「変化の割合って、どんな意味だったっけ?」
そんなふうに感じたことはありませんか?
中2で習う一次関数のときは理解できていたのに、少し時間がたつと「どうやって計算するんだっけ」と迷いやすい単元です。
でも、変化の割合は一次関数に限った考え方ではなく、反比例や二次関数などにも使われる、とても大切な考え方です。
この記事では、そんな変化の割合を
- 意味
- 計算方法
- 応用へのつながり
の3ステップで、わかりやすく整理していきます。
変化の割合とは
変化の割合の定義、公式、意味は次の通りです。
- 定義
\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合 - 公式
\(\displaystyle (変化の割合)= \frac{(yの増加量)}{(xの増加量)}\)
※増加量は
(変化後の値)-(変化前の値) - 意味
2点間の変化の割合は、その2点を結ぶ直線の傾き
次に、これを踏まえて、実際にどんな計算をするのかを見ていきます。

一次関数のときに、「変化の割合=一次関数の傾き」みたいな覚え方をする人が多いですが、それだけだとなかなか応用が利きません。
計算の方法と意味をしっかり押さえてください。
公式の意味まで戻って理解したい方は一次関数、変化の割合とは?を参考にしてください。
変化の割合|表を使った計算方法
変化の割合の計算では、\(x\)の増加量、\(y\)の増加量を表にまとめると、考えを整理するのに大変役立ちます。
実際の問題で見てみましょう。
例題1(表を使った変化の割合の計算)
点(3,-1)から点(5, 3)に変化するときの変化の割合を求めなさい。
解説
\(x\)、\(y\)の変化をまとめると次の表の通り。
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | ||
|---|---|---|---|---|
| \(x\): | 3 | 5 | ⇒ | 2 (=5-3) |
| \(y\): | -1 | 3 | ⇒ | 4 (=3-(-1)) |
よって、公式より変化の割合は
\(\displaystyle \frac{4}{2}=2\)

変化の割合に限らずですが、前後の変化を整理したいときに、表はとても役立ちます。
一次関数では、この変化の割合がどうなっていたのかを見ていきます。
変化の割合|一次関数の場合
まず、一次関数の変化の割合を考えていきます。
例題2(一次関数の変化の割合)
一次関数\(y=2x-3\)において、\(x\)が-1から4まで増加するときの変化の割合を求めなさい。
解説
\(x=-1\)を\(y=2x-3\)に代入して
\(y=2 \times (-1) -3 =-5\)
\(x=4\)を\(y=2x-3\)に代入して
\(y=2 \times 4 -3 =-5\)
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | ||
|---|---|---|---|---|
| \(x\): | -1 | 4 | → | 5 |
| \(y\): | -5 | 5 | → | 10 |
よって変化の割合は
\(\displaystyle \frac{10}{5}=2\)
この問題を解いてわかる通り、一次関数の場合は、変化の割合とグラフの傾きは一致します。
ここまでが、中2で変化の割合を学習したときに出てくる話です。
次は、この変化の割合を反比例や二次関数で使った問題を取り扱います。
変化の割合|反比例、二次関数への応用
関数が一次関数でなくても、考え方に変わりはありません。
反比例の式で、変化の割合を考えてみます。
例題3(一次関数以外の変化の割合)
反比例の式\(\displaystyle y=\frac{12}{x}\)において、\(x\)が2から6まで増加するときの変化の割合を求めなさい。
解説
\(x=2\)を\(\displaystyle y=\frac{12}{x}\)に代入して
\(\displaystyle y=\frac{12}{2}=6\)
\(x=6\)を\(\displaystyle y=\frac{12}{x}\)に代入して
\(\displaystyle y=\frac{12}{6}=2\)
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | ||
|---|---|---|---|---|
| \(x\): | 2 | 6 | → | 4 (=6-2) |
| \(y\): | 6 | 2 | → | -4 (=2-6) |
よって変化の割合は
\(\displaystyle \frac{-4}{4}=-1\)

一次関数の変化の割合を計算したときと、手順は何も変わりません。
難しそうに見えても、実は基本と変わらないということはよくあります。
次は、二次関数の変化の割合を考えてみます。
今度は、文字が入ったときの処理の仕方も見ていきます。

一見難しそうに見えますが、今までとほとんど同じ解き方で解けます。
例題4(一次関数以外の変化の割合、文字が入った場合)
2次関数\(y=ax^2\)において、\(x\)が-2から1に変化するときの変化の割合が3である。
\(a\)の値を求めなさい。
解説
文字が入っていても、これまでと同じように計算していきます。
\(x=-2\)を\(y=ax^2\)に代入して
\(y=a \times (-2)^2 =4a\)
\(x=1\)を\(y=ax^2\)に代入して
\(y=a \times (1)^2 =a\)
| 変化前 | 変化後 | 増加量 | ||
|---|---|---|---|---|
| \(x\): | -2 | 1 | → | 3 (=1-(-2)) |
| \(y\): | \(4a\) | \(a\) | → | \(-3a\) (=\(a-4a\)) |
よって変化の割合は
\(\displaystyle \frac{-3a}{3}=-a\)
条件より変化の割合が3であるので
\(-a=3\)
\(a=-3\)
おわりに
この記事では、変化の割合の「意味」と「計算のしかた」、
そして反比例・二次関数へのつながりを確認しました。
変化の割合は、数字を計算するだけのものではなく、
「どのくらい変わったのか」を比べるものの見方そのものです。
一次関数の傾きとして覚えるだけでなく、
「変化を比べる考え方」としてとらえると、
この先の関数の学習でも迷わずに進めるようになります。




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