速さの文章題の中でも、「追いつく」という表現が出てくる問題は、どこから手をつければいいかわからなくなる人が多いと思います。
この記事では、「追いつく」をどう読み替えて等式にするかを、例題をもとに順番に解説します。

速さの文章題は、「方程式を立てるステップを分割して考えること」、「何についての等式かを考える」の2つを定着させると、理解が進みます。
速さの文章題に自信のない方は、まずこちらをお読みください。
👉方程式、速さの文章題①|ステップ分割と「何についての式か」で考える立式のコツ【中1数学】
「追いつく」が出てくる速さの文章題の例題と解説
例題
A君は家を出て、毎分60mで歩いていった。
A君の忘れ物に気づいたお兄さんが、6分後に家を出て毎分100mで後を追いかけた。
お兄さんがA君に追いつくのは家を出てから何分後か。
【解説】
① 何を\(x\)でおくか決める
お兄さんはA君に\(x\)分後に追いつくとする。
② 等しい関係を見つける
「後を追いかけた。お兄さんがA君に追いつくのは」の部分に注目します。
「合計で○m」のようなわかりやすい部分がないので、最初はわかりづらいですが、「追いつく」という言葉にちゃんと等式を立てるための情報が詰まっています。
③関係を日本語のまま式にする
「追いつく」とはどういう状態か、ここで立ち止まって考えます。
2人は同じ家からスタートして、同じ地点で追いつきます。
つまり、2人が移動した距離は等しいはずです。
よって、
A君の移動したきょり(m)=お兄さんの移動したきょり(m)
という「きょり(m)についての等式」が成り立ちます。
④必要な数や条件を整理する
きょりは、次の式で求められます。
きょり = 速さ × 時間
速さはどちらも問題文に書いてあります。
そのため、時間をどう表すかがポイントです。
A君とお兄さんは出発時刻が6分違うので、追いつくまでの移動時間も6分違います。
A君が先に6分間移動しているので、A君の方が移動している時間は6分長いです。
そのため、A君の移動時間は、お兄さんが追いつくまでの時間\(x\)分より6分多い、\((x+6)\)分と表せます。
まとめると次の通りです。
- A君
- 速さ:毎分60m
- 時間:\((x+6)\)分
- きょり:\(60(x+6)\)m
- お兄さん
- 速さ:毎分100m
- 時間:\(x\)分
- きょり:\(100x\)m
⑤日本語の式を数式に直す
③の等式に④の情報を当てはめます。
\[60(x+6) = 100x\]
という等式が立てられました。
これを解くと
\[60x+360 = 100x\]
\[40x = 360\]
\[x=9\]
よって、お兄さんが家を出てから9分後に追いつくとわかります。
「追いつく」の問題はこうやって読もう
「追いつく」は「進んだきょりが等しい」と読み替える
同じ地点からスタートして追いつく、ということは、2人が進んだ距離は等しくなります。
当たり前といえば当たり前なのですが、テストでいざ問題を見るとわからなくなるポイントです。
「追いつく」という言葉を見たら、まず「距離が等しい」と読み替えるクセをつけておきましょう。
「○分遅れ」「○分はやい」は移動時間に注目する
「○分後に出発した」などは時刻に関する表現なので、そのままでは等式に使えません。
どちらの移動時間が、どれだけ長いのか(短いのか)を考えて、数式で表してください。
例えば「A君の6分後にお兄さんが出発した」では、お兄さんの方がA君より移動時間が6分短いので
- お兄さんの移動時間(分)=A君の移動時間(分)-6分
- A君の移動時間(分)=お兄さんの移動時間(分)+6分
のどちらかに読み替えることができます。

「時間についての等式」を立てる方法もある
今回は「追いつく」に注目して式を立てましたが、実は同じ問題で「〇分遅れ」「〇分はやい」のような情報に注目して「時間についての等式」を立てることもできます。
式の形は変わりますが、答えは同じです。
ただ、問題文によっては「きょりについての等式」を立てないといけないこともあるので、どちらも解けるようにしておくと安心です。
気になる方はこちらの記事もあわせて読んでみてください。
👉方程式、速さの文章題⑤|○分遅れ、○分はやくの等式の立て方【中1数学】
「追いつく」が出てくる速さの等式の立て方まとめ
「追いつく」が出てくる速さの文章題のポイントは次の通りです。
- 「追いつく」→ 同じ地点からスタートして同じところまで移動しているので、距離は等しい
- 「○分遅れ」「○分はやい」→ 移動時間がどれだけかに注目する
- 同じ問題を「時間の等式」で解くこともできる(詳しくは次の記事へ)

今回の記事はここまでです。
このくらいの問題が解けるようになると、速さの文章題はかなり得点できるようになってきます。
焦らず、ステップを一つずつ確認しながら解く習慣をつけていきましょう。
次の記事では、「〇分遅れ」「〇分はやい」の文章題についての考え方を解説しています。
大小関係を等式で表す分、今回の内容よりも少し難しくなりますが、基本の考え方は同じです。
ぜひ読んでみてください。
👉方程式、速さの文章題⑤|○分遅れ、○分はやくの等式の立て方【中1数学】


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