方程式、速さの文章題⑤|○分遅れ、○分はやくの等式の立て方【中1数学】

「A君はB君より10分はやく着いた」
この一文、等式にしようとしたとき、どうやって式を立てればいいか迷ったことはありませんか?

「○分遅れ」「○分はやく」は速さの文章題でよく見かける表現ですが、そのまま等式にしようとするとつまずきやすいポイントがあります。

この記事では、そのモヤモヤを整理するための考え方を、例題を使いながら丁寧に解説していきます。

この記事でわかること
  • 「○分遅れ」「○分はやい」という表現を、 移動時間の「長い・短い」に読み替える方法
  • 「長い・短い」の大小関係を、 正しく等式に表すコツ
  • 距離・速さ・時間を整理して、 方程式を立てる5つのステップ

速さの文章題は、「方程式を立てるステップを分割して考えること」、「何についての等式かを考える」の2つを定着させると、理解が進みます。
速さの文章題に自信のない方は、まずこちらをお読みください。
👉方程式、速さの文章題①|ステップ分割と「何についての式か」で考える立式のコツ【中1数学】

例題

A君は家を出て、毎分60mで歩いていった。
A君の忘れ物に気づいたお兄さんが、6分後に家を出て毎分100mで後を追いかけた。
お兄さんがA君に追いつくのは家を出てから何mの地点か。

【解説】

何を\(x\)でおくか決める

家からお兄さんが追いつく地点までのきょりを\(x\)mとする。


②等しい関係を見つける

「6分後に家を出て毎分100mで後を追いかけた。お兄さんがA君に追いつく」の部分を等式にします。

少しわかりにくいですが、「◯分後」、「◯分前」、「◯分遅い」、「◯分はやい」のような時刻の情報から等式をつくることができます。


③関係を日本語のまま式にする

「お兄さんの方が6分後に出た」ということは、お兄さんの方が移動時間が6分短いということです。

お兄さんの方が6分短い
⇒お兄さんの時間に6分足すとA君の時間と等しくなる

ということなので、

A君の移動時間(分)=お兄さんの移動時間(分)+6(分)

という「時間(分)についての等式」が成り立ちます。


④必要な数や条件を整理する

A君もお兄さんも、家から追いつく地点まで移動しているので、移動時間は2人とも\(x\)mです。
また、速さは問題文より与えられています。

時間を求める公式、

\[ \text{時間} = \frac{ \text{きょり}}{ \text{速さ}}\]

と整理した条件を使って、きょり、速さ、時間についてそれぞれまとめると次のようになります。

  • A君
    • きょり:\(x\)m
    • 速さ:分速60m
    • 時間:\(\displaystyle \frac{x}{60}\)
  • B君
    • きょり:\(x\)m
    • 速さ:分速100m
    • 時間:\(\displaystyle \frac{x}{100}\)

⑤日本語の式を数式に直す

③の式に④で整理した情報を当てはめると

\[\frac{x}{60}=\frac{x}{100}+6\]

という等式を立てることができます。


得られた等式の両辺に300をかけて

\[\frac{x}{60}\times300 =\frac{x}{100}\times 300 +1800\]

\[5x =3x+1800 \]

\[ 2x = 1800 \]

\[ x = 900 \]

よって、家から追いつく地点まで900mあるとわかります。

目次

「○分遅れ」「○分はやい」の問題はこうやって読もう

  • 「○分遅れ」「○分はやい」は移動時間に注目する
  • 等式での大小関係の表し方
    1. 元の数の大小を考える
    2. 大きい方から差を引くか、小さい方かに差を足す
  • 「追いつく」は「進んだきょりが等しい」と読み替える

「○分遅れ」「○分はやい」は移動時間に注目する

「○分後に出発した」などは時刻に関する表現なので、そのままでは等式に使えません。
どちらの移動時間が、どれだけ長いのか(短いのか)を考えて、数式で表してください。

今回の場合では、同時にスタートしてA君の方が10分はやく移動し終わっているので、A君の方が移動時間の方が10分短いということになります。

このような大小関係を等式で表すときは、もう一つ注意するポイントがあります。

等式で大小関係を表すときに注意するポイント

「A君の移動時間の方が10分短い」を等式にするとき、「Aさん」と「10分短い」に引っ張られて、次のような式を立ててしまうことがよくあります。

  • A君の移動時間(分)-10分 = B君の移動時間(分)

Aさんの移動時間の方がもともと10分少ないので、さらにそこから10分を引いてしまうと、B君の移動時間に比べてさらに短くなってしまうので、これは間違いです。

大小関係を等式で表すときは、元の数の大小を考えて、大きい方から差を引くか、小さい方かに差を足すようにすると間違いなく等式を立てられます。

今回の例で考えると、次のどちらかです。

  • 長い方から10分引く
    Aさんの移動時間(分)=Bさんの移動時間(分)-10分
  • 短い方に10分足す
    Aさんの移動時間(分)+10分=Bさんの移動時間(分)

大小関係を等式で表す問題については、別記事でもまとめています。
👉方程式の文章題|「どっちに足す?」大小関係を等式にするコツを徹底解説【中1数学】

「追いつく」は「進んだきょりが等しい」と読み替える

同じ地点からスタートして追いつく、ということは、2人が進んだ距離は等しくなります。

当たり前といえば当たり前なのですが、テストでいざ問題を見るとわからなくなるポイントです。
「追いつく」という言葉を見たら、まず「距離が等しい」と読み替えるクセをつけておきましょう。

「きょりについての等式」を立てる方法もある

今回は「移動時間の差」に注目して式を立てましたが、実は同じ問題を「きょりについての等式」で解くこともできます。

今回は、最初にきょりを\(x\)とおいたので「時間についての等式」を立てました。
しかし、最初に時間を\(x\)とおくと「きょりについての等式」を立てることができます。

時間を文字でおいて「きょりについての等式」を立てた方が、計算は易しいです。
ただ、問題文によっては「時間についての等式」を立てないといけないこともあるので、どちらでも解けるようにしておくと安心です。


👉方程式、速さの文章題④|「追いつく」問題の等式の立て方【中1数学】

「○分遅れ」「○分はやい」の速さの文章題のまとめ

今回の記事のまとめは以下の通りです。

  • 「○分遅れ」「○分はやい」→ 移動時間がどれだけかに注目する
  • 「長い・短い」の大小関係から等式を正しく組み立てられる
  • 「追いつく」→ 同じ地点からスタートして同じところまで移動しているので、距離は等しい

今回の記事はここまでです。

3つのポイントが重なる分、最初は整理しにくく感じるかもしれません。
ただ、一つひとつ順番に確認していけば必ずできるようになります。
まず基本の速さの問題と大小関係の等式を固めれば、あとは読み替え方だけの問題です。

👉準備中です。すみません。

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