方程式、速さの文章題③|xの置き方が工夫できる問題【中1数学】

「何分かかるかって聞かれているのに、道のりを\(x\)mっておくの?」
そんな経験ないですか?

方程式の問題では、最後に聞かれているものを\(x\)とおくのがセオリーです。
ただ、問題によっては、それ以外のものを\(x\)でおいた方が計算や立式が楽なことがあります。

今回の記事では、速さの文章題で\(x\)の置き方を工夫できる問題について、例題付きで解説していきます。

この記事でわかること
  • \(x\)の置き方を工夫できる問題の見分け
  • 速さの文章題で\(x\)を「きょり」でおく解き方
  • 速さの文章題で\(x\)を「時間」でおく解き方
  • どちらの\(x\)の置き方が計算しやすいか
  • 方程式を解いた後に注意すること

速さの文章題は、「方程式を立てるステップを分割して考えること」、「何についての等式かを考える」の2つを定着させると、理解が進みます。
速さの文章題に自信のない方は、まずこちらをお読みください。
👉方程式、速さの文章題①|ステップ分割と「何についての式か」で考える立式のコツ【中1数学】

目次

\(x\)の置き方が工夫できる方程式の文章題の見分け方

\(x\)の置き方を工夫できる問題には、次のような特徴があります。

文章中に「等しい関係」が2つ出てくる問題は、\(x\)の置き方を工夫できる

等しい関係が1つしかない問題では、立てられる等式も1つなので、\(x\)の置き方に工夫の余地はありません。
等しい関係が2つあるとき、どちらの関係を使って等式を立てるかを選べるため、工夫の余地が生まれます。

では、次で実際の例題を見ていきます。

速さの文章題での\(x\)の置き方の工夫

例題

Aさんの家から学校まで900mある。
Aさんは、家からP地点までを分速60mで歩き、P地点から学校までを分速100mで走った。
歩いた時間と走った時間の合計は11分だった。
このとき、P地点から学校までの道のりを求めなさい。

等しい関係が2つある速さの問題では、時間を文字におく方が計算は楽になることが多い

この問題には、等しい関係が2つあります。

  • 「家から学校までが900m」
    → きょりについての等しい関係
  • 「歩いた時間と走った時間の合計は11分」
    → 時間についての等しい関係

どちらの関係でも等式を立てられるため、\(x\)の置き方を工夫できます。

きょりを\(x\)とおいて解くとどうなる?

①文字でおく

P地点から学校までの道のりを\(x\)mとおきます。
(求めるよう指示されたものを直接xとおきました)


②等しい関係を見つける

問題文中に、等しい関係は次の2つがあります。

  • 「家から学校までが900m」
  • 「歩いた時間と走った時間の合計は11分」

きょりを\(x\)とおいているので、速さときょりから時間を表すことができます。
そのため、時間についての等しい関係「歩いた時間と走った時間の合計は11分」を使います。


③等しい関係を言葉を使った式で表す

「歩いた時間と走った時間の合計は11分」を式にすると、次のかたちになります。

(歩いた時間)+(走った時間)=11分


④条件を整理する

時間についての式を立てるので、次の関係を使います。

\(\displaystyle \text{時間}=\frac{\text{きょり}}{\text{速さ}}…(A)\)

歩いた区間、走った区間の情報を整理すると次のようになります。

  • 歩いた区間
    • きょり:\((900-x)\)m
    • 速さ:分速60m
    • 時間:\(\displaystyle \frac{900-x}{60}\)分
  • 走った区間
    • きょり:\(x\)m
    • 速さ:分速100m
    • 時間:\(\displaystyle \frac{x}{100}\)分

歩いたきょりは、合計900mから走ったきょり\(x\)mを引いた\((900−x)\)mです。
時間は、きょり、速さを(A)の式に代入して表しています。


⑤日本語の式を文字にする

③の式に④でまとめた値を当てはめると

\[ \frac{900-x}{60}+\frac{x}{100}=11\]

という等式をつくることができました。


この式を解くときは、分数をなくすため、60と100の最小公倍数である300を両辺にかけます。

\[ (\frac{900-x}{60}+\frac{x}{100}) \times 300 =11 \times 300 \]

\[ 5(900-x)+3x=3300 \]

\[ 4500 -5x+3 =3300 \]

\[ -2x =3300-4500 \]

\[ -2x =-1200 \]

\[ x = 600 \]

よって、走った距離は600mです。

時間を\(x\)とおいて解くとどうなる?

P地点から学校まで走った時間を\(x\)分とおきます。

さっきとは逆に時間を文字で置いているため、きょりの関係である「家から学校までが900m」を使います。
すると、式は次のように表すことができます。

(歩いたきょり)+(走ったきょり)=900m

\(\text{きょり}=\text{速さ} \times \text{時間}\)

なので、速さ、時間、きょりについて整理すると

  • 歩いた区間
    • 速さ:分速60m
    • 時間:\((11-x)\)分
    • きょり:\(60(11-x)\)m
  • 走った区間
    • 速さ:分速100m
    • 時間:\(x\)分
    • きょり:\(100x\)m

以上から、等式は

\[60(11-x)+100x=900\]

と表すことができました。


これを解くと

\[60(11-x)+100x=900 \]

\[ 660-60x+100x = 900 \]

\[ 40x = 900-660 \]

\[40x = 240 \]

\[ x = 6\]

と求めることができます。
先ほどの分数の計算と比べると、計算しやすいことがわかります。

ここで注意してほしいのが、\(x\)はもともと走った時間を表したものです。
そんため、この解が意味するのは、「走った時間が6分だった」ということです。

しかし、問題で聞かれたのは、「走ったきょり」です。
条件整理のときに、走ったきょりは\(100x\)mと表してあるため、これに\(x\)を代入すると、走ったきょりは600mとなります。

どんな問題でも、\(x\)を求めた後に、何を聞かれたかを確認する習慣をつけるといいですよ。

\(x\)の置き方が工夫できる速さの文章題のまとめ

今回の内容をまとめると、次の通りです。

  • 等しい関係が2つ出てくる式は\(x\)の置き方を工夫しやすい
  • 速さの問題では、「きょり」、「時間」のどちらの等しい関係もある場合は、「時間」を文字で置いて、「きょりについての式」を立てると計算が楽
  • 方程式の文章題では\(x\)を出した後に、何を聞かれていたか確認する習慣をつける

今回の記事はここまでです。

難しく感じても、意味を確認しながら繰り返せば必ず解けるようになります。
ここまでできれば、方程式の文章題の土台はバッチリです。

次の記事では、よく出る「追いつく」という表現の読み替え方について説明しています。
難しくはないですが、
👉方程式、速さの文章題④|「追いつく」問題の等式の立て方【中1数学】

← 一つ前のページに戻る

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次