速さの文章題で「単位がバラバラ」な問題に出会ったとき、どう対処していますか?
「kmとmが混ざってる…どっちに合わせればいい?」「時間と分が両方出てきた…」と混乱してしまう人も多いと思います。
でも実は、単位変換が必要な問題でも、基本的な考え方は変わりません。
前回学んだ「ステップ分割」と「何についての式か」を意識するだけで、単位が混ざっていても落ち着いて解けるようになります。
この記事では、単位変換が絡む速さの文章題を例題で丁寧に確認しながら、よくある間違いのパターンと、単位ミスを防ぐ具体的な工夫を紹介します。
単位変換が必要な速さの文章題で気をつけるポイント
速さの文章題で意識すべきポイントは、ステップを分割することと、式を立てるときに目的意識を持つことです。
ステップを分割すると、どこで間違えやすいかを切り分けることができます。
単位を考えるのは、主に日本語の式を考えるステップ③以降です。
ステップ③で、等式を考える際「単位も含めて、何についての等式」を立てているのかを意識できれば、どの数をどう単位変換すればよいかが見えてきます。
また、ステップ④で条件を整理する際の計算ミスも増えるため、ここも注意が必要になってきます。

基本的な考え方は前回記事と同じです。
前回は「速さの文章題でどう考えるか」という順序に焦点を当てました。
今回はそこに単位換算が加わった場合でも、考え方は変わらないことを確認します。単位に注意が必要か毎回判断するのではなく、常に単位を意識する習慣を身につけることが目標です。
単位変換が必要な速さの文章題を例題で確認
例題1(距離の式を立てる問題)
分速40mで歩き、途中から分速100mで12分走ったところ、合計の道のりは2kmでした。
分速40mで歩いた時間は何分か。
【解説】
ステップ①求めるものを\(x\)でおく
歩いた時間を\(x\)分とする。
ステップ②等しい関係を見つける
「合計の道のりは2km」とあるので、ここを等式にします。
ステップ③関係を日本語のまま式にする
ステップ②の文章から「○=2km」というゴールをイメージします。
ただ、速さの条件が「分速40m」なので、この速さを使って計算すると出てくるきょりは「m」です。
そのため、「km」を「m」に変換します。
すると
2km=2000m
なので、「○=2000m」というゴールにイメージし直します。
そして、歩いたきょりと走ったきょりの合計が2000mなので
歩いたきょり(m)+走ったきょり(m)=2000m
という等式が作れます。

ステップ④必要な数や条件を整理する
「きょり」についての式なので、次の関係を使います。
きょり = 速さ × 時間
そのため、「速さ」「時間」の情報を、文章から読み取って、「きょり」を文字で表します。
- 歩いた区間
- 速さ:分速40m
- 時間:\(x\)分
- きょり:\(40x\)m
- 走った区間
- 速さ:分速100m
- 時間:12分
- きょり:1200m
ステップ⑤日本語の式を数式に直す
③の式に、④で整理した情報を当てはめて
\(40x+1200=2000\)
という方程式を立てることができます。
あとはこの方程式を解いて
\(40x+1200=2000 \\ 40x =2000-1200 \\ 40x = 800 \\ x =20\)
よって、歩いた時間は20分となります。
例題2(時間の式を立てる問題)
分速30mで歩き、途中から分速100mで400mのきょりを走った。
合計の時間が1時間だったとき、分速40mで歩いたきょりは何mか。
【解説】
①~②
歩いたきょりを\(x\)mとする。
「合計の時間が1時間」とあるので、ここを等式にします。
③
ステップ②の文章から「○=1時間」というゴールをイメージします。
ただ、速さの条件が「分速30m」なので、この速さを使って計算すると出てくる時間は「分」です。
そのため、「時間」を「分」に変換します。
すると
1時間=60分
なので、「○=60分」というゴールにイメージし直します。
そして、歩いた時間と走った時間の合計が60分なので
歩いた時間(分)+走った時間(分)=60分
という等式が作れます。

④~⑤
「時間」についての式なので、次の関係を使います。
\( \displaystyle \text{時間} = \frac{\text{速さ}}{\text{時間}}\)
そのため、「速さ」「時間」の情報を、文章から読み取って、「きょり」を文字で表します。
- 歩いた区間
- 速さ:分速30m
- きょり:\(x\)m
- 時間:\( \displaystyle \frac{x}{40}\)分
- 走った区間
- 速さ:分速100m
- きょり:400m
- 時間:4分(\( = \displaystyle \frac{400}{100}\)分)
よって、
\( \displaystyle \frac{x}{30}+4=60\)
という方程式を立てることができます。
あとはこの方程式を解いて
\( \displaystyle \frac{x}{30}+4=60 \\ \displaystyle \frac{x}{30} =56 \\ x = 56 \times 30 \\ x=1680m \)
よって、歩いたきょりは1680mとなります。

例題1ではきょりを、例題2では時間を変換して解きました。
速さ自体を変換する方法もありますが、きょりや時間の変換より複雑になるため、変換するときは、きょりか時間を変換するようにしてください。
よくある間違いパターンと対策
「地点Aから地点Bまで\(x\)時間、地点Bから地点Cまで30分歩いた。歩いた時間は合計何分か?」
こういう記述があったときに、よくある間違いがこれです。
\(x+30=(x+30)分\)
式の形としては自然に見えますが、これは時間と分を足してしまっています。
\(x\)は「時間」、30は「分」なので、単位がそろっていません。
正しくはまず\(x\)を分に換算します。
\(x時間=60x分\)
そのうえで足すと、
\(60x+30=(60x+30)分\)
数字の場合は「1+30=31分?おかしい」とすぐ気づけます。でも文字式だと\((x+30)\)という式がそれっぽく見えてしまうので、単位がずれていても気づけません。
これぐらい文章がシンプルだとまだ気づきやすいですが、文章題が複雑になると、単位に注意が向かなくなっていきます。
単位変換を間違えないための工夫:文字に単位をつけて扱う
単位変換を間違えないためには、「文字に単位をつけて扱う」ことが大事です。
たとえば、「歩いた道のりは何mか?」のような問題で道のりを文字で置くとき、単に「\(x\)」と置くのではなく「\(x\)m」と書くようにします。
細かいようですが、これだけでかなり間違いが減ります。
単位変換が必要な速さの文章題のまとめ
単位変換が必要な速さの文章題のコツは、次の通りです。
- 解き方は普通の文章題と変わらない
- ステップを分割して、1回で考える量を減らす
- 等式を立てるときは単位込みで「何についての式か」を考える
- 文字を使ったときの単位のミスは目立ちにくい
- 単位の変換は「きょり」か「時間」で行う
- 単位変換のミスを減らすためには、文字を単位付きで扱うことも大事

今回の記事はここまでです。
お疲れさまでした。
「単位変換が必要な速さの文章題」は、特別なコツがあるというよりは、「速さの文章題のポイント」を徹底して精度を上げていくイメージです。
次からは、この方程式の基本ができた上で、さらに③の文章の解釈が難しい、速さの文章題について取り扱っていきます。

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