一次関数と連立方程式、まったく別の単元に見えます。
でも、実は深くつながっています。
二元一次方程式を変形すれば一次関数の形になります。
そして、連立方程式の解はグラフの交点になっています。
この記事では、
- 二元一次方程式と一次関数の関係
- 連立方程式とグラフの関係
- 2つの一次関数のグラフの交点の求め方
を、例と図を使ってわかりやすく解説します。
関数と方程式のつながりを、いっしょに整理していきましょう。
二元一次方程式を一次関数の形に変えるとどうなる?
二元一次方程式と一次関数は、表し方が違うだけで同じものです。
だから、式を変形して「\(y=ax+b\)」の形にできます。
例で確認しよう
二元一次方程式とは、
\(x-2y=2\)
のような式です。
\(x\)と\(y\)の2種類の文字が含まれ、文字の次数はどちらも1次の方程式です。
復習に言葉の意味を振り返っておきます。
- 元
方程式に含まれる文字の種類のこと。
今回は\(x\)、\(y\)の2種類なので二元。 - 次
方程式中の文字の最大の次数のこと。
今回は\(x\)、\(y\)のどちらも一次なので一次。
もし、\(x^2\)などがどこかにあったら二次。
この式を\(y\)について解くと
\(x-2y=4\)
\(-2y=-x+4\)
\(\displaystyle y=\frac{1}{2}x-2\)
となります。
これで一次関数の式と同じ形になりました。
一次関数の形に変形するメリット
「\(y=ax+b\)」の形に変形すると、次のようなメリットがあります。
- グラフを描いて考えやすい
- \(x\)の値に対応した\(y\)を計算しやすい
この章のポイント
- 二元一次方程式と一次関数は同じもの
⇒\(y\)について解くと一次関数の形になる - 一次関数の形にすると、グラフや計算がスムーズになる
連立方程式の解とグラフの交点の求め方
2つの二元一次方程式があるとき、それぞれの式をグラフに描くと、その2つのグラフの交点と連立方程式の解は同じものです。
だから、次の2つのことが言えます。
- 連立方程式の解を知りたい
⇒グラフを描いて交点を読み取る - グラフの交点を知りたい
⇒連立方程式を解いて解を求める

特に大事なのが交点の求め方です。
交点を求める機会はこれからたくさんあります。
「交点といえば連立」と思っておいてください。
例で確認しよう
\(y=2x+1\)…①
\(y=-x-5\)…②
という2つの一次関数を考えます。
グラフの交点の意味
一次関数のグラフは、その一次関数の式を満たす点の集まりです。
そして、グラフの交点とは、2つのグラフが重なる点のことを指します。
したがって、交点では当然、2つのグラフにおいて\(x\)と\(y\)の値が同じになります。
つまり、一次関数のグラフの交点とは、「2つの式を同時に満たす\(x\)、\(y\)の組」である点と言えます。
実際に、この2つのグラフを描いて、交点を出してみます。

交点の座標が(-2, -3)と読み取れます。
一次関数のグラフの描き方は一次関数のグラフの描き方3ステップ(分数編)を参考にしてください。
連立方程式の意味
連立方程式の解は、2つの二元一次方程式で共通する\(x\)と\(y\)の組み合わせです。
計算は少し複雑に見えますが、加減法や代入法はすべて「2つの式に共通する\(x\),\(y\)を探すための方法」と考えればわかりやすいです。
実際に、①、②の連立方程式を解いてみます。
①を②に代入すると
\(2x+1=-x-5\)
\(3x=-6\)
\(x=-2\)
これを①に代入して
\(y=-3\)
よって、\(x=-2\)、\(y=-3\)が答えです。
グラフを描いて読み取った交点と一致していることがわかります。
グラフの交点と連立方程式の解の関係
2つの二元一次方程式のグラフの交点と連立方程式の解は同じです。
それは、今まで見てきた通り、
- グラフの交点
- 連立方程式の解
のどちらも、2式に共通な\(x\)、\(y\)の組み合わせだからです。
実際の計算でも、交点はどちらも\(x=-2\)、\(y=-3\)となったことからも、おわかりいただけたと思います。
この章のポイント
- 2つの二元一次方程式のグラフの交点と連立方程式の解は同じ
- グラフを描いて交点を読めば、連立方程式の解がわかる
- 連立方程式を解けば、グラフの交点がわかる
おわりに
今回の記事では、一次関数と連立方程式についてみてきました。
- 二元一次方程式と一次関数は同じもの
- 一次関数の形にすると、グラフや\(y\)の値を考えやすい
- 連立方程式の解と、グラフの交点は同じもの
- グラフを描いて交点の座標を読めば連立方程式の解がわかる
- 交点を求めたいときは式を連立させる
がポイントです。
特に、「交点を求めるときは連立させる」は、一次関数に限った話ではありません。
中3の二次関数や、高校で習う関数でも、すべて交点は連立させて求めます。
この先の勉強の基礎になる部分なので、しっかりマスターしてください。
がんばってください。
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