか。
高校入試では、関数の式を求める問題がほぼ毎年出ます。
中1の比例・反比例、中2の一次関数、中3の二次関数――。
学年ごとに分かれて学ぶので、つながりをつかみにくい人も多いです。
でも実は、考え方の流れはどれも同じ。
まとめて整理すれば、得点しやすい範囲です。
今回は、比例・反比例・一次関数・二次関数の式の求め方をまとめて解説します。
関数の式|求め方の流れ
どんな関数であっても、関数の式は次の手順で求められます。
- 関数の式を一般形でおく
- ①でおいた式に、与えられた\(x\)、\(y\)を代入する
関数によって違うのは、①の「一般形の置き方」だけです。
だから、ここがしっかり整理できれば、関数の式の求め方で迷うことはなくなると思います。
関数の式|関数ごとの一般形
関数の式の一般形は、次の表の通りです。
関数の種類 | 一般形 | 備考 |
---|---|---|
比例 | \(y=ax\) | 「原点を通る直線」という言い方もある。 |
反比例 | \(\displaystyle y = \frac{a}{x}\) | 分母・分子の位置に注意。 |
一次関数 | \(y=ax+b\) | 条件の与えられ方で3パターンある。 |
二次関数 | \(y=ax^2\) | 中3の範囲で取り扱うのは、\(x\)の2乗に比例する関数のみ。 |

この表は覚えなくても大丈夫です。
頭の中を整理して、問題を解いていけばできるようになってきます。
関数の式|解き方の選択方法
求め方の流れと、関数ごとの一般形を踏まえると、関数の式の求め方は次の通りになります。
- 「比例する」「原点を通る直線」
⇒\(y=ax\)を立てて\(a\)を求める - 「反比例する」
⇒\(\displaystyle y = \frac{a}{x}\)を立てて\(a\)を求める - 「一次関数」「直線」
- 通る2点がわかる場合
⇒\(y=ax+b\)を立てて2点を代入 - 傾きと通る1点がわかる場合
⇒\(y=ax+b\)に傾きを代入して\(b\)を求める - 切片と通る1点がわかる場合
⇒\(y=ax+b\)に切片を代入して\(a\)を求める
- 通る2点がわかる場合
- 「\(x\)の2乗に比例する」
⇒\(y=ax^2\)を立てて\(a\)を求める
関数の式|求め方を例題で見てみよう
例題1|比例
\(y\)は\(x\)に比例する。
\(x=3\)のとき\(y=6\)であるとき、\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
解説
\(y\)は\(x\)に比例するので、一般形は
\(y=ax\)
とおける。
これに\(x=3\)、\(y=6\)を代入して
\(6=3a\)
\(a=2\)
よって、求める式は
\(y=2x\)

他には、「点(3,6)を通り、原点を通る直線の式を求めよ」のような問題や、グラフと通る点を図に描いてある問題もあります。
例題2|反比例
\(y\)は\(x\)に反比例する。
\(x=3\)のとき\(y=1\)であるとき、\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
解説
\(y\)は\(x\)に反比例するので一般形は
\( \displaystyle y=\frac{a}{x}\)
とおける。
これに\(x=3\)、\(y=1\)を代入して
\( \displaystyle 1=\frac{a}{3}\)
\(a=3\)
よって、求める式は
\( \displaystyle y=\frac{3}{x}\)
例題3|一次関数(2点が与えられている)
2点(2,4),(6,-8)を通る直線の式を求めなさい。
解説
直線の式なので、一般形は
\(y=ax+b\)
とおける。
これに\(x=2\)、\(y=4\)と\(x=6\)、\(y=-8\)を代入して
\(4=2a+b\)…①
\(-8=6a+b\)…②
①-②
\(12=-4a\)
\(a=-3\)
①に\(a=-3\)を代入して
\(4=-6+b\)
\(b=10\)
よって、求める直線の式は
\(y=-3x+10\)
例題4|一次関数(傾きがわかっている)
点(-2,3)を通り\(y=-2x+1\)を求めなさい。
解説

2直線が平行
=2直線の傾きが等しい
\(y=-2x+1\)に平行
⇒求める直線の傾きは-2
よって求める直線は
\(y=-2x+b\)
とおける。
これに\(x=-2\)、\(y=3\)を代入して
\(3=4+b\)
\(b=-1\)
よって求める関数の式は
\(y=-2x-1\)

他には「傾きが2のとき」「変化の割合が2のとき」のような条件のときもあります。
例題5|一次関数(切片がわかっている)
点(3,7)を通り切片が1の直線を求めなさい。
解説
切片が1の直線の一般形は
\(y=ax+1\)
とおける。
これに\(x=3\)、\(y=7\)を代入して
\(7=3a+1\)
\(3a=6\)
\(a=2\)
よって求める直線の式は
\(y=2x+1\)
例題6|二次関数
\(y\)は\(x\)の2乗に比例する。
\(x=2\)のとき\(y=8\)であるとき、\(y\)を\(x\)の式で表しなさい。
解説
\(y\)は\(x\)の2乗に比例するので、一般形は
\(y=ax^2\)
とおける。
これに\(x=2\)、\(y=8\)を代入すると
\(8=4a\)
\(a=2\)
よって、求める式は
\(y=2x^2\)
おわりに
今回の記事は、関数の式の決定についてでした。
関数の式の決定は
- 関数の式を一般形でおく
- ①でおいた式に、与えられた\(x\)、\(y\)を代入する
の手順で求められ、最初の一般形の置き方を整理しておくと、ほぼすべての問題が解けるようになります。
関数の式がスムーズに立てられるようになると、入試の大問でも一気に得点源になります。
「式を立てる→代入する」という流れを体にしみこませておきましょう!
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