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一次関数の完全攻略!基礎からじっくり解き方・考え方の解説【中2数学】

中2の関数(一次関数)

「一次関数が苦手…」
そんなこと思ったことないですか?

ぼくが塾講師として働いていたころ、
中学校2年生以降で塾を探す生徒の大半は、
一次関数でつまずいていました。

それぐらい、取り組みづらい単元です。

しかし、一次関数は、中学数学の中でも特に「理解の積み重ね」が大切な単元です。

一次関数自体がよく出てくる関数な上、
変化の割合・変域の考え方や、交点の求め方など
高校の数学でもよく使う考え方なども登場するからです。

この記事では、一次関数の基本事項を順番に学べるように、網羅的に記事をまとめています。
はじめて学ぶ人も、苦手をやり直したい人も、順に読み進めてみてください。

一次関数の学習目標を押さえよう

学習の基本は、まずしっかり目標を意識することです。

やるべきことを整理して目標を意識できていると、
次のような効果があります。

  • やるべきことの優先順位が見える
  • ペース配分を考えられる
  • どこまでやればいいかわかるので、終わらせていけば自信につながる

一次関数を学習するにあたって、何ができるようになればいいのかを必ず整理するようにしてください。

【解説記事】
👉中学生のための一次関数の学習目標まとめ

一次関数の概要

関数とは、「\(x\)を1つ決めたときにただ1つの\(y\)が決まる関係」のことです。
そして、その関数を式の形に表したものが関数の式です。

ここでは、一次関数とはどういうものか、関数の式の基本的な使い方についてまとめました。

一次関数って何?

一次関数とは「\(y\)が\(x\)の一次式で表される関数(\(y=ax+b\))」のことです。

この\(a,b\)が、式としてどういう役割を果たしているのかについてまとめました。
一次関数の基本になるので、ぜひ読んでみて、一次関数のイメージを固めてください。

【解説記事】
👉一次関数ってどんな関数?関数の意味からていねいに解説

\(x,y\)はどうやって計算したらいい?

\(x,y\)を計算するときは、一次関数の式に\(x\)または\(y\)を代入すると求められます。

この計算は、一次関数の範囲ではとても大事な基礎となり、
たとえば、この先の変化の割合や、変域を考えるときなどにも当たり前のように出てきます。

基本的な計算方法や、考え方までを、具体例付きで解説しています。
ぜひ計算方法と考え方をマスターしてください。

【解説記事】
👉x,yの計算は関数の式に代入!基本の計算方法と考え方

【演習記事】
👉一次関数の基本計算!x,yの求め方の演習

変化の割合について

一次関数の学習中に出てくる変化の割合。

苦手にする人が多くて、定期テストや入試で出ても

「あれ、変化の割合って何だっけ?」

となりがちな範囲です。
いろいろ理由はありますが、大きくは次の2つだと思います。

  • 変化の割合は、関数全体で使う考え方なのに、一次関数ではほんの少し触るだけになってしまう
  • 「変化の割合とグラフの傾きが等しい」というわかりやすい結論があるので、そっちだけが印象に残ってしまう

この2点を解消して、後々まで残る知識になるようにと思って解説をまとめました。

変化の割合って何?

変化の割合は、「\(x\)の増加量に対する\(y\)の増加量の割合」のことです。

公式は次の通りです。

\( \displaystyle \text{変化の割合}=\frac{\text{yの増加量}}{\text{xの増加量}}\)

この公式、忘れる人がとても多いですが、
変化の割合の意味をしっかりわかっていれば、公式を暗記する必要はありません

変化の割合の定義から公式の意味まで、具体例を用いて公式の意味について解説しました。

【解説記事】
👉【関数の基本】脱公式暗記!一次関数、変化の割合の公式を意味からていねいに解説

計算がわかりにくいけど、計算の工夫はないの?

一次関数の変化の割合をを考えるときに、間違えやすいのが増加量の計算
どちらからどちらを引くのか混乱してしまって、間違えてしまうことはよくあります。

こういうミスを減らすためには、を使うのが有効です。

変化の割合に限らず、いくつかのものを比較したいとき、表は有効なツールになります。
ぜひ、変化の割合を通じて、表の使い方に触れてみてください。

【解説記事】
👉一次関数、変化の割合を確実に計算する方法!表を使った計算の工夫

【演習記事】
👉レベル別演習!変化の割合、基本の計算から一次関数への適用まで

解説を読めばわかるけど、自分で考えると手が止まる

変化の割合の問題で一番思考の数が多い問題では、
次のような思考のステップを踏みます。

  1. \(y\)の値を計算
  2. \(x,y\)の増加量を計算
  3. 変化の割合を計算

このぐらいまで思考のステップが増えると、どこから考えればよいかが見えづらくなってきます。

この記事では、変化の割合の問題を、どこから、どの順番で考えればよいか、
逆算の考え方を用いて説明しています

逆算の考え方自体、数学で必須の考え方ですので、
この機会にぜひ触れてみてください

【解説記事】
👉【数学の考え方】解答の順番と思考の順番は違うもの!逆算思考で考える変化の割合

一次関数のグラフについて

グラフは、関数を視覚的に捉えるためのツールです。
ここでは、一次関数のグラフの特徴や、描き方、読み取り方を学びます。

「式⇔グラフ」を自由に行き来できるようになれば、一次関数の理解もぐっと深まります。

一次関数のグラフの傾き、切片って何?

一次関数\(y=ax+b\)のグラフの形の特徴は、傾き\(a\)切片\(b\)で決まっています。

ここでは、傾き、切片はグラフ上のどの部分を表しているのかについてまとめました。
グラフの描き方、読み取り方の土台になるので、しっかり整理しておいてください。

【解説記事】
👉一次関数のグラフの特徴を知ろう!傾き、切片のグラフ上の見方

一次関数のグラフってどうやって描いたらいい?

一次関数のグラフは「切片⇒傾き」の順で考えるとスムーズに描けます。

切片が整数であれば、傾きが整数でも分数でも描けるように、3ステップで描き方をまとめました。
この描き方をマスターすれば、大半の一次関数のグラフは描けるようになります。
ぜひお読みください。

【解説記事】
👉3ステップで描ける!「切片⇒傾き」で考える一次関数のグラフの描き方

直線のグラフから一次関数の式はどうやって読み取ればいい?

直線のグラフを読み取るときも「切片⇒傾き」の順で考えると、スムーズに式を読み取れます。

式の読み取りは、式からグラフを描くのと逆の操作です。
この2つをセットで理解しておくと、「式⇔グラフ」を自由に行き来できるようになります。

ここまでしっかり理解できると、グラフに対する苦手意識もなくなってくると思います。
ぜひ読んでみてください。

【解説記事】
👉読み取り方も「切片⇒傾き」!直線のグラフの読み取り方

切片が分数のときの一次関数のグラフが描けない

グラフを描く問題で、切片が分数のとき、
切片が目盛りの間に来るのでグラフを描くことができません。

そのため、通常「切片⇒傾き」と考えるところを、
「適当な整数の点⇒傾き」と考えてグラフを描かなければいけません。

問題としては定期テスト向けですが、
「直線のグラフ⇒通る2点を考える」という基本的な考え方を養うためにも、
ぜひ取り組んでみてください。

【解説記事】
👉3ステップで描ける!切片が分数のときのグラフの描き方

【演習記事】
👉パターンを網羅!グラフの描き方の演習

一次関数以外に直線のグラフってある?

一次関数以外で、直線のグラフになる式には「\(x=a\)」、「\(y=b\)」の2種類があります。

一見すると、ただの値のようにも見えます。
しかし、この2式はそれぞれ、

「\(y\)の値に関わらず、常に\(x=a\)」
「\(x\)の値に関わらず、常に\(y=b\)」

という意味を持ちます。

最初は慣れないかもしれませんが、式の意味とグラフを一緒に見ていくと、
だんだんイメージが掴めてきます。

意味やグラフの描き方までを解説しているので、ぜひ読んでみてください。

【解説記事】
👉一次関数ではない直線「x=a」「y=b」をていねいに解説

一次関数のグラフ上の点はどうやって求めたらいい?

グラフ上の点を求める時は、関数の式に代入します。

グラフは、関数の式を視覚化したものです。
だから、関数の式から\(x,y\)を計算する方法と、グラフ上の点を求める方法は同じです。

入試でも頻出の分野なので、しっかり押さえてください。

【解説記事】
👉求め方はグラフの式に代入!グラフ上の点の求め方

一次関数の利用

一次関数を活用する問題や、一次関数の式の求め方についてまとめました。

グラフを描いたり、グラフ上の点を求めたりが基本知識になります。
ここまでできるようになれば、一次関数ももう一息です。

一次関数の変域はどうやって考えたらいい?

変域は「グラフの全体像を考える⇒変域で有効域を絞り込む⇒グラフを読み取る」の順で考えると、すっきり求められます。

一次関数に限って言えば、代入して不等号の帳尻を合わすだけでも正答は導けます。
しかし、後の勉強のことまで考えると、代入するだけで答えを求める方法は、
かなりの遠回りなってしまいます。

先の学習まで通じる変域の考え方についてまとめたので、ぜひ読んでみてください。

【解説記事】
👉4ステップでわかる!グラフを用いた変域の求め方

一次関数の式はどうやって求めたらいい?

関数の式は、「一般形でおく⇒代入」で求めることができます。

一次関数の場合は、条件の与えられ方で、一般形のおき方が変わるので、
他の中学校で習う関数より少し難しいです。

すべてのパターンを網羅してまとめたので、この記事を読んでいただいたら、
一次関数の式の求め方は大丈夫だと思います。

【解説記事】
👉パターンを網羅!一次関数の式の求め方

【演習記事】
👉【完全網羅】一次関数の式の求め方 3パターン徹底演習と解法テクニック

一次関数のグラフの交点はどうやって求めたらいい?

グラフの交点を求めたいときは、グラフの式を連立させて求めます。

具体的な計算方法や、計算の工夫、なぜ連立させるとグラフの交点を求められるのか、大事にしたい考え方などについてまとめています。

定期テストでも必ず出ますし、グラフの応用問題を解くときにも必須の知識になります。
考え方さえわかってしまえば、解き方は同じなので、がんばって練習してみてください。

【解説記事】
👉一次関数と連立方程式の関係、交点の求め方をわかりやすく解説

おわりに

一次関数は、グラフや数の関係を通して「変化を読み取る力」を育てる、とても大切な単元です。
はじめは難しく感じても、式の意味・グラフの形・変化の割合がつながってくると、一気に見える世界が変わります。

この単元をしっかり理解できると、
高校で学ぶ二次関数やグラフの応用問題にも自信を持って取り組めるようになります。
つまり、一次関数を“自分の得意分野”にできれば、その先の数学がぐっと楽になるんです。

うまくいかないときも、「少しわかる」を積み重ねれば大丈夫。
このシリーズを通して、自分の力で考えて、グラフを描いて、理解できる楽しさを感じてもらえたらなと思います。

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