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【定期テスト対策・中2数学】一次関数のグラフとは?傾き・切片の意味をわかりやすく解説

中2の関数(一次関数)

「傾きと変化の割合ってどう違うの?」「切片って何?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?

「一次関数の式 \(y=ax+b\)」に出てくる\(a\)と\(b\)。
この2つの文字には、グラフの形や位置を決める大事な意味があります。

この記事では、グラフの中で\(a\)(傾き)と\(b\)(切片)がどんな役割をしているのかを、実際のイメージとともにわかりやすく整理していきます。

この記事でわかること
  • \(a\)(傾き)のグラフ上での役割がわかる
  • 傾きと変化の割合の違いがわかる
  • \(b\)(切片)のグラフ上での役割がわかる

【関連記事】

  • 一次関数の式で\(a,b\)にどんな意味があったか気になる方はこちら
    一次関数とは何か、\(a,b\)にはどういう意味があるかについてまとめています。
    式としての\(a,b\)の意味をわかってから、グラフとしての\(a,b\)の意味を考えると、グラフの理解も進みますよ。
    👉一次関数とは?a,bの役割について具体例で詳しく解説

一次関数のグラフって何?

一次関数のグラフは、一次関数の式を満たす点の集まり

一次関数のグラフ:\(y=ax+b\)を満たす点の集まりグラフは直線になる

関数の式に、\(x\)の値を代入すると、そのときの\(y\)の値が決まります。
この決まった\(x\)、\(y\)を座標にとっていって、線で置き換えたものが関数のグラフです。

関数のグラフの意味についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
グラフの意味がわかっていると、グラフ上の点を求めたり、交点を求めたりするときの根拠もよくわかります。
「グラフは式を満たす点の集まり」という言葉の意味がわらなければ、ぜひこちらの記事をお読みください。
👉グラフの基本!「グラフは式を満たす点の集まり」の意味を図解で解説

一次関数の\(a,b\)はグラフ上でどういう役割をしている?

  • \(a\)(傾き)
    右に1進んだとき、グラフがどれだけ上がる(下がる)かを表す
  • \(b\)(切片)
    グラフが\(y\)軸と交わる高さ
    グラフは必ず点\((0,b)\)を通る

ここからは、それぞれ\(a,b\)のそれぞれについて見ていきます。

\(a\)(傾き)について

一次関数の一般形は、次のように表されます。

\(y=ax+b\)…①

そして、①の\(x\)にいくつも値を代入して、求めた\(y\)を座標にとっていくと、一次関数のグラフができます。

つまり、\(x\)が\(1\)増加すると、\(y\)は\(a\)増加します。
\(y\)は\(x\)の増加に対して一定の割合で増加(または減少)するため、グラフはまっすぐな直線になります。
この\(x\)が1増加したときの増加量\(a\)を、グラフの傾きと呼びます。

一次関数の「グラフの傾き」と「変化の割合」についての整理

  • 一次関数では、「(グラフの傾き)=(変化の割合)」で、どちらも値は\(a\)
  • 傾きは「グラフ上で使う用語」、変化の割合は「計算で求める値」

グラフの傾きは「\(x\)が1増加した時の\(y\)の増加量」のこと。
一方変化の割合も「\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合」のことで、言い換えると「\(x\)が1増加したときの\(y\)の増加量」のことでした。

そのため、一次関数においては、グラフの傾きと変化の割合は一致すると言えます。

そのため、よくこの2つを混同してしまうことがよくあります。
そこで、しっかり区別しておいてほしいのですが、まず「傾き」はグラフ上での直線の様子を表す言葉です。
だから、直線のグラフ以外で使うことはありません。

一方、変化の割合は、「\(x\)の増え方に対して\(y\)の増え方はどうなっているか」を計算したものです。
そのため、変化の割合は計算で出してきた値であり、一次関数以外の関数についても考えることができます。

たとえば、「反比例のグラフの傾き」というものは存在しません。
しかし、「反比例の式で\(x\)が1から3に増加したときの変化の割合」は計算で求めることができるのです。

「変化の割合って何だっけ?」と思われた方はこちらの記事をお読みください。
変化の割合の意味からはじめて、基本の計算方法までをまとめています。
👉変化の割合とは?意味から計算方法までをやさしく解説

\(b\)(切片)について

\(x=0\)を①に代入すると、\(y=b\)となります。
つまり、グラフは点\((0, b)\)、すなわち\(y\)軸上の高さ\(b\)の点を必ず通ります。
この\(b\)のことを切片といいます。

\(a,b\)の役割を図解で確認

グラフ上での動きを図で見ると、下図のようになります。
「\(a\)は\(x\)が1増加したときの\(y\)の増加量」、「切片は\(y\)軸を通る高さ」の意味を、図と一緒に確認してみてください。

一次関数のグラフ:傾きと切片

おわりに

今回の記事では、一次関数のグラフを形づくる2つの要素、傾き(\(a\))と切片(\(b\))
そして傾きと変化の割合の関係について整理しました。

どれも一次関数のグラフを理解するうえで欠かせない基礎です。
次の記事では、この知識を使って「式からグラフを描く」練習に進みます。
「切片をとる⇒傾きからもう1点をとる」の順で考えると、グラフはすぐに描けるようになります。

ぜひ、今回の内容を思い出しながら読み進めてみてください。

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