「何分かかるかって聞かれているのに、道のりを\(x\)mっておくの?」
そんな経験ないですか?
方程式の問題では、最後に聞かれているものを\(x\)とおくのがセオリーです。
ただ、問題によっては、それ以外のものを\(x\)でおいた方が計算や立式が楽なことがあります。
今回の記事では、速さの文章題で\(x\)の置き方を工夫できる問題について、例題付きで解説していきます。

速さの文章題は、「方程式を立てるステップを分割して考えること」、「何についての等式かを考える」の2つを定着させると、理解が進みます。
速さの文章題に自信のない方は、まずこちらをお読みください。
👉方程式、速さの文章題①|ステップ分割と「何についての式か」で考える立式のコツ【中1数学】
\(x\)の置き方が工夫できる方程式の文章題の見分け方
\(x\)の置き方を工夫できる問題には、次のような特徴があります。
等しい関係が1つしかない問題では、立てられる等式も1つなので、\(x\)の置き方に工夫の余地はありません。
等しい関係が2つあるとき、どちらの関係を使って等式を立てるかを選べるため、工夫の余地が生まれます。
では、次で実際の例題を見ていきます。
速さの文章題での\(x\)の置き方の工夫
例題
Aさんの家から学校まで900mある。
Aさんは、家からP地点までを分速60mで歩き、P地点から学校までを分速100mで走った。
歩いた時間と走った時間の合計は11分だった。
このとき、P地点から学校までの道のりを求めなさい。
この問題には、等しい関係が2つあります。
- 「家から学校までが900m」
→ きょりについての等しい関係 - 「歩いた時間と走った時間の合計は11分」
→ 時間についての等しい関係
どちらの関係でも等式を立てられるため、\(x\)の置き方を工夫できます。
きょりを\(x\)とおいて解くとどうなる?
①文字でおく
P地点から学校までの道のりを\(x\)mとおきます。
(求めるよう指示されたものを直接xとおきました)
②等しい関係を見つける
問題文中に、等しい関係は次の2つがあります。
- 「家から学校までが900m」
- 「歩いた時間と走った時間の合計は11分」
きょりを\(x\)とおいているので、速さときょりから時間を表すことができます。
そのため、時間についての等しい関係「歩いた時間と走った時間の合計は11分」を使います。
③等しい関係を言葉を使った式で表す
「歩いた時間と走った時間の合計は11分」を式にすると、次のかたちになります。
(歩いた時間)+(走った時間)=11分
④条件を整理する
時間についての式を立てるので、次の関係を使います。
\(\displaystyle \text{時間}=\frac{\text{きょり}}{\text{速さ}}…(A)\)
歩いた区間、走った区間の情報を整理すると次のようになります。
- 歩いた区間
- きょり:\((900-x)\)m
- 速さ:分速60m
- 時間:\(\displaystyle \frac{900-x}{60}\)分
- 走った区間
- きょり:\(x\)m
- 速さ:分速100m
- 時間:\(\displaystyle \frac{x}{100}\)分
歩いたきょりは、合計900mから走ったきょり\(x\)mを引いた\((900−x)\)mです。
時間は、きょり、速さを(A)の式に代入して表しています。
⑤日本語の式を文字にする
③の式に④でまとめた値を当てはめると
\[ \frac{900-x}{60}+\frac{x}{100}=11\]
という等式をつくることができました。
この式を解くときは、分数をなくすため、60と100の最小公倍数である300を両辺にかけます。
\[ (\frac{900-x}{60}+\frac{x}{100}) \times 300 =11 \times 300 \]
\[ 5(900-x)+3x=3300 \]
\[ 4500 -5x+3 =3300 \]
\[ -2x =3300-4500 \]
\[ -2x =-1200 \]
\[ x = 600 \]
よって、走った距離は600mです。
時間を\(x\)とおいて解くとどうなる?
P地点から学校まで走った時間を\(x\)分とおきます。
さっきとは逆に時間を文字で置いているため、きょりの関係である「家から学校までが900m」を使います。
すると、式は次のように表すことができます。
(歩いたきょり)+(走ったきょり)=900m
\(\text{きょり}=\text{速さ} \times \text{時間}\)
なので、速さ、時間、きょりについて整理すると
- 歩いた区間
- 速さ:分速60m
- 時間:\((11-x)\)分
- きょり:\(60(11-x)\)m
- 走った区間
- 速さ:分速100m
- 時間:\(x\)分
- きょり:\(100x\)m
以上から、等式は
\[60(11-x)+100x=900\]
と表すことができました。
これを解くと
\[60(11-x)+100x=900 \]
\[ 660-60x+100x = 900 \]
\[ 40x = 900-660 \]
\[40x = 240 \]
\[ x = 6\]
と求めることができます。
先ほどの分数の計算と比べると、計算しやすいことがわかります。
ここで注意してほしいのが、\(x\)はもともと走った時間を表したものです。
そんため、この解が意味するのは、「走った時間が6分だった」ということです。
しかし、問題で聞かれたのは、「走ったきょり」です。
条件整理のときに、走ったきょりは\(100x\)mと表してあるため、これに\(x\)を代入すると、走ったきょりは600mとなります。

どんな問題でも、\(x\)を求めた後に、何を聞かれたかを確認する習慣をつけるといいですよ。
\(x\)の置き方が工夫できる速さの文章題のまとめ
今回の内容をまとめると、次の通りです。
- 等しい関係が2つ出てくる式は\(x\)の置き方を工夫しやすい
- 速さの問題では、「きょり」、「時間」のどちらの等しい関係もある場合は、「時間」を文字で置いて、「きょりについての式」を立てると計算が楽
- 方程式の文章題では\(x\)を出した後に、何を聞かれていたか確認する習慣をつける

今回の記事はここまでです。
難しく感じても、意味を確認しながら繰り返せば必ず解けるようになります。
ここまでできれば、方程式の文章題の土台はバッチリです。
次の記事では、よく出る「追いつく」という表現の読み替え方について説明しています。
難しくはないですが、
👉方程式、速さの文章題④|「追いつく」問題の等式の立て方【中1数学】


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