「変化の割合、解き方はわかったけど何か解けない」
そんなこと思っていませんか?
一次関数の定期テストで、ほぼ必ず出てくる「変化の割合」ですが、「解答を読んで理解もできるのに、なぜか解けない」という人は多いです。
この記事では、変化の割合の問題の、「考える順番」、「ミスしやすいところ」を整理して、「理解できるのに解けない」を解決していきます。
- 変化の割合の公式
- 変化の割合の問題を考える順序
- 変化の割合の計算での頻出ミスとその対策
- 一次関数の傾き\(a\)と変化の割合の関係
一次関数、変化の割合の問題を例題で確認しよう
まず例題を確認して、どこを意識しながら演習するとよいのかを見てみましょう。
例題
一次関数\(y=4x-1\)について、\(x\)の値が2から5に変化するときの変化の割合を、次の公式を用いて計算しなさい。
\( \displaystyle \text{変化の割合} = \frac{ \text{yの増加量}}{ \text{xの増加量}} \)
- 【方針】
-
- 変化の割合の計算には\(x,y\)の増加量が必要
- 増加量計算には\(x,y\)の値が必要
- \(y\)の値がわからないので、関数の式と\(x\)の値から計算する
- 【解答】
-
- \(y\)の計算
-
\(x=2\)のとき\(y=4 \times 2 -1 =7\)
\(x=5\)のとき\(y=4 \times 5 -1 =19\)
- 増加量の計算
-
\(x,y\)の変化を表にまとめると
変化前 変化後 増加量 \(x\) 2 5 3
(=5-2)\(y\) 7 19 12
(=19-7) - 公式から変化の割合を計算
-
\(\displaystyle \text{変化の割合} = \frac{ \text{yの増加量}}{ \text{xの増加量}} \)
を用いて計算すると
\(\displaystyle \text{変化の割合} = \frac{12}{3} = 4 \)
一次関数で、変化の割合ってどうやって演習すればいい?
変化の割合では、次のポイントを押さえながら演習するとよいです。
【変化の割合の演習のポイント】
- 公式
-
\{ \text{変化の割合} = \frac{ \text{yの増加量}}{ \text{xの増加量}} \}
※増加量=後の値-前の値
- 基本の考え方
-
解答の順番ではなく、公式を使うのに必要な情報から逆算すると考えを整理しやすい
- ミスしやすいポイントと対策
-
増加量の計算をするときの符号ミスが多い
⇒表の活用と、「増加量=後-前」の徹底でミスを減らせる
変化の割合の公式
変化の割合は、「\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合」です。
言い換えると「\(x\)が1増えたときに\(y\)がいくつ増えたか」のことです。
そのため、「\(y\)の増えた量」を「\(x\)の増えた量」で割ると、変化の割合が求められます。
これを式で表すと、次のように表されます。
\{ \text{変化の割合} = \frac{ \text{yの増加量}}{ \text{xの増加量}} \}

変化の割合のイメージをつかみづらい場合は、もう少しかみ砕いて解説したこちらの記事をご覧ください。
👉変化の割合とは?公式の意味を例題付きでくわしく解説
変化の割合の問題での考えの整理方法
変化の割合の問題では、
- \(y\)の値
- \(x,y\)の増加量
- 変化の割合
の順に計算していきます。
でも、これを手順として覚えようとすると「何のために」計算しているかが見えづらく、なかなか覚えられません。
また、順番で覚えると、条件が変わったときに応用しにくいです。
演習するときは「変化の割合を求めるために必要なもの」から逆算して、どんな計算をするのか確認するとよいです。
具体的には、次の順で考えることを基本にするとうまくいきやすいです。
- 変化の割合の計算には\(x,y\)の増加量が必要
- 増加量計算には\(x,y\)の値が必要
- \(y\)の値がわからないので、関数の式と\(x\)の値から計算する



「逆算の考え方って何?」と思った方はこちらの記事をお読みください。
数学で必須の考え方なので、使えるようになると解法の見え方が変わってきますよ。
👉数学が『わかるのに解けない』人へ|逆算思考で変わる考え方【数学のコツ】
変化の割合での計算ミスはほとんどが増加量の計算
増加量の計算は、「変化後の値-変化前の値」で計算できます。
例題では、\(x\)が2から5に変化しているので、
- 変化前:2
- 変化後:5
として計算します。
この増加量の計算でミスをしやすいのが、「変化後の方が減っている」、「変化前が負の数」の2パターンです。
変化後の方が減っている場合
- 変化前:5
- 変化後:2
のようなときです。
\(2-5 = -3\)
と計算できるので、「増加量は-3」と考えるのが正しいです。
しかし、「増加量」と呼ぶので、増えるものと考えてしまい引く順番を変えて、
\(5-2 = 3\)
と計算して「増加量は3」と考えてしまうミスはよく見かけます。
ケースバイケースで考えず、引く順番を「後-前」と固定して考えるとミスしにくくなります。
変化前が負の数の場合
- 変化前:-2
- 変化後:5
のようなときです。
\(5-(-2)=7\)
と計算して増加量7とするのが正しいです。
これも、何となくで計算して
\(5-2=3\)
と計算する人はよくいます。
引く順番を固定することに加えて、負の数を引くときはカッコをつけるようにするとミスしにくくなります。
変化の前後を比較するときは表が有効
変化の前後の比較をするときは、表を書くとうまく変化を整理することができます。
頭で数字を覚えておく必要がなくなるので、考える余裕ができてミスも減ります。



具体的な表の使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉一次関数、変化の割合の計算!表を使った計算の工夫
なぜ傾き\(a\)が変化の割合とわかっているのにこんな計算をするの?
変化の割合は、どの関数でも使う考え方
傾き\(a\)と一致するのは一次関数だけ
一次関数では\(y=ax+b\)の\(a\)が変化の割合になっています。
そのため、「なぜこんな計算をするのかわからない」という声をよく聞きます。
「変化の割合」は一次関数のみでなく、すべての「関数」で使う考え方で、どのように\(y\)の値が変化しているのかをとらえるための道具です。
それが一次関数のときは\(a\)と同じになっているのです。
そのため、「変化の割合の求め方」は、「一次関数の変化の割合は傾きと同じ」とは別に習得しておく必要があるのです。
一次関数|変化の割合の演習
演習1
点(1, 5)から点(4, 7)に変化したときの変化の割合を求めなさい。
解説
- 【方針】
-
- 変化の割合の計算には\(x,y\)の増加量が必要
- 増加量計算には\(x,y\)の値が必要
- 問題文で\(x,y\)の値が与えられているので増加量計算から始める
- 【解答】
-
変化前後の\(x\)、\(y\)の表を書いて考える。
変化前 変化後 増加量 \(x\) 1 4 3
(=4-1)\(y\) 5 7 2
(=7-5)\( \displaystyle \text{変化の割合}=2 \div 3 =\frac{2}{3} \)
演習2
点(-2, -1)から点(1, -10)に変化したときの変化の割合を求めなさい。
解説
- 【方針】
-
- 変化の割合の計算には\(x,y\)の増加量が必要
- 増加量計算には\(x,y\)の値が必要
- 問題文で\(x,y\)の値が与えられているので増加量計算から始める
- 【解答】
-
変化前後の\(x\)、\(y\)の表を書いて考える。
変化前 変化後 増加量 \(x\) -2 1 3
(=1-(-2))\(y\) -1 -10 -9
(=(-10)-(-1))\( \displaystyle \text{変化の割合}=-9 \div 3 = -3 \)
- 【注意点】
-
増加量計算に「-(負の数)」の計算が出てくるので、「後-前」、「カッコをつける」を意識する
演習3
一次関数\(y=4x-1\)について、\(x\)の値が2から5に変化するとき、それぞれ次の値を求めなさい。
1)\(x\)の増加量
2)\(y\)の増加量
3)変化の割合
解説
- 【方針】
-
誘導も小問がついていても、全体の方針確認からはじめる
基本的にこの流れに小問があるので全体の見通しがよくなる- 変化の割合の計算には\(x,y\)の増加量が必要
- 増加量計算には\(x,y\)の値が必要
- \(y\)の値がわからないので、関数の式と\(x\)の値から計算する
- 【解説】
-
1)
「後-前」で考える。
5-2 = 32)
\(y\)の増加量を計算するためには、\(x\)の値に対応する\(y\)の値が必要\(x\)=2のとき\(y\)=7
\(x\)=5のとき\(y\)=19よって\(y\)の増加量は
19-7=123)
変化前後の\(x\)、\(y\)の表を書いて考える。変化前 変化後 増加量 \(x\) 2 5 3
(=5-2))\(y\) 7 19 12
(=19-7)\( \displaystyle \text{変化の割合}=12 \div 3 = 4 \)
一次関数の変化の割合の求め方のまとめ
今回の記事のまとめは以下の通りです。
- 変化の割合は\(x\)が1増えたときの\(y\)の増加量
- 変化の割合を求めるために必要なものから逆算して方針を立てる
- 増加量は「後-前」、順番は変えない
- 増加量計算で負の数を引くときはカッコをつける
- 表を使うと考えを整理しやすい
- 変化の割合は一次関数専用の考えではないので、求め方は別で身に付ける



今回の記事はここまでです。
何のために勉強しているかわかりづらかったり、手順が少し長かったりするので、身に付けるのに少し時間がかかる範囲です。
でも、どんな問題でも基本は変わらないので、考え方を確認しながら反復すれば、だんだんできるようになってきますよ。
次の記事では、一次関数のグラフで、傾き、切片がグラフ上でどういう役割を果たすのかについてまとめました。
一次関数のグラフの読み描きの基本になるので、ぜひ読んでみてください。
👉一次関数のグラフ!傾きa、切片bのグラフ上での役割を知ろう


コメント