「速さの文章題、何か苦手…」
そんなこと思っていませんか?
ぼくが塾講師をしていたころ、10人いれば8~9人ぐらいは速さの文章題を苦手と言ってました。
この大きな理由は「きはじ」のイメージが強すぎること。
多くの生徒は、本来は「何についての式か」を整理すればいい場面なのに、「速さ×時間だっけ?距離÷速さだっけ?」から考えていました。
要するに、考えなくてもいいタイミングで、考えなくてもいいことを考えようとして、考えを整理できなくなってしまっていたのです。
今回の記事では、例題をもとに、速さに関する問題の考えの整理の仕方を解説していきます。
速さに関数文章題のコツ
速さに関する文章題では、次の2つのことを気をつけておくだけで、式が立てやすくなります。
それぞれ、どういうことか解説していきます。
速さの文章題、「きはじ」使うのはいつ?
方程式を立てるときに踏むべきステップの一例です。
方程式の解説では毎度掲載していますが、それぐらいステップ分割は大事です。
「きはじ」の関係、つまり速さ、距離、時間の変換を行うのは、このステップの④⑤です。
多くの生徒が、速さといえば「きはじ」と考えて、速さの文章題を見た瞬間に手を止めてしまいますが、実は真っ先に考えるべきことではないのです。

等式を立てる手順の分割については過去記事で解説しています。
方程式の文章題の基本になるので、まだの方はまずこちらをお読みください。
👉方程式の文章題、どこから考える?式の立て方を5ステップで整理【数学の考え方】
速さの文章題で「何についての式か」を考えると、どういう意味がある?
「何についての式か」を考えるのは、等式を立てるときにとても重要なポイントです。
等式は、左右が必ず同じものを表しているため、一言で「○の式」と表すことができます。
どういう計算をするかは、目的によって変わるので、この「何についての式か」を意識しておくと、どう計算すればよいのかがはっきりするのです。
また、「速さについての文章題」とは言いますが、実際には「きょりについての式」か「時間についての式」を扱うことがほとんどです。
速さについての文章題で、何についての式が意識できていれば
- 「AさんとBさんが同じきょりを歩いた」
→きょりについての式
→(きょり)=(速さ)×(時間) - 「地点Aから地点Bを通って地点Cまで行くのに30分かかった」
→時間についての式
→(時間)=(きょり)÷(速さ)
といったように、使う関係が自然に決まりやすいのです。
このように、使う式が絞れると、「きはじ」の関係のうちどれを使うのか迷いながら考えるよりも、はるかに考えを整理しやすくなるのです。

「何についての式か」を考えることについては過去記事で解説しています。
こちらも方程式の文章題の基本になるので、まだの方はぜひ読んでみてください。
👉方程式を立てるコツ|「何についての等式か」を意識して過不足を攻略【中1数学】
速さに関しての文章題の例題で実践してみよう
例題1(きょりに関する文章題)
分速40mである歩き、途中から分速100mで12分走った。
合計の道のりが1800mだったとき、分速40mで歩いた時間は何分か。
【解説】
ステップ①求めるものを\(x\)でおく
歩いた時間を\(x\)分とする。
ステップ②等しい関係を見つける
「合計の道のりが1800m」とあるので、ここを等式にします。

実際は、問題文に線を引くといいですよ。
ステップ③関係を日本語のまま式にする
ステップ②の文章から「○=1800m」というゴールをイメージしてください。
すると、これが「距離(m)」についての式だとわかります。
歩いた距離(m)+走った距離(m)=1800m
という等式が作れます。

次の記事の内容にもかかわりますが、何についての等式か考えるときは、単位を含めて考えるようにしてください。
ステップ④必要な数や条件を整理する
「きょり」についての式なので、次の関係を使います。
きょり = 速さ × 時間
そのため、「速さ」「時間」の情報を、文章から読み取って、「きょり」を文字で表します。
- 歩いた区間
- 速さ:分速40m
- 時間:\(x\)分
- きょり:\(40x\)m
- 走った区間
- 速さ:分速100m
- 時間:12分
- きょり:1200m
ステップ⑤日本語の式を数式に直す
③の式に、④で整理した情報を当てはめて
\(40x+1200=1800\)
という方程式を立てることができます。
あとはこの方程式を解いて
\(40x+1200=1800 \\ 40x =1800-1200 \\ 40x = 600 \\ x =15\)
よって、歩いた時間は15分となります。
例題2(時間に関する文章題)
Aさんは、自宅から学校まで行くのに、自宅から300mの地点までを分速60mで、残りの道のりを分速100mで歩いたところ、15分かかった。
Aさんの自宅から学校までは何mあるか。
【解説】
①~②
Aさんの自宅から学校までを\(x\)mとする
「自宅から300mの地点までを分速60mで、残りの道のりを分速100mで歩いたところ、15分かかった」の部分を等式にします。
③
これも「15分かかった」とあるので、「◯=15分」となるイメージを持ってください。
これは、「時間(分)」についての式を立てます。
自宅から途中までの時間(分)+ 途中から学校までの時間(分)=15分
という式を立てることができます。
④
時間についての式なので
\(\displaystyle \text{時間} = \frac{\text{きょり}}{\text{速さ}}\)
の関係を使います。
自宅から途中まで、途中から学校までについて、それぞれ「速さ」「きょり」「時間」についてまとめます。
- 自宅から途中まで
- 速さ:分速60m
- きょり:300m
- 時間:5分(=\(\displaystyle \frac{300}{60}})
- 途中から学校まで
- 速さ:分速100m
- きょり:\(x-300\)m
全体の距離が\(x\)mで、自宅から途中までの距離が300mなので、その残りは\(x-300\)mと表せる - 時間:\(\displaystyle \frac{x-300}{100}\)
⑤
③の式に、④で整理した情報を当てはめて
\(\displaystyle 5+\frac{x-300}{100}=15\)
という方程式を立てることができます。
あとはこの方程式を解いて
\(\displaystyle 5+\frac{x-300}{100}=15\\ \displaystyle \frac{x-300}{100} =10 \\ (x-300)=1000 \\ x = 1300\)
よって、家から学校までは1300mとなります。
速さについての文章題のまとめ
速さの文章題を考えるときは、以下のポイントに注意すると、整理して式を立てることができます。
- ステップ分割する
- 「何についての等式か」を意識して計算の選択肢を絞る。
- 立てる式は「きょりについての等式」、「時間についての等式」のどちらかがほとんど
- 「きはじ」について考え始めるのは条件整理のタイミング

今回の記事はここまでです。
数学全てに言えることですが、大事なのは問題を解き始める前に、まず「整理」をすることです。
条件を整理できるようになると、だんだん速さの文章題への苦手意識もなくなっていきますよ。
次の記事では、単位変換が必要な場合に、どこで単位について考えるとすっきり整理できるかについて解説しています。
👉方程式、速さの文章題②|「m、km、分、時間」単位が混ざる問題の攻略【中1数学】

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